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新卒社員の「年収600万円」は高いか?安いか?

ZUU online 7/6(水) 19:10配信

就活に励む学生にとっては、志望動機を考えだしたり自身の適正を見極めたりすることも、もちろん大切だ。が、最大の関心事といえば、やはり給与、特に初任給だろう。

横並びを常とする多くの日本の企業は、初任給も似たような額面となっているが、世の中にはびっくりするほど高額の初任給を出してくれる会社がある。また生涯年収で見ても、目を丸くしてしまうほどの給与を出し続けてくれる会社もあり、入社する企業によって、実態は千差万別だ。

なぜそれほどの高い賃金を実現できるのか。どんな秘密があるのか。就職先としてどうなのか。代表的な企業を例にその実態を紹介したい。

■キーエンスでは30歳で、年収1292万円!

年収の高い会社として知られている企業のひとつが、東証一部上場の「産業用エレクトロニクス」メーカーのキーエンス <6861> である。同社の事業内容は工場用センサーの開発・販売、つまり法人向けの販売がメインとなっている。そのせいか、一般的な認知度は低いものの、高収益体質を誇る日本有数の企業として知る人ぞ知る優良企業だ。

早速、報酬の水準を見てみよう。初任給こそ新卒で 20万5000円 (2015年4月実績)と平均的だが、30歳の年収は1292万円、40歳で1622万円。また、2014年度のデータに基づく、年収が高い会社ランキングでは第1位を獲得した。生涯給料も5億6000万円とダントツの1位となっている。

平均的なサラリーマンの生涯賃金は2億~2億5000万円程度といわれているし、製造業の給与は低いという一般的なイメージもあるから、この高給ぶりは驚異的である。ちなみに、女性が合コンしたい企業ランキング でも第9位だそうである。

キーエンスは工場のない、いわゆる「ファブレス企業」であり、経常利益率52%、社員1700人、無借金経営という超優良企業だ。事業内容は「コンサルティング営業」が主力で、値引きはせず、営業日報は分単位、接待禁止など、実際の勤務はなかなか大変そうだ。だからこそこの高収益経営、かつ高額の年収を実現しているのだろう。

■新卒年収が破格の“600万円!?”

一方で、初任給が抜群に良い会社として知られているのが、大手企業向けにERPパッケージソフト「COMPANY」や人工知能型ERP「HUE」を開発・販売しているワークスアプリケーションズ <4329> である。

同社の新卒初年度給与はなんと、約600万円超。月収換算だと、毎月50万円の給与。平均的な初任給の2倍を上回っていると言えば、その優遇ぶりを理解できるしてもらえるだろうか。

同社はGPTW(Great Place to Work Institute)が実施している「働きがいのある会社」ランキングでも「ベストカンパニー賞」を何度も受賞しており、社内制度や職場環境の改善にも意欲的に取り組んでいるという。職種はコンサルタント営業や開発エンジニアが主体。やはり専門性が高いし本人のやる気、頑張りが不可欠の仕事だ。

昇給に関しては、かなり個人差が多いようだが、人によっては毎年100万円の給料アップもあるといい、成果を出せる人物であればそれだけ報われるとも言えそうだ。

■生涯賃金をとるか、初任給をとるか

大学新卒社員の全業界の平均年収は、200万円~250万円程度といわれている。月収換算だと19万円程度。ボーナスが加算される企業の場合は、22万円ほどである。

就職する立場からすれば、初任給が高いにこしたことはないが、それだけに目を奪われるのは考えものだ。留意したいのは、生涯賃金である。

特に、結婚や出産、子どもの教育など、何かと生活にお金がかかる30代以降は要注意だ。20代の年収がいくらよくても、30代の年収が平均を下回ってしまったら、生活が苦しくなる。それに経済の不透明な現代では、老後の余裕は多すぎることはない。安心した人生を送りたいなら、初任給より生涯賃金に注目したほうが賢明といえる。

キーエンスは、コンサルタント営業という付加価値の高い仕事により、ずば抜けた利益を生み出している。たしかに仕事は厳しいかもしれないが、見返りが大きければ仕事への意欲も高まるだろう。じっくりと腰を据えて自分の専門性を高め、できるだけ長く勤めたいのであれば、生涯賃金の高いキーエンスのような会社がベストチョイスといえる。

一方、初年度年収600万円のワークスは、明確な年齢別年収を明らかにしていない。口コミサイトなどを巡ってみると、一部を除き「昇給はほとんどない」という意見が多い。実際に同社で働いていた人物からも同様の声が聞かれるなど、信憑性もありそうだ。

ワークスアプリケーションズでは、専門性や付加価値の高い仕事だし、成果報酬の割合が大きいようなので個人差がつきやすい、という傾向はあるものの、世の中の平均に比べれば、かなりの高給取りではある。

だからワークスアプリケーションズのような会社の場合、激務の20代に高額の給与を受け取りつつ自分の専門性や社会的価値を高め、30代以降は自分を高く評価してくれる別の会社に転職して生涯賃金の底上げをはかる、というのもひとつの選択肢だろう。

さて、初任給が高額の会社を選ぶか、それとも生涯賃金の高い会社を選ぶか。それは本人の人生設計次第。焦らず慌てず、じっくりと考えていただきたい。(ZUU online 編集部)

最終更新:7/6(水) 20:40

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