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【インタビュー】UNLIMITS、アルバム『U』は「視野が広がった結果、心を開けて自由」

BARKS 7月6日(水)23時20分配信

UNLIMITSが7月6日、フルアルバム『U』をリリースする。PIZZA OF DEATH RECORDSのレーベル内レーベルJun Gray Recordsの第一弾アーティストとしてリリースした前作『アメジスト』から2年3ヶ月ぶり、自身通算5枚目となるアルバムは鎧を脱いだUNLIMITSの強さと深さに唸らされるリリックとサウンドが渦を巻いている。

◆「ラストダンス」ミュージックビデオ 動画

ギターの大月曰く、「経験を全部プラスとして受け入れていて、どれも無駄にしてない」という『U』制作は結果、現在の4人がやりたいことが最もナチュラルなカタチで楽曲群に表現された。ピアノをフィーチャーした「ロンリーブルー」、郡島が初メインヴォーカルをとった「シャーベット」、セッション風のインターが秀逸な「ナイトクルーズ」、Coccoのカバー「あなたへの月」など、思い切りのよい新境地は耳に痛快だ。これまで積み重ねてきた土台を基に大きく踏み出した『U』について、過去を振り返りつつ4人に語ってもらったロングインタビューをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

■“女版BRAHMANになりたい”という
■壮大なテーマがありまして(笑)──清水

──まずはバンドの成り立ちからうかがわせてください。UNLIMITSは清水さんと郡島さんが中心になって結成したんですよね?

清水:はい。最初は2人だけで組んで。

郡島:高校時代にコピーバンドをやっていた流れから、卒業した後にバンドを改めて組もうってことで2人でスタジオ入りして。そこからメンバーが増えて、今のUNLIMITSという形になりました。

──オリジナル曲でバンドをやる際に、こういうことをやりたいというヴィジョンはありましたか?

清水:これ言っていいのかな? えっと……“女版BRAHMANになりたい”っていう壮大なテーマがありまして(笑)。憧れがあってハードめな曲を最初は作っていたんですけど、自分たちにはできなかったというのがあって。そこからちょっとずつポップな流れになってきて、今に至ります。

──そうだったんですね。今のように歌メロがしっかりしてたスタイルは、いつ頃確立されたものなんですか?

清水:最初からメロディアスな曲を作ってはいたんですけど、初期はここまでではなかったよね。

郡島:そうですね、ただ暗いだけというか。

清水:ダークに振り切っていたけども、ポップな感じは見え隠れしてたし。

郡島:ポップな曲ももちろん好きだったので、やりたいなとは思ってたんですけど、その頃は心にも闇を抱えていたので(笑)。

清水;ちゃんとレコーディングをするようになってからかな、ポップになったという意識は。スタジオで曲をただ作ってライブをやっていた頃は、今の感じは全然見えなかったというか。レコーディングをしていく中で「あ、自分たちってポップだな」と意識し始めました。

──じゃあ作品という形になったときに、自分たちを客観視できるようになったと。UNLIMITSというと清水さんと郡島さんのツインボーカルも大きな特徴だと思いますが、このスタイルはいつ頃から?

清水:これはですね、まず私はもともとボーカルではなくて、高校でバンドを始めた頃はギターしか弾いてなかったですよ。で、UNLIMITSを結成したときに“歌う人がいないから私が歌います”みたいな感じで歌い始めたんです。最初は歌が声の出し方もわからなくて、本当に下手くそだったんですよ。しかも、轟音の中で歌うのってカラオケとは全然違うじゃないですか。それで歌うのが苦しくなったところを、ドラムの郡島に「ちょっと苦しいから、ここ歌って?」ってお願いしたのが掛け合いの始まりです。

──なるほど。郡島さんはそこでどう思ったんですか?

郡島:“いや、無理”って(笑)。「無理だよ」って言いました。

清水:「でも歌って?」と。最初は無理やり歌ってもらって、それが今では板についているという。

郡島:板についているのかどうかわかりませんが、どんどん歌う箇所が増えていって。

──今やこのバンドに欠かせない要素になっていますものね。そこから2006年に石島さんと大月さんが加わって、もう10年。おふたりはそもそもどういった経緯でUNLIMITSに加入することになったんですか?

