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フェロクロム価格、2年ぶり大幅値上げ。7~9月積み、18%高

鉄鋼新聞 7/6(水) 6:00配信

 ステンレス原料のフェロクロムの価格交渉で、新日鉄住金ステンレス(NSSC)は5日までに、南アフリカの複数のフェロクロムメーカーと、7~9月積み価格を4~6月積みに比べ約18%値上げすることで合意した。値上げは2014年4~6月以来、2年ぶり。国内の同業他社も追随する見通しで、今後、製品価格を押し上げる要因となりそうだ。

 NSSCが合意したのは高炭素フェロクロム。値上げ幅はクロム純分当たり0・16ドル。新価格は着ベースで1・06ドルになったもよう。
 フェロクロムの国際価格は14年以降、右肩下がりに推移。価格低迷が長引く中で、南アを中心に生産者の収益が大幅に悪化していた。同国では昨年秋にIMF社とタタ・スチール系フェロクロム会社が経営破綻。今年に入ってからもアーサメタル(ASA)社が行き詰まった。
 相次ぐ経営破綻に加え、操業しているメーカーでも生産調整に入るところが続出。フェロクロムの需給は今年に入り、緩和感が大幅に後退していた。この間に欧州やアジアでスポット価格が反転。こうした動きが7~9月積みでの2年ぶり値上げにつながった。
 フェロクロムの値上がりはニッケル系、クロム系を問わず全鋼種でステンレス一貫メーカーの生産コストを押し上げる。低採算からの脱却に迫られる一貫メーカーにとって約18%の上昇幅は痛手で、鋼材価格立て直しの機運が強まるのは必至だ。特にクロム系薄板は国内需給が引き締まり、精整の一部外注化で納期対応に努めるメーカーがいる状況にもかかわらず低採算にとどまっており、店売り・諸口の値上げは待ったなしとなりそうだ。
 すでに新日鉄住金ステンレスは6月契約、JFEスチールは7月契約でクロム系薄板の店売り値上げに踏み切り、市況連動性のあるヒモ付きでも個別交渉を進める方針を明らかにしている。

最終更新:7/6(水) 6:00

鉄鋼新聞