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1万5000人の町に木質バイオマス発電所、世帯数の2倍を上回る電力

スマートジャパン 7月6日(水)13時25分配信

 中部電力グループの中部プラントサービスが三重県の多気町(たきちょう)で木質バイオマス発電所を稼働させた。2015年3月に建設工事に着手した「多気バイオパワー」が予定通り1年3カ月で完成して、6月27日から営業運転に入った。

 発電能力は6.7MW(メガワット)と大きく、年間に5000万kWh(キロワット時)の電力を供給できる。一般家庭の電力使用量(年間3600kWh)に換算すると1万4000世帯分に相当する。人口1万5000人の多気町の総世帯数は約5600世帯で、その2.5倍に匹敵する電力量になる。

 燃料は地域の森林で発生する間伐材のほか、道路工事などに伴って伐採する工事支障木を利用する計画だ。年間の使用量は6.5万トンを見込んでいる。三重県の面積のうち64%を森林が占めていて、県のほぼ中央に位置する多気町から見ると西側に森林地帯が広がっている。

 中部プラントサービスは多気バイオパワーの運転開始に先立って、多気町の北から西にかけて隣接する松阪市に木質バイオマス燃料を調達する共同企業体「三重バイオマスJV」を4月に設立した。松阪市内で2014年11月に運転を開始した「松阪木質バイオマス発電所」(発電能力5.8MW)と共同で燃料を安定的に調達する狙いだ。

 三重バイオマスJVは年間に15万トン程度の間伐材や工事支障木を調達して、木材の備蓄から乾燥、さらに木質チップの製造と輸送までを請け負う。多気バイオパワーの構内には木質チップの貯蔵庫があって、三重バイオマスJVから供給を受けた木質チップをフィーダでボイラーに送り込んで燃焼させる仕組みだ。ボイラーで475度の蒸気を作り出し、蒸気タービンを回転させて発電する。

 多気バイオパワーは「多気クリスタルタウン工業ゾーン」の11万平方メートルのうち8800平方メートルの敷地に建設した。この一帯では液晶産業を中核に工業や商業を発展させる一方、地域の特性を生かした産業の創出に取り組んでいる。木質バイオマス発電所も新たな雇用を生み出す。

最終更新:7月6日(水)13時25分

スマートジャパン