大月:僕も石島ももともとは別々でバンドをやっていて。僕の以前のバンドが活動休止になった頃に、それまで3ピースで活動していたUNLIMITSが新たにギタリストを入れたいっていう話になって。それまで面識があったわけではないんですけど、共通の知り合いが「ギタリストを探してるバンドがいるけど?」って教えてくれたのが最初のきっかけですね。

石島:僕は以前やっていたバンドがUNLIMITSと仲が良くて、ちょいちょいツアーを一緒に回ったりしてたんです。で、そのバンドが活動休止になり、最初はサポートとしてUNLIMITSに参加したんですけど、まだバンド活動を続けたかったので“弾かせてくれ”って感じでそのまま正式メンバーになりました。

──おふたりから見て、その頃のUNLIMITSはどう映りましたか?

大月:確かに暗い感じなんだけど、キャッチーというか。ポップさとキャッチーさってまたちょっと違うじゃないですか。UNLIMITSはものすごくキャッチーだと思いましたね。

郡島:ありがとうございます(笑)。

石島:僕が知り合ったのはちょうど1stミニアルバム(2005年12月発売の『七色の記憶』)が出たタイミングで。「19時の空白」という曲を聴いたときに「すげえいいな!」と痺れて、そのときからいいなと思ってました。

──UNLIMITSの暗さっていわゆる洋楽のダークさとはちょっと違って、日本人的な情緒のある暗さだと思うんです。その日本人の琴線に触れる感じが、キャッチーさというものにつながってるのかなと。

郡島:そうだと思います。こうやって言葉にしていただくと、改めて実感できますね。

清水:ダーク寄りに行き過ぎないようにというのは、曲を作るうえで気をつけてるポイントで。“ダーク”じゃなくて“哀愁”という表現が近いのかもしれないですね。

──ああ、わかります。そういう意味ではブルースっぽいというか。ブルースを“哀歌”と当て字するじゃないですか。そういうイメージに近いんですよ。

清水:はいはい。しかもそれをそのままベタにやってしまったら演歌っぽくなってしまうと思うんですけど、バンドサウンドでソリッドに聴かせるのがうちの持ち味なのかなと思います。だからなのか、メタル好きの人にも受け入れてもらえたりするし、年代問わずに若い人から上の世代の人でも聴いてもらえる感じはありますね。

■前作はまだ捉われてたところがあったのかな
■今作は本当に自由にやれたことが作品に出てる──石島

──そして大きなターニングポイントになったのが2013年、Jun Gray Recordsへの移籍だったと思います。2016年4月、レーベルコンピ『And Your Birds Can Sing II』のリリースタイミングにJun Grayさんにインタビューしたんですね。そのときにUNLIMITSが所属する経緯も聞いたんですが、当時はバンドとして“この先どうするか”というタイミングだったそうですね?

大月:ちょうど前にいたレーベルとの契約が終わって、「じゃあどうしようか?」という話になって。極論、それこそバンドをやめるのか、続けるのかと。バンドとしてはもう一回やっていこうと決めてじっくり次を探していこうぐらいに考えてたから、こんなにすぐレーベルが決まると思ってなかったんですよ。だからお話をいただいたときは、本当にいいタイミングだなと思いましたね。

──ましてやそのレーベルの特色も女性ボーカルバンドに特化したという、今までにないものでしたし。

清水:そういうレーベル自体も珍しいし、それをPIZZA OF DEATHでやるっていう面白さもあったし。そのレーベル内レーベルの第1弾で出せたのは自分の人生史にも残るぐらい、すごく誇らしいことだと思います。

──正直、UNLIMITSがPIZZA OF DEATHと組むことを知ったとき、結構衝撃を受けたんです。「そこがつながるのか! 何が起こるんだろう?」って。

大月:僕らが前にいたレーベルと180度真逆にいるようなレーベルだったので、確かにワクワク感は強かったですね。

──そして2014年にアルバム『アメジスト』をリリース。このアルバムに対するリアクションはかなり大きかったと思うのですが、皆さん的に手応えはいかがでしたか?

