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[社説]不正請託禁止法を無力化させる「でたらめな被害推定」

ハンギョレ新聞 7月6日(水)11時45分配信

 9月28日から施行される「不正請託及び金品など授受の禁止法」(別名キム・ヨンラン法)をめぐり、事実に基づかない議論がされている。法と施行令が食事、贈り物、慶弔の費用に限定したため、関連産業に大きな被害が予想されるという主張が連日されているが、その根拠とされる被害推定額がまったく信頼に値しない。被害額の算出方法に間違いが多々あるうえ、意図的に誇張された痕跡もある。にもかかわらず、これらを掲げて法令の存廃を主張しているのだから、キム・ヨンラン法を傷つけ、正常な実施を妨げようとする意図を疑わざるを得ない。

 被害推定額を水増しした情況は少なくない。全国経済人連合会傘下の韓国経済研究院は、キム・ヨンラン法による被害予想額を11兆6000億ウォン(約1兆万推定190億円)としたが、その根拠は非常に恣意的なものだ。法人の場合、現金の使用がほとんどないのに、カードの使用とほぼ同じ金額の現金の使用を想定した最初の段階から間違っていた。企業幹部と接待対象の公職者の数を単純比較し、その割合だけ法人が公職者に接待を行うと推定したのにも、合理的な根拠がない。その中でも圧巻なのは、関連業界の被害を過大に評価した部分だ。キム・ヨンラン法が規制する3万ウォン(約2600円)以上の食事が、食事に関連する接待費の61.8%を占めているという推定も、根拠がないだけではなく、3万ウォンを超える食事の接待が禁止されれば、価格を下げて接待できるにもかかわらず、3万ウォン以上の食事の売上高がすべてなくなると計算したのは、典型的な水増しだ。

 しっかりとした統計でもないどんぶり勘定の数値だけ出してきた場合も多い。中小企業中央会は全体の小売店の割合に全く合わない標本を対象にアンケート調査を実施し、これを基に被害推定額を計算した。計算が合うはずがない。農林畜産食品部の農畜産物被害額も客観的被害の推定ではなく、漠然とした調査の結果だけを根拠に、先物市場の売上高の減少額を計算した。このように被害を誇張するから、キム・ヨンラン法の長所と短所を客観的に判断しにくくなるのだ。

 キム・ヨンラン法に様々な問題があるのは事実だ。短期的に関連業界に被害が及ぶ可能性もある。しかし、長期的には腐敗が減少して透明性が高まり、韓国経済の成長の潜在力が大きくなるなど、肯定的な効果が期待されている。清廉な社会に向けた国民の切実な願いをでたらめな主張で妨げることはできない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7月6日(水)11時45分

ハンギョレ新聞