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「本音で生きる」とはどういうことか

ITmedia ビジネスオンライン 7月7日(木)10時8分配信

※この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。

 ネットやテレビでもおなじみの堀江貴文氏だが、その著書『本音で生きる』がオリコンの上半期新書部門で1位にもなり、話題にもなっている。そんな堀江氏にとって「本音で生きる」とは何か。

 「本音で生きる」というタイトルを依頼された時、正直、何もピンとこなかった。

 本音で生きる。

 むしろ、なぜ本音を言えないのか、なぜ本音で生きられないのかのほうが、僕には分からない。

 「失敗が嫌だから、やらない」

 「あとで何か言われそうだから言わない」

 「嫌われたくないから、突っ込まない」

 それで何かいいことがあるのだろうか。

 皆さんもお分かりだと思うが、世の中はすべて「いいか、悪いか」「ゼロか、100か」で割り切れるものではない。たとえその時意見が食い違っても、その相手まで嫌いになることはないし、失敗したとしても、未来永劫失敗のままでいるわけはない。

 だとしたら、まず言いたいことを言って、やりたいことをやったほうが、よっぽどいいのではないだろうか。

 それにしても、日本人の議論を避ける傾向、いや全員が同じ意見でなければならないという強迫観念はいったい何なのだろうか。

 僕はこれまでにさまざまな人と対談してきた。なかには、意見が合わない人もいたし、議論がまったくかみ合わなかった人もいる。「お互いの価値観が異なっていることが分かる」というのは、とても大事なことだ。

 なんとなく分かったふりをして終わるのと、たとえ自分の価値観と違っていても、しっかり相手の意見を聞くのとでは、どちらが「相手のことを知る」ことになるだろうか。

 たとえまともな議論にならず、ケンカになっただけだとしても、人と議論することが無意味だとは思わない。僕は、意見が一致しないからという理由でその人のことを嫌いになったりはしない。意見が一致しないことと、相手を嫌うということは、そもそも、まったく別のことだ。

 だから僕は、対談だけでなく、ソーシャルメディアでも積極的に人とぶつかり合おうとしている。それは、その人が嫌いだからだとか、人格を否定するためではない。違う意見を持った者同士がぶつかることで、新しい発見があるからだ。

 それなのに、「議論は一致しなければ意味がない」「意見が一致しない=相手のことを嫌いなんじゃないか」と思う人がいかに多いか。「We agree to disagree」(僕達は分かり合えないことが分かり合えた)でよいのだ。「価値観や意見が違う」ことが分かることが大事なのだ。

 周囲の「空気」や同調圧力など気にしてもしょうがない。同調圧力をかけてくる奴らは気持ち悪いが、それを気にして同調するのも同じくらいに気持ちが悪い。

●「言い訳をやめろ」

 自分に勝手に制限をつける人もいる。「時間がないからできない」「地方にいるからできない」。

 これも僕には理解できない。

 スマホやその他のデバイスが発達した今、どうにだってやりようはある。

 やるか、やらないか。それだけだ。

 今すぐやめるべきは、こんな言い訳だ。

・お金がないから
・時間がないから
・凡人だから、才能がないから
・やり方が分からないから

 「お金がないから、○○できない」というのは、本当によく聞く言い訳だ。

 今の会社を辞めたら収入がなくなるから辞められない。地元を離れたら働き口がないから離れられない。起業したいけれどお金がないからできない……。

 そう言う人は、いったいいくらのお金があれば、自分のやりたいことができるというのだろうか。100万円? 1000万円? 1億円? 結局、お金が問題ではないのではないだろうか。

 僕は「拝金主義の権化」のようによく扱われるが、そんな僕から見ても、世間のほうがよほどお金にとらわれているように思う。

 バンジージャンプを思い出して欲しい。

 テレビで芸人さんが、「跳べない、もう嫌だ」と言って泣き崩れているのをよく見かけるが、はっきりいってバンジージャンプは誰でもできる。ただ跳ぶだけだ。

 世の中の多くはそれと一緒。「できない」と思っているだけで、跳んでみたら誰にでもできる。むしろ、生理的な恐怖がない分、バンジージャンプより、もっと簡単にできるかもしれない。

 僕はいつも自分の考えることに対して正直でいたつもりだ。

 やりたいことにはやりたいと言うし、相手の考えが違うと思ったら「僕は違うと思う」と伝える。

 不器用なやり方かもしれないが、後悔することはない。これからも、中途半端に生きるつもりは、まったくない。

 さて、あなたは本音で生きているだろうか。

 自分が考えたことを伝え、自分が心からやりたいことに没頭し、そして自分の心に真摯に向き合っているだろうか。

 時間は誰にとっても有限だ。

 先のことが不安で尻込みをしているくらいなら、その場しのぎの言い訳はやめ、今すぐ一歩でも先に動いたほうがいい。

●著者プロフィール:堀江貴文(ほりえ たかふみ)

1972年福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media&consulting株式会社ファウンダー。元・株式会社ライブドア代表取締役CEO。東京大学在学中の1996年、23歳のときに、インターネット関連会社の有限会社オン・ザ・エッジ(後のライブドア)を起業。2000年東証マザーズ上場。時代の寵児となる。2006年証券取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され、実刑判決を下され服役。現在は、自身が手掛けるロケットエンジン開発を中心に、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活躍。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者。2014年には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文サロン」をスタートした。近著に『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『我が闘争』(幻冬舎)、『逆転の仕事論』(双葉社)、『本音で生きる』(SBクリエイティブ)など。

(ITmedia エグゼクティブ)

最終更新:7月7日(木)10時8分

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