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侵入防ぐ「やぶ刈り作戦」、金大 クマ目撃多発、隠れられない環境整備

北國新聞社 7月6日(水)3時0分配信

 金大角間キャンパス周辺で今年、クマの目撃数がここ5年で最多だった2年前を上回るペースで相次ぎ、同大が対策に乗り出した。連絡網による学生への注意喚起に加え、クマが身を潜めやすいやぶを刈り取り、里山とキャンパスとの「境界線」を設け、クマの大学構内への侵入を防ぐ。5日は職員13人が、留学生らが生活するキャンパス内の宿舎周辺で草刈りに励んだ。

 金大では、大学周辺や近隣の住宅街でクマの目撃情報があった場合、学生と職員に場所や時間を記したメールを送って注意を促している。2014年度は15件、15年度は3件だった。

 今年度は5日現在で、14年度の同時期の2件を上回る5件の目撃があった。そのうち2件は、キャンパスから東に約300メートル離れたコンビニ周辺で、地元猟友会がクマのふんと足跡を確認した。大学事務局は、安心して研究できる環境を整えるため、専門家の意見を取り入れ、角間川沿いや山沿いの斜面のやぶを撤去することを決めた。

 金沢市森林再生課によると、クマやイノシシなどの野生動物はやぶなど身を隠せる場所を好む。やぶを撤去し、人の生活空間と山との間に境界線を作ることで出没が抑制されるという。市の担当者は「やぶを刈れば、人と野生動物が出合い頭に遭遇する危険も軽減できる」と推奨する。

 金大はこれまでクマ対策として、購買でクマよけの鈴を販売しているほか、敷地内のトンネルに監視カメラ1台と、動物が近づくと音が鳴る装置を取り付けてクマの侵入を抑制してきた。これまでにカメラにクマが映ったことはないという。

 今年1~6月、石川県内のクマの目撃件数は05年の統計開始以来、135件で過去最多となった。同大周辺では14年度、7月後半から8月末にかけてクマの目撃情報が集中したこともあり、同大は8月9、10日のオープンキャンパスで職員を巡回させるなど、警戒を強化する。

 今後は宿舎の入り口に鈴を置き、建物周辺に、動きに反応して光るライトを設置することを検討する。同大の担当者は「里山に学舎がある以上、クマの問題は避けて通れない。学生の安全を第一に考え、対策を講じたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:7月6日(水)3時0分

北國新聞社