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リオ五輪柔道女子63キロ級の田代未来に金への秘策を直撃

東スポWeb 7月8日(金)10時1分配信

 リオ五輪柔道女子63キロ級代表の田代未来(22=コマツ)が“脱良い子ちゃん”で金メダル獲得を狙う。マスターズ大会を2度制しながら、世界選手権での優勝はいまだない。そこには同階級の金メダル候補であるクラリス・アグベニュー(23=フランス)が立ちはだかっているからだ。この難敵を撃破するために、あえて心がけていることとは? また、五輪への思いとは? 大舞台を直前に控える田代を直撃した。

 ――いよいよ五輪が始まる

 田代:順調に来ています。いつも大きい試合の前には練習中にケガをするんですが、今回はそれもありません。すごくいい感じです。

 ――所属の松岡義之監督(59)や(アテネ&北京五輪63キロ級金メダリストの)谷本歩実コーチ(34)からアドバイスは

 田代:「世界選手権と五輪は違う」と口酸っぱく言われています。それだけ気を引き締めて臨むつもりですが、経験したことがないので、どう違うか想像ができない。ただ、一生に一度のチャンス。悔いのない戦いにしたいです。

 ――63キロ級にはこれまで5戦全敗のアグベニューがいる。対策は

 田代:もちろん、しています。細かいことは言えませんが、どの試合を見てもポイントを取れるチャンスがあった。特に寝技ですね。そのチャンスをものにできれば、勝機は広がるでしょう。ずっと負け続けているので、負けるのはこれで最後にしたい。

 ――男子相手に練習しているとか

 田代:はい。73キロ級の男子中高生ですね。アグベニュー選手のパワフルな柔道を想定するには、ちょうどいいんです。

 ――男子中高生たちの反応は

 田代:まあ、どうしても「女だしな…」的なちゅうちょが見られますね。なので、私は「関係ねえから、向かってこいや!」とふっかけてます。

 ――代表になって何か変わった

 田代:今まで先生方の言うことすべてを「ハイ、ハイ」と受け止めてきましたが、世界と戦っていくには、それだけでは限界があることに気がつきました。畳に上がるのは私一人。勝負に勝つためだったら、もっと「私はこうしたい」と押し通すことも必要なのではないかと。こだわりたいときは、自己主張するようになりましたね。

 ――具体的には

 田代:2014年世界選手権準決勝のとき、(寝技の)横返しを切り返されて一本負けしたことがありました。それ以来、監督からは「リスクがあるから、やらないほうがいい」と言われます。でも、逆に切り返されたときの対策が自分の中にできた自負もある。なので「自分には合っています」と説明して、貫いたこともありました。

 ――“脱良い子ちゃん”キャラだ

 田代:そうじゃないと、アグベニュー選手を乗り越えられないと思うんです。監督からは「頑固になったな」と言われますけど(笑い)。

 ――五輪で印象的な試合は

 田代:08年北京五輪の63キロ級の決勝です。谷本先生がリュシ・ドコス(フランス)に一本勝ちしたシーンは今でも鳥肌が立ちます。谷本先生は「なかなか勝てなかった。ちょっとしたスキをものにした」とおっしゃっていました。そういう意味ではアグベニュー対策のヒントになりますね。

 ――リオには何か持って行く

 田代:インスタントみそ汁ですかね。12個ぐらい。いつも海外に行くときは持っていくんです。ちなみに、わかめです。

 ――五輪後の予定

 田代:現役を続けるとは思いますが、とりあえず、すべては終わってから。今は目の前のリオに集中するだけです。

 ――最後にひと言

 田代 柔道関係者も柔道を知らない人も、誰もが良かったと思ってくれる良い試合をしたいと思います。ぜひ、見ていてください。

 ☆たしろ・みく 1994年4月7日生まれ。東京都出身。兄の影響で小2から柔道を始める。2009年、中学3年時に世界カデ(15~17歳)で優勝するなど頭角を現すと、高校1年でユース五輪優勝。14、15年世界選手権銅メダル。15、16年のマスターズ大会で優勝。得意技は大内刈り、内股。身長163・5センチ。ストレス解消は「食べること」。気になる悩みは「わき汗」。

最終更新:7月8日(金)10時17分

東スポWeb