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フィーリングが似てるからパクリ?レジェンドの遺族が訴えた全米騒然の裁判

M-ON!Press(エムオンプレス) 7月7日(木)18時6分配信

“流行りに乗っかりとか 真似するの無しでも 奪うなら有り”

これは東京都北区出身のラッパー・KOHHの代表曲「Fuck Swag」の一節だ。 今、ヒップホップの最前線にいるラッパーは、このような“強気の姿勢”を示しているもの、音楽の世界では「パクリは絶対ダメ!」「リスペクトがあるオマージュならばOK」といった論争が絶えない。

問題となっている楽曲のMVはこちら

そして数ある「パクリ・オマージュ論争」のなかでも、2015年にアメリカで起きた“ある裁判”が、音楽の歴史における大きな転換点になりつつある。

■全米騒然! R&Bレジェンドの遺族が、あのスターたちを訴えた

騒動の元となったのは、2013年にリリースされたロビン・シックの「Blurred Lines」。「Happy」でお馴染みのファレル・ウィリアムスが作曲とプロデュースに参加し、全米チャートで12週連続1位を獲得した大ヒット曲だ。

この曲が、マーヴィン・ゲイの1977年のヒット曲「Got To Give It Up」の著作権を侵害しているとして、マーヴィン・ゲイの遺族が訴えを起こした。

マーヴィン・ゲイといえば、彼をリスペクトするアーティストたちによって、数多くの“オマージュ曲”が捧げられてきたR&B界のレジェンド。

「Blurred Lines」も、そういったR&Bのマナーに乗っ取った1曲と思われていたが、マーヴィン・ゲイの遺族には“パクリ曲”として受け取られ、そのうえ裁判まで起こされてしまったのだ。

■フィーリングが似ていることは、著作権侵害か?

この裁判が注目を集めたのは、マーヴィン・ゲイの遺族側が提示した著作権侵害の根拠がフィーリングの類似性、つまり「聴いてみると、似た曲に聴こえる」という、前代未聞のものだったからだ。

それまでの音楽の著作権に関する裁判では、「曲を譜面に起こしたときに、似ているか」が問われ続けてきた。今回の裁判でも、ロビン&ファレル側は、譜面上では類似性がないことを繰り返し主張。

これに対して、マーヴィン・ゲイの遺族側は ボーカルの歌い方やパーカッションのテイストなど「譜面上に起こせないもの」も、サウンドを構成する重要な要素であり、その組み合わせで生まれるフィーリングは、著作物であると訴えた。

■驚きの高額損害賠償額! 気になるその請求額は?

「譜面上に起こせないフィーリングは、作曲者の著作物になるのか?」

この歴史上初の問題提起が行われた裁判では、ロビン&ファレル側が敗訴。ただ敗因は、フィーリングの類似性ではなく、ロビン&シックが、「Blurred Lines」について「『Got To Give It Up』を意識した」とメディア上で複数回発言していたこと、そして裁判中に「あれは、曲のプロモーションのための嘘だった」と発言を覆したことにあったとされている。

気になる損害賠償額は、なんと530万ドル(約6.5億円)。そのうえ、「Blurred Lines」のロイヤリティについて、今後はマーヴィン・ゲイの遺族が50%の権利を持つという、非常にスケールの大きい判決が下った。

しかし、まだ裁判は終わっていない。ロビンとファレルの弁護団は控訴へと準備を進めていると報じられている。果たして、この歴史的裁判の行方はどうなるのか。続報を待ちたい。

最終更新:7月7日(木)18時6分

M-ON!Press(エムオンプレス)