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『INFERNO CLIMBER(インフェルノクライマー)』開発スタッフインタビュー!――20年の歳月を経て形作られたアクションRPGとは?

ファミ通.com 7月7日(木)12時32分配信

文・取材:編集部 豊泉三兄弟(次男)

●初代ポチョムキンが作るアクションRPGとは?
 アークシステムワークスがPCゲーム配信プラットフォーム“Steam”で配信予定のアクションRPG『INFERNO CLIMBER(インフェルノクライマー)』。本作は、プロデューサーである安部秀之氏が学生時代から構想を練り、20年近い歳月を経てようやく早期アクセス版の配信に至った意欲作だ。同社の主要タイトルの開発に携わりながら、少人数で作り上げたという本作に秘められた想いをうかがった。

■インフェルノクライマーとは?
 強大な魔力を持つ5つの煉獄石を手に入れ、地獄からの脱出を目指すアクションRPG。残虐なモンスターやギミック満載のダンジョンに何度も挑む“ハックアンドスラッシュ”型のアクションRPG。プレイヤーは死神と契約を結んだ主人公となり、強大な魔力を持つ5つの煉獄石を手に入れ、地獄からの脱出することが目的だ。主人公のステータスや武器・防具の強化など、プレイヤーの戦略に合せた多彩なカスタマイズも特徴のひとつ。

――まずは安部さんの自己紹介をお願いします。

安部 初代『ギルティギア』にリードプログラマーとサブのプランナーとして関わったのが初めての仕事でした。当時はまだ学生でしたが、『ギルティギア』の作業が忙しくて学校にはほとんど行かなくなってしまいました。でも卒業制作として『ギルティギア』を提出して、なんとか卒業できました(笑)。ちなみに、初代『ギルティギア』のポチョムキンの声を担当したのは僕です(笑)。

――え、ポチョムキンの声!? しかも卒業制作が『ギルティギア』というのはすごいですね(笑)。

安部 ありがとうございます。じつは『インフェルノクライマー』は、そのころから構想を練っていたものなんです。

――20年近く温めていた企画がついに形になったんですね。

安部 そうです。コツコツと作ってはいたのですが、『ギルティギア』のほかに
もとある原作ものの格闘ゲームだとか、プレイヤーズギルドの構築やサーバーの管理だったりと、ほかの仕事が忙しくてプロジェクトが止まっている時期もありました。あ、ちなみに会社のロゴをデザインしたのも僕です。

――プログラムだけではなく、デザインもやるとは幅が広いですね。

安部 デザインというほどのものではありませんけど(笑)。

――アークシステムワークスさんのロゴはどんなテーマで作られたんですか?

安部 ロゴ上部にある波線は、ARC(アーク)という文字をモチーフにしたもので、ARCの上にあるふたつの点は、人の目なんですよ。人が山の頂上に立っているイメージ。トップに立つだとか、世界的な視野といった意味を表現しています。波に見立てると、波に乗るがごとく躍進するというような意味もあります。

――会社ロゴにはいろいろな意味が込められているんですね。と、話を『インフェルノクライマー』に戻しまして、20年前から構想を描いていた作品ということですが、実際に作業したのはどのくらいの期間なのでしょうか?

安部 さきほど申しました通り、途中でプロジェクトが止まることもあったので、正確な期間はわかりません。開発を始めたのは、プレイステーション2が出たくらいのころですね。

――それでもかなり長いですね(笑)。そのころから『インフェルノクライマー』というタイトルだったのでしょうか?

安部 はい。山登りをイメージしてつけたタイトルです。山登りはすごくたいへんでツライけど、山に魅せられて創意工夫をしながら自分で道を切り拓いていく。難しいけど何度も挑戦していくうちに、自分が成長してクリアーできる。そんなゲームを作ろうと。

――会社ロゴと同じように深い意味が込められているんですね。ちなみに、制作チームは何人くらいなのでしょうか?

安部 2014年の東京ゲームショウに出展したのですが、あのときは僕とデザイナーのふたり。その後に数人チームに入れてもらい、ほんの少しだけ大きくなりました(笑)。ちょうど『ギルティギア』最新作の開発で社内が忙しい時期でしたね。でも、内容は『ギルティギア』にも負けないくらいのボリュームと奥深さがあると自負しています。

――ダンジョンに何度も挑戦するハックアンドスラッシュ型のアクションRPGなんですよね?

安部 そうですね。基本的にはダンジョンなどに行って、経験値や素材を手に入れながらキャラクターを強化し、つぎのマップを目指すのですが、ギミックの豊富さが特徴のひとつです。人それぞれきびしい環境に置かれたときに、「このアイテムを使えば切り抜けられる? いや、このギミックを活用すれば……」などと考えると思います。そういったプレイヤーの直感的な要求に応えられるように、アイテムやギミックを作っています。プレイヤーが考えたことを実行してみたら本当にできてしまった、となれば気持ちいいと思います。そういった喜びを味わってほしいですね。

――魔法などのスキルも豊富なようですね。

安部 スキルは、特定のアイテムを取得すると使えるようになります。キャラクターはレベルアップした際に、体力、スタミナ、魔力などのパラメーターにポイントを割り振って、自分好みの性能に強化していく仕組みです。

――ポイントを振り直すことはできないのでしょうか?

