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80年前の児童の力作初展示 高岡市立博物館・23日から特別展「戦時下の暮らし」

北日本新聞 7月7日(木)14時58分配信

 市立高岡図書館(現高岡市中央図書館)が1936(昭和11)年、市内の小学生を対象に行った「図書館週間 学童成績展覧会」の作品集が、23日に市立博物館で始まる特別展「戦時下の暮らし」で初めて展示されることになった。作品集には児童の絵画と書約150点が収められており、町の様子や人々の暮らしぶりがうかがえる。

 北日本新聞の前身、高岡新聞によると、同展は「図書館週間」に合わせて36年11月6、7の両日に開かれ、市内の小学校から図画と書の応募があった。作品集は約10年前、中央図書館が博物館に寄贈したもので、1~3等と佳作に選ばれた作品がつづられている。

 絵画は82点ある。かっぽう着を着て食事の支度をしている女性や、見物客でにぎわう御車山(みくるまやま)祭など日常の一こまや身の回りの出来事を素直に表現している。当時の風俗や世相が分かる作品も多い。茶の間を描いた絵は、大人の女性が和装で髪を結っているのに対し、女の子はおかっぱ頭で洋服を着ている。部屋で勉強している男の子を描いた作品は、後ろの壁に「天長節 明治節」の書が貼ってある。

 書は63点。いずれも、止めや払いに気を配った端正な字形で「国体明徴は図書館より」「精兵遠征陣頭」「忠義孝行」などとしたためている。

 展覧会が行われた年に「二・二六事件」が発生。翌年に日中戦争が始まるなど国内は戦時体制に向かっていたが、高岡は銅器、捺染(なっせん)産業が活況を呈していたこともあり、生活にはゆとりがあったという。仁ケ竹亮介主査学芸員は「思ったほど戦時色が感じられず、高岡の人々は豊かな暮らしを送っていたことが分かる。家族や知人の作品があるかもしれないので、会場に見に来てもらいたい」と話した。

北日本新聞社

最終更新:7月7日(木)14時58分

北日本新聞