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日立のヘルスケアは事業は成長できるのか?投資見直しへ

ニュースイッチ 7月7日(木)8時20分配信

粒子線治療・超音波に重点、売り上げ目標も下方修正し“量より質”へ転換

 日立製作所がヘルスケア部門の中期経営計画を見直した。2018年度の同部門売上高目標を、従来の6000億円(事業区分変更後5850億円)から4400億円に下方修正した。「成長性と収益性を重視したポートフォリオへの変革」を目指す渡部真也執行役常務ヘルスケアビジネスユニットCEOに今後の取り組みを聞いた。

 ―18年度の売上高目標を引き下げました。
 「この2年間の事業の進捗(しんちょく)を踏まえ投資計画を見直した。為替変動や収益性を重視して事業を見直す分なども含んでいる。ただ売上高目標は引き下げたが、営業利益率目標は10%に据え置いた。事業規模と収益性、それに必要な投資。全体を考えて計画を変えた」

 ―15年度の部門売上高は3326億円でした。1000億円強をどう伸ばしますか。
 「自力による成長と、M&A(合併・買収)の活用だ。1000億円の半分強が自力によるもの、残る半分弱がM&Aで伸ばす。自力で市場の伸びを上回る成長を確保しつつ、投資を計画する」

 ―投資先はどの分野を検討しますか。
 「世界でナンバーワンを目指す事業として、粒子線治療と超音波などを掲げている。この分野での投資や販売チャンネルの拡充などを考える。一方、診断装置の分野で集中と選択を進める。価格競争に陥り、差別化できない製品は最適化する。『総合モダリティー(装置)メーカー』でありたいという方針は変わらないが、品ぞろえ全てを自前でやる意味はなくなっている」

 ―粒子線治療と超音波の事業方針は。
 「粒子線装置は昨年、米国の医療施設で稼働するなど受注に手応えがある。この勢いを加速したい。これまで高付加価値機を日米の先端医療施設に納入してきたが、今後は中国やアジア、欧州などの先端医療施設に展開する。治療の裾野も広がっており、小型機で顧客層を広げたい。また、粒子線治療の計画や分析、X線治療やがんの個別化医療の研究など、放射線治療をトータルで提供できるように進化していく」

 「超音波は手軽な診断装置で、市場の成長率も高い。当社は外科や泌尿器科に強みがある。循環器科や産婦人科、放射線科などでもシェアを上げるため、診療科別のソフトを順次投入する。超音波でも装置だけを販売するのではなく、他の診断装置やソフトと組み合わせて提供する」

 ―ヘルスケア部門の目指す姿は。
 「総合力を生かし、トータルソリューションを提供できる姿を目指す。診断装置などの『診断・臨床』、分析装置などの『検査・試薬』、医療ITなどの『インフォマティクス』と三つのコア事業がそれぞれの強みを発揮して、収益性、成長性をけん引していきたい」

【記者の目・“量より質”で投資先選別】
 計画修正のポイントは“量より質”への転換だ。従来は規模を伸ばして世界の競合に対抗する戦略だった。だが、規模と収益性を兼ね備えた魅力的な投資先は限られている。シナジー(相乗効果)を引き出せる相手をピンポイントに補完し、トータルソリューションベンダーとしての地位を確立する。
(聞き手=村上毅)

最終更新:7月7日(木)8時20分

ニュースイッチ

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