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保険のFinTech「インステック」、シンガポールで本格始動

ZUU online 7月8日(金)11時40分配信

アジアFinTechの新星として、世界中の注目を浴びているシンガポール。既存の金融セクターだけにとどまらず、今後成長が期待されている保険産業にも、強力にアピールする都市となることが期待されている。

保険産業のFinTech化を目指すコミュニティー「インステック・アジア(Insuretech Asis)」の誕生に加え、英EU離脱騒ぎによる海外企業の流入も十分に起こりうる。

FinTechの発展では一歩も二歩も出遅れた感の強い保険産業。ここにきてようやくエンジンがかかったようだ。

■未来の金融帝国 シンガポール

コミュニティーの共同設立者ジョージ・カッセルマン氏は、シンガポールのFinTechメディアによせた投稿の中で、FinTechの要となる「革命」には、効率的なエコシステムやチームワーク、実行力などが必要不可欠だという見解を示している。

つまりどれほど想像力溢れるスタートアップでも、社内の結束は勿論、他企業との提携や支援システムなしの独走では、最大限の成果をだしにくいということだ。シリコンバレーやニューヨーク、ロンドンのユニコーンなどを例に挙げても、単体であれほどの成功は成し遂げられなかっただろう。

いまだ初期段階でくすぶる保険FinTechが変貌を遂げるには、新鮮かつ実用的な発想、利益創出に向けた堅硬なパイプライン、事業発展に快適な環境を確保する必要がある。

こうした観点から見た場合、「現時点ではシンガポールが理想の地として最有力候補だ」とカッセルマン氏は断言する。

シンガポールは近年、アジア市場へのゲートウェー(入り口)として頭角を現しており、近い将来アジア最大のFinTechハブとして君臨する可能性が非常に高い。

アジア圏で最も国際性に富んだ国として認識されているだけに、「世界一ビジネスのしやすい国」に挙げられることも多く、アジア屈指の金融セクターとしての知名度も着実にあがっている。

ベンチャー、コンサルティング研究機関、Z/Yenグループによる「グローバル・ファイナンシャル・センター指数(GFCI)」の最新版では、ロンドン、ニューヨークに次ぐ世界第3位の金融都市に輝いた。

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■保険産業をコミュニティー化 最大限の能力を引きだす

言語、規制、コスト、透明性、効率性といった利点に加え、急発展中のFinTech環境が、国内だけではなく海外のスタートアップにも、有利に作用するであろうことは疑念の余地がない。

今年に入ってからは、英国とのFinTech提携関係「FinTech Bridge」を結び、英国への進出を図ると同時に英国からのスタートアップの受け入れにも積極的だ。さらなる国際化を目指し、今後同様の提携関係を他国と広げていくことも十分に考えられることから、海外企業にとっては事業を設立しやすい環境だといえるだろう。

カッセルマン氏は今年から来年にかけて、数えきれないほどの保険スタートアップがシンガポール、あるいはアジア地域に流れこんでくると見込んでいる。Brexitを機に新しい可能性を求めて、米や欧州ではなくアジアに次の可能性を見いだす企業も多いはずだ。

こうした背景を十分に踏まえたうえで、インステックが誕生した。いまだ発展環境が確立されていない保険スタートアップに、最高のリゾースを提供し、お互いに利益を創出できる企業や機関と結びつけることを目標にしている。

保険産業をコミュニティー化することで、単独では到達しにくいレベルにまでスタートアップの潜在能力を引き上げ、それがまたコミュニティーの原動力となって反映されるという成長サイクルを生みだせる。

従業員数が10人にも満たない小さな企業だが、設立から半年ですでに3つのテスト・イベントをシンガポールで開催。国内、国外の加入メンバーは200企業を突破した。

将来的にはアジア全域にプラットフォームを拡大するという野望のもと、保険FinTechを大いに盛りあげていくという。

インステックでは現在提携、支援関係を結べるパートナーを募集中だ。日本からの申し出もきっと大歓迎されるだろう。(FinTech online編集部)

最終更新:7月8日(金)11時40分

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