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【オーストラリア】豪首相、法人税減税対象を中小企業に制限か

NNA 7月7日(木)8時30分配信

 オーストラリアのターンブル首相は、下院議会(定数150)で過半数76議席を獲得できなかった場合、10年内に全企業の法人税率を25%に減税するとした公約を撤回し、対象を中小企業に制限するとみられている。野党労働党や緑の党が、大企業の法人税率を現行の30%から引き下げることに反対していることが背景だ。6日付地元各紙が報じた。
 現在、年商1,000万豪ドル未満の企業のみ、法人税率が27.5%になっているが、それ以外は30%のまま。保守連合は5月に発表した本年度(2016/17年度)予算案で、今後10年間をかけて全企業の法人税率を25%まで引き下げるとしていた。
 
 ■ハンソン氏が金融ハブ化阻害
 
 国内金融業界では、オーストラリアをイスラム式金融の世界的ハブにしようという動きが出ている一方、反イスラム的傾向が強いポーリン・ハンソン氏が上院議員になることで、業界の発展が阻害されると懸念されている。
 アジア系の投資家の間では、多文化主義に否定的な同氏が政界に復帰し、上院議会で法案通過のイニシアチブを握るなど影響力を拡大した場合、中国などからオーストラリアへの投資が減速する可能性があるとみられている。
 また、南オーストラリア州選出のゼノフォン上院議員が主宰する政党が上下院で議席を確保することから、同党が同州の製造業保護を訴え、オーストラリアの鉄鋼産業や自動車関連産業で保護主義的傾向が強まる恐れが出ている。
 
 ■資金調達コスト増に
 
 コステロ元財務相は、連邦議会選挙の結果確定が長引き、財政再建を先延ばしとする労働党政権が誕生した場合などで、オーストラリアの格付けが現在の最高位格付けトリプルAから下げられた場合、政府だけでなく国内企業の資金調達コストが上昇すると懸念している。
 また新政権が少数政府(minority government)になる可能性が高くなっていることから、不安定な政治状況により企業の投資マインドを損なう恐れも出ている。国内バイオ企業の業界団体オースバイオテックは、長期的な計画が立てられないとし、業界への投資が減ると懸念している。

最終更新:7月7日(木)8時30分

NNA