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《高校野球の今 中》コーチ 役割分担し指導

上毛新聞 7月7日(木)6時0分配信

●「機動破壊」生む

 走塁を駆使した「機動破壊」で県内のみならず全国に新風を 吹き込んだ健大高崎。特徴的なのは戦術にとどまらない。外部コーチを含めた総 勢11人のスタッフが打撃、投球、体づくりと、役割を分担して指導する体制は、過去5年で春夏通算5度の甲子園出場をもたらした要因となっている。

 青柳博文監督自ら発案した「分業制」のメリットの一つは、指導内容の高度化にある。主に打撃面を教える生方啓介ヘッドコーチは「指導には根拠や理論が必要。今の形なら最新の指導法を“専門家”として更新していくことができる」と説明する。

 機動破壊はこうした体制だからこそ生まれた戦術とも言えそうで、その理論を組み立てた走塁面などを担当する葛原毅コーチは「萎縮せずに自分の世界で指導ができるから、やりがいもあるし、新しいことにも挑戦できる」と話す。

●高い専門性

 前橋育英も専門性の高いスタッフをそろえる。大学院で体づくりを学んだ清水陽介コーチが3年生の夏をゴールにフィジカルを鍛え、はり・きゅう師の資格を持つ福井和真コーチは選手の体のケアに当たる。

 2013年の全国制覇は「攻撃的な守備」だけでなく、こうしたバックアップがあってのことだろう。清水コーチは「技術を身に付けられるだけの体をつくって、その使い方を教えるのが自分の役割」と言い、けがの予防にも当たる福井コーチは「自分が『変だな』と思った時点で手を打つようにしている」と頼もしい。外部コーチではなく、この2人が常にグラウンドにいられることも育英の強みになっている。

●選手と向き合う

 コーチに求められるのは、こうした専門性だけにはとどまらない。100人近い部員を抱える高崎商の富岡潤一監督は「昔みたいに自分の情熱だけで選手を引っ張るのは難しい。ほかの指導者にフォローを任せることもある」と打ち明ける。

 少子化により、きょうだいが少ない家庭が増えたことで、選手の性格も変化してきたという。ひとくくりにした指導よりも、一人一人と向き合った教え方が求められており、監督に比べて選手と年齢の近い場合が多いコーチには近年、こうした役割も求められるようになっている。

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最終更新:7月7日(木)6時0分

上毛新聞

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