ここから本文です

人工衛星「おりひめ」「ひこぼし」、別離と再会と「子どもたち」

sorae.jp 7月7日(木)6時30分配信

かつて日本に「おりひめ」「ひこぼし」という人工衛星がありました。七夕にちなんで命名されたこの衛星は、当初の予定を超える大冒険の末、見事に再会を果たしました。

この衛星の正式な名前は技術試験衛星7型、愛称「きく7号」と言います。「きく7号」の目的は、将来の宇宙ステーション開発に向けて、宇宙で自動的に衛星をランデブー・ドッキングする技術を習得することでした。開発したのは宇宙開発事業団(NASDA、現在のJAXAの母体のひとつ)を中心とするチームです。

あれ?「おりひめ」「ひこぼし」という2つの衛星ではないの?と思われたでしょう。実は、「きく7号」は本体の「ひこぼし」と、小型衛星「おりひめ」の2機からなっていました。2機の衛星は一緒にロケットで打ち上げられ、宇宙で分離してから「ひこぼし」が「おりひめ」を迎えに行くのです。

「おりひめ」を抱き止める「ひこぼし」に起きたハプニング

1998年の7月7日が最初のランデブー実験の日に選ばれたのは、関係者の洒落っ気もあったのでしょうか。「おりひめ」から2m離れた「ひこぼし」は、完全自動操縦でゆっくりと「おりひめ」に接近すると、腕でしっかりと抱き止めるようにして「おりひめ」を掴まえることに成功しました。

続いて、少しずつ遠距離からのランデブーを繰り返すことになっていました。8月7日、2回目のランデブー実験では525mまで離れ、そこから接近を開始しましたが、予想外の出来事が起きます。異常を検知した「ひこぼし」がランデブーを中止し、「おりひめ」との衝突を回避するために距離を取り直してしまったのです。

突然、離れ離れになってしまった「おりひめ」と「ひこぼし」。その原因は、「ひこぼし」のシステムのエラーでした。ときどき起きるエラーのたびに「ひこぼし」は回避モードに入ってしまい、距離はなんと12kmにまで開いてしまったのです。

開発チームの努力で3週間ぶりの再会

地上の開発チームがエラーの原因を探ったところ、姿勢制御がときどきうまくいかないことがわかりました。しかし、うまくいかなくても再度やってみれば問題ないことがわかったので、1回失敗しても回避モードに入らずに再度やってみるように修正した新しいソフトウェアを送信し、「ひこぼし」の機能を修正することができました。

8月27日、再度「おりひめ」への接近を試みた「ひこぼし」は、3週間ぶりに「おりひめ」をしっかりと抱きとめることに成功したのです。「ひこぼし」は少しずつ距離を広げて実験する予定でしたが、この1回の実験でその後予定されていた全ての実験に相当する内容を成し遂げてしまったことになります。

1/2ページ

最終更新:7月14日(木)21時11分

sorae.jp

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

暗闇で光るサメと驚くほど美しい海洋生物たち
波のほんの数メートル下で、海洋生物学者であり、ナショナルジオグラフィックのエクスプローラーかつ写真家のデビッド・グルーバーは、素晴らしいものを発見しました。海の薄暗い青い光の中で様々な色の蛍光を発する驚くべき新しい海洋生物たちです。彼と一緒に生体蛍光のサメ、タツノオトシゴ、ウミガメ、その他の海洋生物を探し求める旅に出て、この光る生物たちがどのように私たちの脳への新たな理解を明らかにしたのかを探りましょう。[new]