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泊と上市、連合チーム夏初挑戦 高校野球富山大会

北日本新聞 7月7日(木)0時48分配信

■移動40キロ、週末合同練習

 14日開幕する第98回全国高校野球選手権富山大会に、泊、上市の両校が県内初の連合チームとして出場する。少子化による競技人口減などで、複数校で構成する連合チームが全国で増え、今年は過去最多の50チーム近くが各地方大会に挑む。泊と上市は約40キロも離れ、一緒に練習できるのは週末のみ。選手たちはハンディを乗り越え、夏の大舞台に立てる喜びを胸に、白球を追う。(社会部・小幡雄也)

 「ナイスキャッチ」「しっかり」。違うユニホームを着た選手が一緒に走り、ノックを受け、声を出し合う。3日昼、上市高校(上市町斉神新)のピロティー。連合チーム「泊・上市」は合同練習の真っ最中だった。部員は両校合わせて15人。1校では9人に満たない。

 日本高野連(大阪市)によると、部員不足による連合チームは2012年夏から導入された。参加数は4年で4倍超。今年は過去最多の49チーム132校が出場予定だ。同事務局は少子化による競技人口の減少に加え、他スポーツに人気が分散したり、強豪校に部員が集中したりしたことが拍車を掛けたとみる。

 県内では高校の野球部員数はほぼ横ばいだが、女子生徒の割合が大きい学校で部員不足が発生。泊と上市は男女比がそれぞれ「1対3」と「1対2」だ。泊は昨夏の県大会後に3年生7人が引退し、部員4人という危機に陥った。

 「連合でもやっていけるか」。泊の石井健一郎監督(27)が選手に尋ねた。「分かりません」。戸惑いの声が漏れた。試合に勝って歌う校歌や掲げる校旗はいずれか1校のものを選ばなければならない。他の部から経験者を募って単独で出る道も模索したが、石井監督は悩んだ末に連合の道を選んだ。「高い志を持った選手が集まらないと、チームとして機能しない」

 昨年夏、泊と上市、雄山の3校で連合を結成。この春、部員が増えて単独出場が可能になった雄山が抜けてから、2校で活動を続けている。

 チームに立ちはだかったのは距離の壁。週末は監督らが車で1時間近くかけて部員を送迎した。電車移動したことも。練習時間は限られ、守備の連係もかみ合わなかった。

 チームを一つにしようと始めたのが、練習後に監督やマネジャーも混ざって行うハイタッチ。上市の主将の喜多泰大さん(3年)は「チームメートだと実感できる瞬間です」。一緒に白球を追い、タッチを重ねるうちに、心の距離は縮まっていった。

 喜多さんは連合で挑んだ昨夏の呉東大会初戦で挙げた勝利が忘れられない。「学校が違うことを忘れてみんなで喜んだ。あの感動をもう一度味わいたい」と目を輝かせる。

 「今は最初から一つのチームだったみたいに気心が知れている。本番が楽しみ」と泊の主将の上野貴一さん(同)。1年でかけがえのない存在となった仲間たちの夏が、もうすぐ始まる。

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 甲子園出場を懸けた熱い戦いが今年も幕を開ける。さまざまな思いを抱えながら夏に挑む選手や監督、裏方の白球をめぐるストーリーを紹介する。(随時掲載します)

北日本新聞社

最終更新:7月10日(日)18時5分

北日本新聞