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3900万画素相当のセンサーで切り取る光景――「SIGMA sd Quattro」の魅力

ITmedia LifeStyle 7月7日(木)0時10分配信

 CP+ 2016で衝撃のデビューをしたシグマの「SIGMA sd Quattro」。独特のデザインと圧倒的な画質、それとボディのみ約8万円という驚きの価格がネット上でも大きな話題を呼んでいる。そのシグマ初のレンズ交換式ミラーレス一眼カメラが7月7日にいよいよ発売となる。この注目のカメラをこってりとインプレッションしたい。

【水着モデルのポートレート作例】

 SIGMA sd Quattroは、すでに販売されている同社のレンズ固定式コンパクトデジタルカメラ「SIGMA dp Quattro」シリーズのレンズ交換式バージョンだと思っていいだろう。高精細で深みのある描写で定評のある「Foveon X3 Quattro センサー」と、シャープな描写で世界的に評価が高い、シグマのグローバルビジョンレンズ群を撮影者が自由に組み合わせて撮影できるのだ。シャッター方式やサイズ感など差違はあるが、3900万画素相当の解像度を、さまざまな焦点距離と明るさのレンズで楽しめるのは嬉しい。

 SIGMA sd Quattroは、SIGMA SD1/SD1 Merrill以来のレンズ交換式カメラとなる。今回からミラーレス構造となったが、一般的なコンパクトなミラーレス一眼カメラよりボディサイズは一回り大きい。これは前述のとおり、すでに流通しているシグマグローバルビジョンレンズ群を使えるようになっているためだ。フランジバックはそのままにミラーを取り去り、コントラストおよび像面位相差オートフォーカス機能を搭載し、EVFを採用したかたちになっている。

 センサーは3900万画素相当の解像度を誇るFoveon X3 Quattro センサー。描写についてはSIGMA dp Quattroシリーズで撮影されたシャープで高精細な写真でおなじみだろう。あるがままの光を捉える三層構造とローパスフィルターレス構造とで、熱狂的なファンが多いことで知られる撮像素子だ。これに大きくホールドしやすいグリップ、そして素早い操作が可能な各種ダイヤルやボタン類を配置し、デュアル液晶モニターや同社初のEVFを配してパッケージしたミラーレス一眼カメラとなっている。

 操作感はどうだろうか。SIGMA SD1/SD1 Merrillを使っている撮影者なら驚くのがフォーカスの精度だ。それら一眼レフの時代には、明るいレンズの開放域でピント合わせに苦労したものだが、このSIGMA sd Quattroはその苦い思い出を過去のものにしてくれる。F1.4やF1.8という開放域でキレキレで素晴らしい絵を捉えてくれるアートラインレンズでも、実に驚きの精度で薄いピントを合わせることが可能なのだ。速度は決して超高速ではないが、快適に撮影が楽しめるように進化している。往年のシグマファンは涙するに違いない(笑)

 またバッテリーの持ちも驚きだ。公称約235枚撮影できる付属の「BP-61」だが、実写テストを行ったところ、なんと430枚も撮影できた。もちろん環境や使用法によって差が出るだろうが、「シグマのカメラはバッテリーが持たない」というイメージも過去のものにできそうである。また別売のパワーグリップ「PG-41」を装着すれば、ボディ内部と合わせて3本バッテリーを収納できるので、長時間の撮影でも安心感が高まる。

 起動もまずまず速い。レンズマウント部横にある電源スイッチを入れると、デュアル液晶モニターにロゴを写し出した後に撮影可能となる。もしEVF撮影しかしないのであれば、接眼部横にある切替レバーを「・FINDER」にセットしておけばより早く撮影態勢に入れる。バッファーも大幅に増やされ、12コマまでストレスなく連続撮影ができるようになった。これにより、以前の機種よりメモリーカードへの書き込み待ちが減り、モデル撮影などでもテンポ良くシャッターが切れるようになったのは本当に嬉しい。

 描写は4種のラインアップを誇るSIGMA dp Quattroシリーズと同様だと思っていい。Foveon X3 Quattro センサー独特の光の質と、緻密で細かい質感表現だ。気になる高感度もほぼ同様で、ISO400までは問題なく、それ以上の感度は使用サイズによって許容できるイメージでいるといいだろう。

