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空き家の管理、やっぱり専門事業者に頼んだほうがよい?

SUUMOジャーナル 7月6日(水)8時0分配信

平成27年度の「空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査」によると、空き家所有者が空き家を「自分で」管理しているのが大半(61.5%)で、専門の「事業者に委託」しているのは8.3%だけだった。その理由や背景を深掘りしてみよう。

【今週の住活トピック】
平成27年度「空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査」を発表/全国宅地建物取引業協会連合会ほか

■空き家の状態も活用方法に影響する?

この調査は、空き家の所有者に対してさまざまな質問をしている。そこでまずは、空き家になる理由や空き家のままになっている理由、空き家の状態などについて、おおまかに見ていこう。

空き家となった理由については、相続が大きな要因となっている(自分が住んだことのある住宅の相続で30.6%、自分が住んだことのない住宅の相続で17.6%)。「自分が住み替えて前の住まいをまだ保有しているから」(21.6%)、「別荘・セカンドハウス用として購入したが、ほとんど使っていないから」(15.9%)と続く。

空き家が継続している理由については、以下の4つに大別できる。
(1)活用方法が決まっている(「売却」や「賃貸」、「解体」をする予定、またはしようとしたができなかった)
(2)使用する(将来住む可能性がある、年に数回利用しているなど)
(3)処分方法が決まっていない(意見がまとまらない、どうしてよいか分からない)
(4)特に理由はなく、活用方法を考えていない

空き家のコンディションについては、52.9%が「腐朽・破損はほとんどない」状態で、「住宅の外回り又は室内に部分的に腐朽・破損がある」状態が27.8%、腐朽・破損が進んでいる(「屋根の変形や柱の傾きなどが生じている」4.6%、「住宅の外回り又は室内に全体的に腐朽・破損がある」9.1%)状態が13.7%、「わからない」が5.6%だった。

空き家を使用する人たち、または売却や賃貸を検討した人たちの空き家は、コンディションが良い割合が高く、逆に解体を検討した人たちの空き家は、コンディションが悪い割合が高い傾向が見られた。また、処分方法が決まっていない人たちの空き家も、コンディションが悪い割合がやや高い傾向にあった。

■専門事業者を適度に活用すれば、住んだり、売ったり貸したりしやすい?

空き家になってしまうもう一つの要因が、空き家が遠方にあることだ。今回の調査では、約3割が空き家と異なる都道府県に住んでいたが、大都市圏の居住者ほど空き家が遠方にある傾向が強くなっていた。

最近では、空き家の管理を専門に行う事業者も、数多く登場している。そこで、空き家を日ごろ誰が管理しているかに注目してみた。

自分で管理しているのが61.5%で、親族や知人等を含めると79.3%と8割近くになった。一方、不動産会社、工務店、警備会社、NPO法人等の専門の事業者に委託しているのは8.3%(画像1)と1割に満たない。

【画像1】日頃の空き家管理者(出典/全国宅地建物取引業協会連合会ほか「空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査」より転載)

次に、管理を事業者に委託している理由を見ると、使ったり、売却したり、賃貸したりするためにコンディションをよくしておきたいという考えが多いことが分かる。このほか、ほかに任せられる人がいない、専門家に任せたほうが安心、空き家を何らかのトラブルの要因にしたくないといった回答が目立った。(画像2)

【画像2】管理を事業者に委託している理由 ※日頃の管理者として「4.不動産会社」~「7.NPO 法人やボランティア団体」を選択した回答者が総数(出典/全国宅地建物取引業協会連合会ほか「空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査」より転載)

管理を委託する頻度については、「定期的ではなく、必要な時」が最も多い44.5%で、次いで「毎月1回」が24.8%となっていた。

【画像3】管理をお願いしている頻度 ※日頃の管理者として「4.不動産会社」~「7.NPO 法人やボランティア団体」を選択した回答者が総数(出典/全国宅地建物取引業協会連合会ほか「空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査」より転載)

■空き家管理のサービス事業者もさまざま。上手に活用したい

専門の事業者に空き家の管理を委託しない理由を見ると、「費用を払ってまで空き家を管理する必要性を感じない」38.0%、「自分や親戚、知人等で十分」36.0%といった回答が目立つ。

【画像4】専門事業者に管理を頼まない理由(出典/全国宅地建物取引業協会連合会ほか「空き家所有者に関するアンケート調査及びインタビュー調査」より転載)

住宅は、人が住まなくなると急速に老朽化が進む。特に、換気をせずに室内に湿気が溜まるとカビが発生したり、木材を腐らせたりして、老朽化が進む大きな原因となる。また、定期的に水を流さないと配管の腐朽が進みやすい。

住宅のコンディションを良い状態にしておくためには、月に1回程度は通風することが望ましく、通水や清掃をしたり、雨漏りなどがないかなど点検もしておきたい。また、郵便ポストの整理、庭木の手入れ、鍵の確認なども防犯上や防災上必要になってくる。

住宅のコンディションを良い状態で維持することが、空き家の活用にも有効になる。すべての管理を自分や親戚などでできない場合は、事業者に委託することも考えたほうがよいだろう。空き家の管理サービスを提供している事業者は多様になっており、鍵を預けて室内に立ち入られるのが不安な場合は、屋外からの目視確認だけ委託するという選択肢もある。

事業者に管理を委託する場合は、サービスの範囲や報告の仕方、鍵を預ける場合は鍵の管理方法、料金などを見積もりでしっかり確認し、契約書をきちんと交わすのがよいだろう。

空き家をどうしたらよいかは、各家庭の事情や住宅のコンディション、空き家のある周辺の市場性などで大きく異なるだろう。自治体に相談窓口を設けている場合も多いので、自治体に相談したり、不動産会社などに相談したりして、できるだけ有効な活用方法を検討してもらいたい。

山本久美子

最終更新:7月6日(水)10時56分

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