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【オーストラリア】少数政府でインフラ拠出減も、産業界が懸念

NNA 7月8日(金)8時30分配信

 オーストラリアの総選挙の結果が拮抗(きっこう)し、少数政府になった場合、産業界ではインフラ向け予算が削減されるとの懸念が示されている。ミニ政党との政治的交渉が増え、歳出額の大きい政策決断の方向性が失われるためだ。ほかにもネガティブ・ギアリングの改正や大手銀行対象の王立委員会設置など、与党保守連合(自由党・国民党)が反対していた法案が再び議論の対象になる可能性も指摘されている。7日付地元各メディアが伝えた。
 業界団体のオーストラリア物流カウンシル(ALC)は、業界が望むインフラ計画やそれに必要となる規制改正は、政府の任期である3年以上の視野が必要になるため、複数のミニ政党と交渉しなければならない少数政府では難航するとの見方を示している。業界では、ミニ政党の選挙区や激戦区へインフラ予算が流れる可能性があるとの指摘もある。一方、金融大手シティは、インフラ計画がほかの多くの政策に比べて長期的なため、不安定な政権でこそ政府の拠出は拡大すると見ている。
 また、少数政府になった場合、無所属議員の中に、大手銀対象の王立委員会や、ネガティブ・ギアリングの税控除を新築住宅投資に制限する労働党の政策を支持する議員が数人いることから、再び協議の対象になる可能性が浮上している。
 
 ■野党の医療・賃金戦略が奏功
 
 与党保守連合の議席数が減る見込みとなった背景は、一般診察医(GP)への政府補助金(メディケア・リベート)引き上げ凍結を強く批判し、凍結解除を公約した労働党の選挙戦略に分があったためとみられている。
 これに対してモリソン財務相は、向こう4年間でメディケアのコストが930億豪ドル(約7兆700億円)規模に肥大化するとみられ、安易にさらなる予算増を容認することは国家財政にとって持続可能性がないと反論している。ただし、同相とターンブル首相は、医療関連の政策を見直す構えもあることを示唆している。
 また、政府のペナルティーレート(時間外や休日勤務などに支払われる手当)引き下げ案を批判した労働組合による、激戦区での調査では、有権者の55%が引き下げに反対しており、前回選挙で与党保守連合を支援した有権者の32%が与党保守連合以外に票を投じる意向を示したという。

最終更新:7月8日(金)8時30分

NNA