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ねこは本能的に物理法則を理解している

ギズモード・ジャパン 7月6日(水)12時10分配信

「ねこは原因と結果の関係を理解しながら、音によって目に見えないものの存在を予測している」と、新たな調査結果を明らかにしたのは京都大学の高木佐保さん。

実は過去の研究でも、ねこの聴覚が視覚を支配している可能性があることを指摘していた高木さんは、筆頭著者として昨年公開した論文のなかで「ねこは鋭く耳を傾けながら、音によって目に見えないものの存在を予測している」と、同様の結論を導いていました。

そんななか今回、彼女が新たな研究に踏み切ったのは、「周囲の環境」や「ビジュアル的な刺激」が結果を曲解させている可能性について考えたのが背景にあったようです。

最新の実験に参加したのは、30匹のねこたち。そのうち8匹はボランティアで参加した家猫たちで、その他は(いまや世界的に広がりつつある)ねこカフェの住民たち。実験の開催地は、それぞれが暮らしている実家あるいは、ねこカフェの個室と、彼らにとって最も馴染み深い環境がセッティングされました。

実験では、鉄のボールが入った箱などを使って次の4つの条件を試し、ねこの反応を見ました。

(1)振るとガタガタと音がして、逆さにすると箱からボールが落ちるパターン
(2)振るとガタガタと音はするが、逆さにしても(装置によって)何も落ちないパターン
(3)振っても音が立たず、逆さにしても何も落ちないパターン
(4)振ったとき音は立たないが、逆さにすればボールが落ちるパターン

どのねこも興味を示したのは、音がするコンテナ。ただ、因果の法則に従わない場合、すなわち(2)、(4)の条件に対しても、長らくコンテナを見つめる反応を示したようです。

この実験から「ねこは音を頼りにしながら、目に見えないものの動きを予測しているということ」だけでなく、「耳で聞こえる音や目に見える動きの関係がズレて原因と結果が一致しないときには当惑すること」がわかる、と高木氏。

でもどうして、ねこにはこうした物理の法則を理解した行動習性があるのでしょうか。たとえば対照的に、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンなどの類人猿は、どちらかというと目に見えるものを頼りにする傾向があります。

高木氏は、視界が限られている環境でねこが狩りをするときに獲物の存在を察知する必要があることから、こうした認知能力の発達はすべて理に適っているといいます。

さて、ねこが音によって原因と結果を本能的に理解していることがわかった研究結果を締めくくる前に、ねこの認知能力といえば......ということで、鏡のなかの自分と懸命に戦うにゃんこの動画(https://youtu.be/SlxdAJmeLcQ)も参考までにどうぞ。

Top image: Nicola Bertolini /Shutterstock
source: Animal Cognition
Jennifer Ouellette - Gizmodo US

最終更新:7月6日(水)12時10分

ギズモード・ジャパン

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