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自然豊かな鎌倉に住む[下] ごみ有料化でエコに目覚める

SUUMOジャーナル 7月7日(木)8時0分配信

鎌倉に住んで一番戸惑ったこと、それはごみルール! 都内の「燃える・燃えない」という大雑把な分別に慣れていただけに、10種類の細かな分類、しかもリサイクルできない家庭系ごみは有料の指定ごみ袋に入れて出さなければならない。ルール通りに分別することに慣れるまでに約半年かかったが、助成金のおかげで1割の負担で生ごみ処理機という新兵器も導入。大変だけど新たな発見も沢山あった、鎌倉市のリサイクル事情を紹介しよう。

■植木剪定ごみは毎週無料回収、でも燃えないごみは月一回・しかも有料!

ごみの分別ルールが地域で大きく異なることを知ってはいたが、鎌倉の細かさには本当に驚いた。ごみの収集日カレンダーを見ると、「飲料用カン・ビン」「ペットボトル」はもちろん、プラスチックは「容器包装プラスチック」(週1回)と「製品プラスチック」(月1回)、「紙類・布類」(週1回)など大分類で既に10種。さらにその大分類の中でも、「紙類・布類」であれば、段ボール、新聞・雑誌、牛乳パック、書類や手紙などのミックスペーパー、という具合に同じものをまとめて出す。しかも家庭の「燃やすごみ」「燃えないごみ」は有料。素材を確認しながら間違いなく品物ごとに分けてルール通りに出すために、しばらくは説明書が手放せず、仕分けの時間もかかった。

【画像1】鎌倉市のごみルールは本当に複雑。しかも「燃やすごみ」「燃えないごみ」は地元のスーパーやコンビニに売っている鎌倉市指定の有料袋(指定収集袋)を購入し、これに入れて捨てなければならない。S/M/L/LLの4サイズがあり金額が決まるが、当初は自分に必要な大きさもピンとこない。一番右のSの上に置いた10円玉でも分かるように、これがスーパーなどでもらう一番小さいサイズの袋という感じ。最小のSサイズが5Lで一枚当たり10円、M(10L)20円、L(20L)40円、LL(40L)80円(写真撮影/長井純子)

鎌倉市で家庭系ごみの有料化が始まったのは平成27年4月1日。有料袋に入れて出すことで、ごみの発生抑制や、出す量に応じた費用負担の公平化を図るのが目的だという。実際、都内マンション暮らしのときはほとんどのものを「燃えるごみ」として大袋で捨てていた。

引越し当日、手伝いに来てくれた鎌倉在住の友人と二人で段ボールを荷ほどきしたときのこと。割れないよう大量に使った古新聞の中から食器を取り出すと、私の周りには食器の山とグチャグチャな新聞のごみの山。しかし友人は丸まった新聞紙のシワを全てきちんと伸ばし、畳み直して束にして資源ごみの古新聞として紙類の日に出してね、と教えてくれた。なるほど、リサイクルできる新聞等の紙類は、無料回収なのだ! 今までの癖で、引越し時も大量の燃やすごみを有料で出すところだったが、友人のおかげでかなりのものがリサイクルできることを学んだ。

【図1】平成27年4月から有料化された燃やすごみ。無料だった前年同月と比べて平均で約16%減、さらに有料化前には重量ベースで燃やすごみの中に約26%混入していた資源物が13%になるなど、はっきり目に見える削減効果があったという(資料提供/鎌倉市役所環境部ごみ減量対策課)

■燃やすごみの半分は「生ごみ」、手厚い助成金の制度を使って生ごみ処理機を購入

更に、家庭系の燃やすごみの内訳をみると、重さの約半分を占めるのが生ごみだという。生ごみは唯一家庭でも処理できるごみなので、鎌倉市では平成3年から生ごみ処理機購入費助成制度を実施。その後普及率を上げるために助成率も改訂され、現在では非電動型は90%、電動型でも75%助成してもらえるので、実質負担額はほんの数千円(助成額の上限は4万円)。市のごみ減量に対する本気度が伝わってくる。実際、この制度を利用した普及台数も年々増加傾向にあるという。

【画像2】写真左:市役所の窓口近くの廊下には、助成を受けることのできる生ごみ処理機の実物がずらり展示されている。市役所の窓口で助成金を差し引いた金額を支払って購入手続きすることもできるし、販売店から直接購入していったん全額支払い、申請によって後日助成金を振り込んでもらうこともできる。写真右:私が選んだ非電動型の生ごみ処理機の場合、90%助成対象なのでいったん2万円支払うものの、申請することで実質2000円に(写真撮影/長井純子)

市役所に展示された実物や資料を比較検討。電動・非電動、室内・屋外、ベランダ・土置きなど色々ある中、私が選んだのは自然界の微生物の力で生ごみを分解する非電動生ごみ処理機の土置きタイプ。設置時に丁寧に使い方のレクチャーをしてくれる。要は土の中に生ごみを入れて、土の中に住む微生物が堆肥化または消滅させるのを待つわけなので、微生物の特徴や働きを良くする工夫を教えていただく。

【画像3】写真左:生ごみ処理容器 キエーロの考案者ご夫婦が自ら納品・設置し、使い方の説明などを丁寧にしてくれる。疑問だったこともこれでスッキリ。既にエコな気持ちに。写真右:置き場所に選んだのは勝手口の脇、水道も近いので臭いが気になるものも洗い流せて便利そう(写真撮影/長井純子)

「ごみは細かくすると早く消滅」「穴を掘って土をまぶす」「微生物は肉・魚・油ものが大好物。内臓類や腐りかけたものもOK」とのこと。臭いが気になりそうだが「穴を掘ってごみの上に乾いた土をかぶせることで土のふたをした状態になり臭いません」。生ごみならなんでも捨てられ、しかもを捨てる際一番困るものが微生物の大好物とは頼もしい! 知識がつくと微生物への親近感も湧いてくる(笑)。

半年間の鎌倉暮らしで変わったこと。
・リサイクル出来る素材か否かの分別が早くなり、沢山のプラスチック製品に囲まれて暮らしていることを認識した
・季節ごとにするべき庭仕事が分かり始め、毎週の植木剪定ごみの日に向けて定期的に庭の手入れや掃除をするようになった
・生ごみ処理機によって、生ごみが土に還るのを実感しつつ、燃やすごみの量も激減した
・市内のリサイクルセンターを利用して、手づくりや洋服リメイクをするようになった
・筆者は買い物好きだが、捨てるのがあまりに大変なので、物を選ぶ際は慎重になった

「有料ごみをできるだけ少なく」という倹約精神が働くせいかごみの量はどんどん減り、有料ごみ袋はSかMで十分。まだ大きなサイズはL、LLともに使ったことがない。必要に迫られ、ようやくエコ生活に目覚めたというわけだ。これからは地球に優しく生きるぞ!

取材協力
●鎌倉市役所環境部ごみ減量対策課
●キエーロ葉山

長井純子

最終更新:7月7日(木)8時0分

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