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「踊れない国」を変えちまった総力戦 署名で世論可視化、DJが議員に陳情 WHYとHOWの2段戦略

withnews 7月9日(土)7時0分配信

 午前5時前、ダンスフロアの熱気は最高潮を迎えた。重低音の渦のなか、一心不乱に体を揺らす女性。拳を突き上げ、歓声を上げる男性。どの顔にも笑みが浮かぶ――。先月23日、改正風俗営業法が施行され、深夜のダンス営業が条件付きで「解禁」された。一見、社会運動と縁遠そうなダンス業界がなぜ、短期間で法律を変えられたのか。そこには、声高に反対を叫ぶだけではない、巧みな戦略があった。

ハロウィーンの渋谷 スクランブル交差点を埋めた仮装集団

世論を「見える化」

 法改正は、クラブユーザーや経営者、アーティストらの総力戦で実現した。初期の改正運動をリードしたのが、2012年に設立された「レッツダンス署名推進委員会」だ。坂本龍一さんやいとうせいこうさんらが呼びかけ人となり、規制撤廃を求める15万筆超の署名を国会に提出。ダンスの自由を望む世論を「見える化」し、超党派の国会議員連盟へとバトンを受け渡した。

 しかしここで、運動は壁にぶつかった。肝心のクラブ事業者が、警察の取り締まりを恐れて前面に立てない。状況を打開しようと、13年に登場したのが、DJやアーティストらでつくる「クラブとクラブカルチャーを守る会(CCCC)」だった。

 表に出られない事業者に代わって、DJらがスーツ姿で警察や議員への陳情に動く。「PLAYCOOL(クールに遊ぼう)」を旗印に、クラブ周辺の早朝清掃などマナー向上運動にも取り組んだ。

具体化へ「HOW」の運動

 「関係者の最大公約数をどう導くか。大切なのは対話です」

 CCCC会長でラッパーのZeebra(ジブラ)さんは、先月21日に東京・渋谷のクラブであったシンポジウム「朝日新聞未来メディアカフェ」で、そう語った。

 レッツダンスが「なぜ踊ってはいけないのか」という問いをたて、広く共感を集めた「WHY」の運動だったとすれば、CCCCは、いかにして法改正を具体化するのかを模索した「HOW」の運動だった。こうして個性の異なるプレーヤーが、足りない部分を補い合い、刺激し合うなかで改正運動は前進していった。

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最終更新:7月9日(土)7時0分

withnews

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