 また「SFDモード」という超高描写モードも搭載している。1回のシャッターレリーズで7枚の露出の異なる撮影を行い、それらを合成してディテール豊かでノイズが少ない画像を生成するモードである。このモードでは三脚が必須で、動かない被写体を撮影するのが条件となる。これらについては回を改めてインプレッションしたいと思う。

 さて駆け足でSIGMA sd Quattroの魅力をお伝えしたが、一番のトピックはやはり価格であろう。ボディのみ約8万円という、言わばバーゲンプライスで、3900万画素相当の超高解像度の写真を手にできるのは単純にすごい。もちろんSAマウントのシグマグローバルビジョンレンズが必要となるが、どれも性能は折り紙付きだし、他のカメラメーカーのレンズと較べて明るくユニークな製品が多い。はじめてシグマのカメラにチャレンジする人でも踏ん切りがつく価格設定に感じる。

 もしSIGMA sd Quattroに魅力を感じているのであれば、早めに決断した方がいい。なぜならば、「シグマ史上かつてないほどの予約が入っている」からだ。やはり約8万円という価格にグラグラと来た人が多いらしく、ここに来てオーダーがかなり入ってるとのこと。国内出荷のあとは海外向け出荷が予定されているらしく、一時的な品薄も考えられるかもしれない。

 またボディ以上に深刻なのがレンズだ。SIGMA sd Quattroはレンズ交換式なのでレンズが必須である。この需要の高まりを受けて市中の在庫が一気に品薄になっているのだ。特に人気レンズはすでにソールドアウト状態で、中古でも探すのが難しくなっている。気になっている人は急いでカメラ店を覗いてみることをお勧めしたい。

 SIGMA sd Quattroは独自のFoveon X3 Quattroセンサーで見たままの光景を忠実にメモリーカードに定着できる。それを現像ソフト「SIGMA Photo Pro」で自分のイメージに合うようにコントロール可能だ。シンプルで使いやすい操作体系は撮影しやすい。

 人物、特に女性はその高精細な描写から撮影が難しいというイメージがあるが、SIGMA sd Quattroのポートレートモードと「SIGMA Photo Pro」のディテールモード「Smooth」を用いると好ましい印象に仕上げられる。

 シグマのカメラは代々、金属や液体の描写が得意だ。このSIGMA sd Quattroも同様で、肉眼を軽く上回る克明な描写には舌を巻く。古いバスのメタルのボディ、ペイントの厚み、リベットの立体感に注目してほしい。

 夏の富士山を風景モードで。低感度が得意なSIGMA sd Quattroはこれからの夏に大活躍するに違いない。風景からスナップ、旅行まで3900万画素相当で撮りまくろう。「TRUE III」という映像エンジン2基をぶん回すSIGMA sd Quattroは、熱対策として早めに温度警告表示が出るようになっている。回路保護のための表示だがちょっと心臓に悪い。もうちょっと遅く出ていいように思った。

 キットレンズの「SIGMA 30mm F1.4 DC HSM」は優秀だ。同じ焦点距離を持つ「SIGMA dp2 Quattro」より2段明るく、フルサイズ版換算約45mm相当で使いやすいレンジを持つ。サイズ的にもSIGMA sd Quattroにピッタリで取り回しもいい。初めての一本に最適だろう。もし他のオススメレンズを挙げるとしたら、「SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art」と「SIGMA 50-100mm F1.8 DC HSM | Art」だろうか。

 開放F2.8やF4のdp Quattroシリーズの描写も素晴らしいが、SIGMA sd Quattroではもっと明るいレンズやズームレンズをチョイスして撮影を楽しみたい。レンズ交換式カメラとしてのメリットを最大限に生かそう。SIGMA sd Quattroはボディのみと30mmとのレンズキットで販売される。

 EVFは視野率約100%で見やすい。ややグリップ側にシフトして存在するので、初めは戸惑ったが、使っているうちに気にならなくなった。SIGMA sd Quattroはシャッターボタン横の「QS」ボタンでさまざまな設定変更が可能だ。モノクロームモードにして、防波堤の釣り人と波を狙ってシャッターを切った。

 海から浜に上がるモデルの佐藤杏奈さんをF1.8絞り開放で。瞳にフォーカスしたが、シグマの以前のカメラではピントが合わず苦戦したシーンがコレだ。しかしSIGMA sd Quattroなら何の問題もなくスッと合焦する。開放から高性能で明るいアートラインレンズの絞りを安心して開けていける。

最終更新:7月7日(木)0時10分

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