安部 一度割り振ったポイントは戻せません。その代わりに、主人公は8人の中からひとりを選んで操作するのですが、死んでしまうと選択しなかった主人公から再度選び直すことになるので、育成し直せます。また、死んでしまった主人公は生命をその場所に落とすので、別の主人公で生命を回収すれば生き返らせられますし、アイテムも回収して使うことができます。

――死んでしまったキャラクターを救出しに行くんですね。

安部 遭難した人を新しいキャラクターで救出しにいくという、登山をイメージしたシステムになっています。

――死んでしまったキャラクターを放置しているとどうなるのでしょう?

安部 死んだままにしておいてもとくにデメリットはありません。ですが、生き返らせずに何度も死んでキャラクターを変えていると、使えるキャラクターが減っていってしまいます。一応、最後のひとりは死んでも復活できるようにしているので、いわゆる“詰み”のような状況にはなりませんが。

――なるほど。救出する手間を考えると、無計画に進むのは危険そうですね。

安部 そうですね。ただ、一度死んでいれば、どういった敵やギミックがあるのかがわかると思いますので、キャラクターを強化したりアイテムを十分に持って行ったりと、プレイヤー自身が成長して再挑戦してほしいですね。そういった苦労体験をもとに創意工夫して道を切り拓く遊びを提供したいと思っていました。

――食糧もあるようですね。

安部 時間経過によって“腹減りゲージ”が減少していきます。だから肉などを手に入れて食べないといけないのですが、生肉は時間が経つと腐ってしまいます。そういった食料は、焼くと長持ちするようになります。おもしろいところでは養鶏システムというのがありますよ。

――養鶏システム?

安部 アイテムに卵があるんですけど、そのまま食べることもできますし、火にかけてゆで卵にすることが可能です。また、食べるだけではなく、投げて地面に中身をブチまけると、それに乗った敵を転ばせられたりもできます。

――ひとつのアイテムにそんなにたくさんの使い道があるんですね。

安部 これだけではありませんよ。まだ肝心の養鶏システムを説明していませんし(笑)。卵を巣に置いておくと、ヒヨコが生まれて、さらに時間が経つとニワトリに成長します。ニワトリは新しく卵を産みますが、歳を取ったり病気になったりもします。

――ほほう。病気になったらどうなるんでしょう?

安部 薬を与えて治すことができます。ちなみに、薬はアイテムを調合したりして作れます。

――ちゃんと世話をしないとダメなんですね(笑)。それにしても、アイテムの組み合わせや使い道は本当にたくさんありそう。

安部 こういったアイテムとステージの多彩なギミックを組み合わせて、試行錯誤しながら進んで行くのが本作の醍醐味です。ですから、クリアー方法はプレイヤーによって違うと思いますよ。

――これはかなりやり込み甲斐のあるゲームですね。ちなみに、開発中に苦労したことはありますか?

安部 う~ん、やはり開発チームの人数が少ないことですね。『ギルティギア』や『ブレイブルー』といった大きなプロジェクトはスタッフがたくさんいるので、それを横で見ていて正直うらやましかったです。自分で構想を練って、自分でプログラムを組んで、エフェクトなんかも自分で作っていますから(笑)。

――自分で考えたものを自分で再現できるというのは、意見の食い違いが起きないので悪いことではないかもしれませんよ

安部 それが、自分だけで開発を進めていると、ひとりよがりになりがちなってしまいます。自分のやりたいことばかり追加しているので、バランスが取れなくなりますし、果たしてほかの人が遊んでおもしろく感じるのか? と不安になります。ですから開発の後半では『ギルティギア』や『ブレイブルー』チームにもテストプレイしてもらって意見をもらいました。

――そういった苦労もあるんですね。では、これからプレイするファンには、どんな風に遊んでもらいたいですか?

安部 さきほども言いましたが、プレイヤーが「こういうことができるのではないか?」と考えたことを実現できるように、アイテムひとつ取ってもさまざまな使いかたを用意しています。ぜひ、自分なりの攻略方法を見つけて楽しんでほしいです。

――では最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。

安部 長年想い描いていたアクションRPGがようやく形になりました。それだけたくさんの要素を詰め込んでいます。さきほどお話した登山の話じゃないですけど、プレイヤーは最初裸一貫で何も持っていないし、走ることすらできないような状態ですが、徐々にいろいろ揃えて、プレイヤーが発見をしていくなかで得られる体験が少しずつ膨れ上がっていくと思います。それはもう、まさに山に魅せられた登山家と同じです。きびしい地獄の登山を存分に体験してみてください。難しいからと、途中で投げ出さずに遊んでもらえれば必ずゲームのよさが伝わると思います。まずは早期アクセス版をお試しください。

最終更新:7月7日(木)12時32分

ファミ通.com

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

斬首動画が何百万回も再生されてしまう理由
昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。