大月:今思えばですけど、PIZZA OF DEATH、Jun Grayと一緒だからできた1枚なのかなとも思うし、伸び伸びやらせてもらえてたとも今は思う。気負ってるとはまた違うんですけど、「よし、やってやるぞ!」っていう気持ちはすごく強かったですね。プレッシャーではなく、期待に応えたいっていう気持ちは強かったです。

──あのアルバムに対して皆さんは原点回帰という言葉を使っていましたが、実際に“再生”感が強くて、“第2のデビュー作”という印象の1枚でしたよね。

大月:いいですね、その“第2のデビュー作”っていう表現。

清水:うん。“再生”っていう言葉もピッタリで。

大月:いただきます(笑)。

──どうぞどうぞ(笑)。それくらいあの作品からは、また何かが始まる感を強く抱いたんです。2年経った今聴いてもまったく色褪せてないですし。しかも2015年は初のライブDVD『Film of The Amethyst Tour 2014』もリリースして、バンドとしてはさらに前進していく感が強まっている中で、2年ぶりのニューアルバム『U』が発売。前作が素晴らしかっただけに、どうなるのかと緊張しながら聴き始めたんですが、予想をはるかに上回る内容で。

清水&郡島:おーっ!

大月:言わせちゃってないですか? 大丈夫ですか?(笑)

──大丈夫です、本心なので(笑)。ぶっちゃけ、前作以上に好きなアルバムです。

全員:ありがとうございます!

清水:ここまでの流れでそう言っていただけると、本当に嬉しいです!

──実際、『アメジスト』というアルバムを超えるのは相当な苦労だったと思うんです。原点回帰という大きなテーマのもとに制作された前作に続くアルバムを、皆さんはどういうものにしようと考えてましたか?

大月:「次はどうしよう? 前とは違うものを作らなくちゃいけないんじゃないか? 新しいことをどんどん取り入れなくちゃいけないんじゃないか?」という気持ちが強すぎちゃうと良くないなというのは、たぶんみんな感じていて。だったら逆に今までどおりの自分でいいじゃん、自分でしかないわけだしって、そういう開き直りというか。僕の中では『アメジスト2』でいいんじゃないかなというのは思ってました。

清水:前作の原点回帰の中にはみんなに求められていること、例えばBPMが速い曲だったりUNLIMITSらしい哀愁のメロディを作らなくてはいけないというプレッシャーもちょっと感じていたんですけど、今作はその土台があって、またさらに上に行けた感はあるんですよ。自分自身もいろいろ経てきて、最近は他のアーティストに楽曲提供も始めて、そこでまたさらにいろんな音楽を聴くようになったことで自然と視野も広がって。そういうところも今回の曲作りには表れているかな。大月の言うように、そこはあまり深く考えずにもっとやっちゃえと。だから心を広く開けて制作できたかなと思います。

郡島:原点回帰の要素を含んだアルバムを作れたことは大きな自信にもなったし、その結果新しい作品を作るうえで以前よりもいいものを絶対に作れるという自信も強く持てました。

石島:前作はレーベル第1弾だったり原点回帰だったりして、悪い言い方をしちゃうと、そこでもまだ捉われてたところがあったのかなと。でも今回の作品に対してはそういう捉われるものがまったくないんで、本当に自由にやれたことが作品に一番出てるのかなと思います。それは楽曲の幅もそうですし、サウンド面もそうですし。特に今回は曲中にいろんな遊びが入ってるんですよね。「ナイトクルーズ」という曲では、途中でセッションぽいセクションもある。そういう遊びの部分も生まれるぐらい、楽曲に対して余裕ができたのかなと思います。

大月:今回のアルバムは5枚目なんですけど、初めて強迫観念がないアルバムなのかもしれない。

清水:うん、そうだね。

大月:言い方を変えれば、別にこのタイミングでアルバムを出す必要もなかったというか。誰に出せと言われて出してるわけでもないし。今までの4枚はいい意味で、タイミングも含めてこうしなきゃっていうのがいろいろあったんですけど、今回はそれがないんです。それは5枚目だからこそできたのかなと思います。

──言い方が悪いかもしれませんが、メジャーにいるときって、いろんなしがらみや「こうしてほしい」というオーダーもあったと思うんです。それに応えながら作品づくりを続けていたけど、それが前作で一旦解き放たれた。でも、原点回帰として自分たちらしいものを作らなくてはいけないということも、今思えば強迫観念になっていたかもしれない。だけど今作ではそういうものすらない、ありのままの自分たちを出せたと。

