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白峰の炭焼き、18歳継承 Uターンの風さん「産業として復活を」

北國新聞社 7/6(水) 3:00配信

 白山市白峰地区で唯一の炭焼き職人尾田好雄(びたよしお)さん(82)に、白峰にUターン就職した風晃四郎(かぜこうしろう)さん(18)が弟子入りした。県内の木炭生産者は昨年25軒で、ここ5年間で8軒減少した。風さんは風前のともしびとなっている炭焼きの「火」を絶やさないよう、60年以上炭を焼き続ける尾田さんの一挙手一投足を見習い、技術の継承に励んでいる。

 風さんは、白山しらみね薪(まき)の会など所有の炭焼き窯を使って、尾田さんの指導を受けながら、白峰産のナラの木を材料として年間2トンを目標に炭を焼く。製造した炭は、炭火焼き料理を提供する白山麓の飲食店や宿泊施設を中心に提供し、販路拡大を目指す。

 白峰で生まれた風さんは、「住民全員が親戚のような場所」(風さん)である白峰の土地柄が忘れられず、金沢市内で中学、高校時代を過ごし、昨年白峰に戻った。今年4月から地元の林業会社「白峰産業」に勤め、林道の草刈りや木の伐採などに従事している。

 尾田さんの手ほどきで昔ながらの炭焼きを体験した風さんは、木を丁寧に割ることや、煙で仕上がりを判断するなど、職人の経験に基づいた手仕事である炭焼きに魅了された。勤め先の白峰産業の協力を得て、本腰を入れて炭焼きに取り組むことを決めた。

 県森林管理課によると、県内の木炭生産量は1950(昭和25)年の4万8450トンと比べ、昨年は77トンと1%以下に落ち込み、生産者の多くは70代以上の高齢者だという。一方で、林野庁によると、国産の木炭は年間約2千トンが輸出されており、質の高さにより、外国で人気を集めている。

 白峰地区は藩政期から昭和40年代にかけてナラ炭が特産品で、最盛期には100軒以上が炭焼きに従事していた。風さんは「炭焼きを白峰の産業として復活させたい。ゆくゆくは、白峰の名を世界に知らしめたい」と力を込めた。

北國新聞社

最終更新:7/6(水) 3:00

北國新聞社