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本当は怖い? 初の死亡事故が起きたクルマの自動運転、意識改革必要か

乗りものニュース 7月6日(水)0時0分配信

印象は「メチャメチャ怖い!」

 2016年6月30日(木)、クルマの自動運転機能による初の死亡事故が発生したことが明らかにされました。

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 事故が起きたのは今年5月7日。アメリカのEV(電気自動車)メーカーであるテスラモーターズの「モデルS」が、中央分離帯のある幹線道路を自動運転で走行中、前方で交差点を左折しようとしていた大型トレーラーに衝突したと説明されています。

 そしてこの事故発生時、ドライバーがDVDを鑑賞していた可能性があるとも報道されています。目撃者によると事故後、車内のポータブルDVDプレイヤーから『ハリー・ポッター』が流れていたとのこと。

 私(清水草一:首都高研究家)は今年1月、テスラ「モデルS」の自動運転を体験し、大きな衝撃を受けました。理由は、多くの記事にあるようにその優秀性に驚いたからではなく、「メチャメチャ怖い!」と感じたからです。

 私が恐怖を感じたのは、運転したのが2時間程度で完全に慣れるには至らなかったこともあるでしょうが、それだけではありません。

自動運転のドライバー、注意すべきは「白線の濃さ」?

 テスラの自動運転において、ステアリング操作はおもに道路上の白線をセンサーが認識することで行われ、ドライバーがステアリングに手を添えていなくても機能します。

 しかし白線が薄くなっていたり、消えていたりすると機能しません。私が試乗した首都高上やお台場周辺の一般道に白線が不鮮明な個所はいくらでもあり、それがカーブだと、自動運転によるステアリング操作が一瞬遅れるように感じました。実際、見失っているのかどうか厳密なところはわかりませんが、もしそこで曲がらなかったらぶつかってしまうかもしれませんから、そのたびにステアリングへ手を戻し、自分で操作しました。それはほとんど“肝試し”で、自分で運転するよりはるかに高い集中力を要しました。

 つまりドライバーは常に「白線の濃さ」(!)に集中し、前方に白線が薄い部分を発見したら、クルマが行くべき方向を見失うのに備えて、いつでも自らステアリングを切れるよう“心の準備”をしていなくてはなりません。

 自動運転を解除して通常の運転に戻すと、その緊張感から解放され、思わず安堵のため息が出ました。少なくとも首都高上では、自分で運転していたほうがはるかに気楽でした。

 これが直線道路なら、白線が多少消えていても直進を続ければいいのでそれほど問題はありませんが、カーブの多い道路でそうは行きません。接触事故レベルならそれほど特殊な状況でなくとも起きるのでは、というのが個人的な感触です。

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最終更新:7月7日(木)12時49分

乗りものニュース