大月:そうですね。しかも、それまでの経験を全部プラスとして受け入れていて、どれも無駄にしてないというか。なので今は、そういう時期があってよかったと思います。

■10代や20代の子には
■書けない歌詞だと思うんですよね──大月

──楽曲は皆さんがおっしゃるように、今まで以上にバラエティに富んでいます。従来のUNLIMITSらしいアップテンポの楽曲もあれば、ミドルテンポで聴かせる曲、ちょっとダンサブルな曲もある。それも一気に変化したというより、作品を重ねるごとに徐々に変化/進化してきた印象なんですよね。

大月:昔だったら「UNLIMITSっぽくない」という理由で外してた曲も、今回は入れてますし。結局4人でやればUNLIMITSになるっていう自信がついてきたから、いろんな曲ができるようになったというのはあるのかもしれないですね。

郡島:私は特にライブで映える曲を意識して曲作りをしているので、「ライブでどういうふうになるかな?」と想像しながら作ってます。しかもアレンジに関しては昔よりもわかりやすさみたいなものを意識していて。そぎ落として、どんどんシンプルになってる気がしますね。

──そのへんの影響なのか、特に前作から感じていたんですが、より言葉が入りやすくなりましたよね。歌というよりも歌詞、言葉がより耳に残るなと。

清水:やっぱり作詞もすればするほど成長するんで、より人に届きやすい言葉選びができるようになったんだと思います。昔は自分がわかればいいやとか、ちょっと背伸びして文学的な言葉を使ったりとか、でもそれはそれでいいと思うんですけど、ここまで続けてきて今は言葉選びがリアルになってきたから届きやすくなったのかもしれないですね。

郡島:今までは物語を語っているような“語り口調”とか、そういうキレイさにこだわって書いてたんですけど、今作は“話し言葉”に近いというか、自然と口から出てくるような言葉を詰め込めたと思います。一番シンプルで一番作ってない、飾ってない歌詞が書けたかなと。

──しかも今作は、いきなり冒頭にタイプの異なる別れの楽曲が続いてドキッとさせられて。

清水&郡島:ははは(笑)。

郡島:1曲目の「ボーダーライン」は私が歌詞を書いたんですけど、最初の仮タイトルは「ドラマ」だったんですね。ドラマチックな要素があったから「ドラマ」にしたんですけど、ドロドロしてる楽曲の雰囲気にも引っ張られてこういう歌詞になりました。

──2曲目の「ラストダンス」は清水さんが作詞。

清水:この歌詞を書くときにちょうどPIZZA OF DEATHのスタッフさんとお茶をする機会がありまして(笑)。そのときに「もっとエグい歌詞、書いちゃいなよ?」みたいなことを言われ、もっと振り切ってみようかなと思って。女であるという武器を最大限にもっともっと使おうというか。それで結構エグい感じの歌詞にできたなと思ってますね。

──おっしゃった「ドラマ」というキーワードと共通するのかもしれませんが、「ボーダーライン」も「ラストダンス」も日常と非日常が交差するイメージなんですよね。

郡島:はいはい。ちょっと昼ドラの主題歌的な(笑)。月9ではないですよね。

清水:深夜か昼ドラか、みたいな。結構昼ドラの主題歌って言われるんですよ、UNLIMITSの楽曲は。昼ドラかアニソンか、って。だからうちの曲はいろんな時間帯に合うのかなと(笑)。

──昭和歌謡的なメロディが余計にそう感じさせるんでしょうね。そのへんはアラサー以上の世代にはど真ん中でしょうけど、そこを通過していない10代20代が聴いてもどこか懐かしさを感じさせる不思議な魅力があると思うんですよ。

大月:ちょっと話が逸れるかもしれないけど、10代や20代の子には書けない歌詞だと思うんですよね。

──そこにもつながるのかもしれませんが、昔の歌謡曲って歌ってる人たちが10代20代でも、それを書いている作家さんはもっと上の世代の方たちでしたよね。

清水:ああ、確かそうですよね。

郡島:(山口)百恵ちゃん然り。

──そう考えると、UNLIMITSの楽曲の世界観もそこに通ずるなと。若い子が憧れる大人の世界じゃないですけど、そういうのが実はUNLIMITSの歌の中にもあるのかなと思うんです。

