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早実・清宮 本塁打50発の「本当の価値」を検証

東スポWeb 7月8日(金)10時1分配信

 2日に開幕した第98回全国高等学校野球選手権東・西東京大会。早実の怪物スラッガー・清宮幸太郎内野手(2年)の「2度目の夏」は10日の2回戦・啓明学園戦(八王子)から始まる。すでに2年夏前の時点で高校通算本塁打数を「50」としている清宮には、歴代最高記録(107)の更新すら期待されているが、これはどれほどすごい数字なのか。怪物が怪物と言われる理由を検証した。

 2日に開会式(神宮)を終えた清宮は「いよいよだなという感じ。本当の勝負の時期が来た。ホームランが増えてきたのはいいこと。フォームが固まって、確実性が増してきた。本当に去年は(主将の)加藤さんが軸で、その信用のもとで(周りが)つなげてくれた。今回は自分がそういう役割にならなきゃ」と、気合を新たにした。

 高校通算本塁打数はすでに50本。2年夏地方大会前の時点では、過去に大阪桐蔭の中田翔(現日本ハム)が41本塁打を記録しているが、高校通算本塁打は練習試合での記録も含むため、単純な比較が難しい。

 歴代通算本塁打上位の学校ではトリプルヘッダーを組んだり、平日午後にも練習試合を組んだりと、そもそも試合数、打席数という“分母”が学校によって異なる。そのなかで、現時点での50本塁打とはいったいどのくらいすごい数字なのか。

 清宮が高校入学後出場した試合は公式戦21試合、練習試合73試合の計94試合(4日時点)。この数字を見てもわかるように、早実の1年間の練習試合の数は、他校に比べて極端に少ない。清宮入学後の1年間(昨年4月~今年3月)で見てみると、年間練習試合数はわずか44試合で、一般的な都立高の年間80~100試合の約半分にすぎない。実際、プロを多数輩出する関東のある甲子園常連校監督が「うちは年間(練習試合が)約120試合。甲子園を目指す高校のなかでも比較的多いほうだと思いますが、強豪校であれば年間100試合以上は当たり前。早実の試合数はかなり少ないと思います」と語るほど。もし、清宮がこの学校に進学し、練習試合にフル出場していたと仮定。公式戦も含め高校3年間で300試合とすると、単純計算で実に159本ということになる。

 では、早実の練習試合はなぜこんなに少ないのか。早実OBによると「うちは学業の成績も重視しますから。毎年新学期になると『今年は全員上がれましたか』とまず監督に確認する。多い年では留年者が4人。それだけ早実で野球を続けるのは大変なんです。当然練習試合ばかりというわけにもいかない」と実情を語る。定期試験による部活動停止期間は一般的な都立高の倍の2週間で、文武両道の私立なので土曜日も授業がある。練習時間の不足を補うために、週末は練習試合ばかりでなく、練習をする必要があるわけだ。

 しかも、早実が“主戦場”とする王貞治記念グラウンドは両翼93メートル、中堅120メートル。神宮球場の両翼97・5メートル、中堅120メートルよりは小さいものの、一般的な高校が持つグラウンドとしてはかなり広い部類に入る。また、昨夏甲子園4強に残った早実には、今春招待試合のオファーが殺到。いずれも地方の強豪校ばかりで、実際早実の勝率は決して高くはない。そんな状況下での50本塁打だけに、単純な数字以上の“バリュー”がある。

「神宮は本当に久しぶり。この雰囲気が、甲子園への道なんだな。ここに戻ってきて、優勝して甲子園に行きたい」と語った清宮。夏の大会を前に「100本超え」「歴代記録更新」といった周囲の声が高まるなか、怪物の残す数字は見せかけだけのものではない。

★清宮の本塁打ペース=高校3年間の試合数をこれまでの試合数を基に試算すると、総試合数は170試合ぐらいか。現在は94試合で50本塁打と、1.88試合に1本のペースで本塁打が飛び出しており、170試合では90本となる。清宮自身のさらなるパワーアップも考えると、100本の大台到達、歴代1位の107本超えも、決して夢ではない数字と言えそうだ。

最終更新:7月8日(金)10時25分

東スポWeb

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