大月:ああ、なるほど。それこそKen Band(Ken Yokoyama)の「I Won't Turn Off My Radio」もそうだったと思うんですけど、あの人にしか書けない、しかも今しか出せない曲だと思うし。

──大人だからこそ書ける歌詞って絶対にあるはずで、ロックのリスナー層も昔と比べて幅広くなっている今だからこそ、そういう面をどんどん見せていくべきだと僕は思うんです。そこの有無を言わさぬ音、歌詞というのは絶対に存在するはずだし、絶対に必要だと思うし。Ken Bandの「I Won't Turn Off My Radio」みたいな曲が今これだけ幅広い層から支持されるのも、まさに一緒ですよね。

大月:今はバンドも多いし、曲も多いし、ジャンル多いし、めちゃくちゃ選択肢があるじゃないですか。となると、そういう強みを持ってないともう勝てないのかなと。だったらそこで勝負をするべきだと思う。

──実はUNLIMITSの進んでいる道って、すごく正しい道なんじゃないかなと思ってます。年相応の正しいやり方なのかなと。

郡島:そう言っていただけるとありがたいです。

──そして今作にはCoccoのカバー「あなたへの月」も収録されています。

清水:これは挑戦でしたね。前作のJITTERIN'JINN「Don't Let Me Down」のカバーが好評で、自分たちにも手応えがあって、その流れで今作もカバーを入れたいねってことになったんです。私は本当に影響を受けたアーティストがCoccoで、Coccoの曲はどれも完成度がすごく高いし、それをカバーするとなるとやっぱり原曲を超えなきゃいけないわけで。原曲を超えるまでいけたかわからないけど、原曲へのリスペクトを込めてアレンジしたいっていう思いで結構大胆なアレンジを施しました。Coccoを好きな人でも、この原曲が好きな人でも納得してもらえる出来になったんじゃないかなと思います。

──またカバーするのが難しいアーティストですよね、Coccoって。今回のカバーバージョンはこのアルバムの流れで聴くと、自然と入ってきましたよ。

清水:よかったです。安心した(笑)。

■いろんな気持ちを精一杯感じながら
■日々をまた生きていこう、みんなでって──郡島

──アルバムの真ん中に「シャーベット」のようなユルい曲があることで、前作以上に緩急がつきましたね。

清水:アルバムに向けていろいろ制作している中で、ちょっとユルい曲が欲しいよねとなったときに、ベースの石島がデモを持ってきてくれたんです。

石島:アコースティックのバンドセットでも通常のセットでも、どちらでも成り立つようなゆったりとした曲がほしいよねという話で。その流れで作ってみたんですけど、見事にハマりましたね。

清水:私にはこの感じは作れないし、面白いなと思って。なので、これからもいっぱい作ってほしいですね(笑)。

──この曲は群島さんがメインで歌ってますが?

郡島:主旋律で歌ったのは初めてだったんですけど……気持ちいいですね(笑)。曲作りもレコーディングも楽しくできました。

清水:ははは(笑)。ライブも気持ちよさそう。ユルい雰囲気だし、いいフックになるかなと。

──あと、今作の歌詞は耳で音として感じるのと目で文字として感じるのとでは、入ってくる印象がかなり変わりますね。特に終盤の「最後の言葉」や「いまのこと」にはそういう歌詞が多かった気がします。

郡島:これ(「最後の言葉」)は実体験ですか?

清水:実体験かどうかというのは内緒なんですけど……どうやって書いたんだっけ?(笑) 結構前ですね、書いたのは。「最後の言葉」は“これぞUNLIMITS”的なところを目指して書いた歌で、小説のような言葉並びのキレイさを意識しました。なので、文字として歌詞を見てもらうとより伝わるんじゃないかなと思います。

大月:今作は特に、歌詞カードを見て聴いてほしいと思う。ブックレットに対しても自分たちなりの思いが込められているので。

清水:確かに歌詞カードはみんなに見てほしいですね。やっぱりモノを手に取らないとわからないこともありますし。自分もiTunesで音楽を買ったりしてますけど、感覚としては盤を買うと全然違うんですよね。ダウンロードしたらすぐ聴けるし便利だけど、あんまり“買った”っていう実感がなくて。改めてこういう言葉並びの美しさというのを、実際歌詞カードで読んでほしいなと思います。

──「いまのこと」は群島さんの作詞。読んでいて何度もその意味を考えてしまうような、他の曲とはちょっと趣が違う歌詞ですね。

郡島:「いまのこと」のテーマみたいなものは前からあったんですけど、すごくシンプルに“子供でもわかるような歌詞を書きたい”と思ったんです。それが今回ちゃんと実践できたかなと。

──シンプルだからこそ、余計に意味深というか。さらに最後の1行の“いつもどうり日々は流れてゆく”という余韻を残した終わり方も素敵で、この1行があることで作品としても締まったと思うんです。この余韻に浸っているとまた頭から聴き返したくなる、そういうアルバムになってると思います。

清水:それはまさに狙いどおりです。

郡島:「いろんな曲があって、いろんな気持ちを歌った曲があって、なんやかんや言ったけど、うちらがどうあがいても、苦しくても楽しくても、やっぱり日々は流れていくから、いろんな気持ちを精一杯感じながら日々をまた生きていこう、みんなで」という感じですかね。

清水:最後の1行は歌詞カードを見なかったら気づかないかもね。“もう終わるから”って飛ばしちゃう人もいるかもしれないし。そういう意味でも、歌詞カードを読みながら聴いてもらいたいですね。

石島:子供の頃ってCDを1枚買うのも高くて大変だったじゃないですか。そこにちゃんとお金を払って手に入れたからこそ、本当に擦切れるまで……いや、CDだから擦り切れないですけど(笑)、それくらいまで聴き込みましたよね。その愛着というものを感じるために、モノとして手に入れてもらいたいなと思います。

大月:もちろんデータで買うのもいいことだと思うんですよ。でもCDは最後の砦というか、一番奥にあるものというか。CDが売れない時代というのもわかっている。じゃあ配信だけ出せばいいのかというのは、戦略のひとつとしてはアリだと思うんですけど、こういうアルバムを作るときはやっぱりCDを作っておきたいし。別にライブで知って好きになるだけの人がいてもいいと思うし、配信で買いました、YouTubeで観て好きになりましたという人がいてもいい。そういう人たちがどんどん突き詰めて好きになってもらえたらそれでいいわけで。そこの一番最後の砦としてCDはあり続けていいのかなと僕は思います。

取材・文◎西廣智一

■5thフルアルバム『U』
2016年7月6日発売
PZCJ-5 \2300
01.ボーダーライン
02.ラストダンス
03.ロンリーブルー
04.tonight tonight tonight
05.最終列車
06.シャーベット
07.ナイトクルーズ
08.あなたへの月
09.プリズム&ブルース
10.最後の言葉
11.いまのこと

■レコ発ツアー<UNLIMITS "with「U」tour 2016">
07/30(土) 渋谷 eggman w/ Amelie
08/03(水) 京都 MUSE w/ bacho
08/04(木) 高松 DIME w/ bacho
08/07(日) 金沢 vanvanV4 w/ MEANING
08/10(水) 高崎 clubFLEEZE w/ Northern19
08/11(木祝) 八王子 Match Vo w/ rem time rem time
08/25(木) 横浜 F.A.D yokohama w/ ねごと
09/02(金) 岡山 CRAZYMAMA 2nd Room
09/03(土) 神戸 太陽と虎
09/10(土) 八戸 ROXX
09/11(日) 盛岡 the five morioka
09/19(月祝) 千葉 LOOK
09/20(火) 水戸 LIGHT HOUSE
10/01(土) 旭川 CASINO DRIVE
10/02(日) 札幌 Crazy Monkey
10/08(土) 福岡 Queblick (ONE MAN)
10/10(月祝) 松山 Double-u Studio (ONE MAN)
10/16(日) 仙台 MACANA (ONE MAN)
10/22(土) 名古屋 APOLLO BASE (ONE MAN)
10/23(日) 大阪 BLONZE (ONE MAN)
【TOUR FINAL】
11/05(土) 渋谷 TUTAYA O-WEST (ONE MAN)
※7/30~10/2公演はゲストバンド有り

最終更新:7月6日(水)23時20分

BARKS

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。