ここから本文です

「SurfaceからiMac対抗機が出る」のウワサは本当か?

ITmedia PC USER 7月8日(金)6時25分配信

 Microsoftが自ら手掛けるWindowsマシンの「Surface」シリーズ。2012年の登場からモデルチェンジの度に洗練され、かつてはサードパーティーに頼っていたWindowsマシンの有力な選択肢として、今ではすっかり認知された感がある。その新モデルを楽しみにしているPCユーザーも少なくないだろう。

【iMac対抗Surface新機種のヒントは、申請中の特許にアリ?】

 振り返ること1年前。2015年は米国で5月に「Surface 3」、10月に「Surface Pro 4」と「Surface Book」が発売され、日本にも少し遅れて投入されたが、2016年は7月現在モデルチェンジが行われていない。それどころか、Atomプロセッサ搭載のSurface 3は2016年内に生産終了になると同社が認めている。

 今後の動向が気になるSurfaceシリーズだが、7月に入って新たなウワサが出てきた。それは「2016年内にSurfaceのブランドを冠する製品が少なくとも1種類投入される」というものだ。

 その発信源は、「2016年内にSurface新モデルが投入される可能性は低い」という記事を以前に書いた米ZDNetのメアリー・ジョー・フォリー氏。同氏は米Microsoftの最新情報を発信し続けており、最近では「Windows 10 Anniversary Update(Redstone 1)に続く大型アップデート(Redstone 2)の配信は2017年春頃にずれ込む見込み」や「Redstone 2の配信時期が遅いのはSurface新モデルに合わせるため」といった関係者からの情報を伝えていた。

 同氏は7月5日(現地時間)の記事で「Redstone 2の配信タイミングは2017年春から変更がないものの、同時期にSurfaceを絡めた大型製品は発表されない可能性が高くなった」と、以前の予想をアップデートしている。代わりに「2016年内に少なくとも1つのSurface新製品が発表され、2015年10月の米ニューヨークでのイベント同様、秋にも何らかの発表会が催されることになる」という。

 この予想の信頼性を高めるような別の情報もある。

 米ワシントン州レドモンドにある米Microsoft本社のBuilding 88を訪問したインドのアプリ開発者シューブハム・チェンバーカー氏は、興味深い写真をツイートした。本社ビルには歴代Surfaceのパネルが展示されているが、ここに「2016 Coming Soon」というパネルが1枚、「2017 Coming Soon」というパネルが3枚飾られている様子を撮影して投稿したのだ。2016年に1製品、2017年に3製品のSurface新モデルが登場すると予告しているような展示だが、Microsoftから公式のアナウンスはない。

 いずれにせよ、2016年内をターゲットにMicrosoftが何かしらの隠し球を持っていることは間違いないようだ。

●新Surfaceはマイナーチェンジ? それとも……

 2016年内に投入される製品についてジョー・フォリー氏は「製品数を含めて見当がつかない」と説明する一方で、発表イベントは「どちらかと言えばパートナーであるOEMメーカーの製品にハイライトを当てる可能性がある」としている。

 過去のMicrosoftの経緯を考えると、パートナー製品の発表と自社製品の発表は別々に行い、OEMメーカーに配慮する傾向が強かった。もし同氏が語るようにサードパーティー製品と自社のファーストパーティー製品をイベントで同列に取り扱うのであれば、少々奇異な話だ。

 筆者の推測だが、Intelの次期Coreプロセッサ(第7世代Core)である「Kaby Lake」(開発コード名)は2016年8月後半~9月初旬に正式発表され、OEMメーカー各社もこの時期に一気に新製品を発表するとみられる。実際の出荷は9月末~10月頃だろう。ただし、この時期に優先投入されるのは2in1や薄型ノートPC向けプロセッサが中心で、ラインアップによっては年末近くにずれ込む可能性がある。

 つまり、各メーカーがアピールすべき製品の多くは10月時点で発表済みであり、もしMicrosoftが2015年同様に10月前後の時期にイベントを行うのであれば、やはり「Surfaceにフォーカスした内容」の可能性が高い。その場合、ラインアップも複数をそろえた形での発表となるだろう。

 問題は「どのようなSurfaceのラインアップが出てくるか」という点だ。

 まず、完全に業務向けの大画面モデルであるSurface Hubと、流通在庫のみで既に生産終了が年内に決まっているSurface 3を除けば、Surface Pro 4とSurface Bookの2種類が現行モデルとして挙げられる。これらのモデルチェンジでなければ、前々から投入計画がささやかれているWindows 10 Mobieスマートフォン「Surface Phone」、そして最近新たにウワサが出てきたAppleの「iMac」対抗機となる液晶一体型デスクトップPC「All-in-One(AIO)Surface」の可能性も考えられる。

 ジョー・フォリー氏は、Surface Pro 4とSurface Bookにはマイナーアップデートの可能性があるものの、Kaby Lakeが搭載されない可能性を指摘している。これはKaby Lakeのフルラインアップがそろって供給量も潤沢になるタイミングを考えると、うなずける部分がある。もし両製品ともにKaby Lakeを全面採用しようとすると、製品発表は10月だとしても実際の市場投入は10月末~11月など年末近いタイミングになってしまうのだ。

 Surface Phoneについてジョー・フォリー氏は、IntelがAtomプロセッサの計画をキャンセルした後も、(Surface 3は生産終了で後継モデルの情報もないが)Surface Phoneの計画は生きており、「ARMベースでエンタープライズにフォーカス」して開発が進んでいるという。

 ただし、Surface Phoneも現時点で2016年内に投入される可能性が低いと筆者は予想する。理由の1つとしては、「HP Elite x3」などエンタープライズ向けWindows 10 Mobileスマホのハイエンドモデルがようやく出そろいつつある中、Microsoftが市場に割って入るのは、少ないパイでの食い合いが発生してデメリットが大きいからだ。

 市場を育てるという意味では、2017年春頃というのは適当なタイミングではないかと考える。ちょうどスペインのバルセロナでMobile World Congress(MWC)が開催されるタイミングでもあり、戦略アピールの場としては悪くないだろう。

 最近になりウワサが出てきたAIO Surfaceの計画を報じたのは、台湾メディアのDIGITIMESだ。AIO Surfaceの登場は早ければ2016年第3四半期中としている。

 しかし、ジョー・フォリー氏は自身の情報源からのコメントでこれを否定した。少なくとも年内には投入されないという。もっとも、同氏もAIO Surfaceの存在自体は否定しておらず、この他にもWindowsの最新情報を追っている米Windows Centralが信頼できる情報筋の話としてその存在を肯定している。ただし、Windows CentralもDIGITIMESの記事にある第3四半期の製品投入が本当かどうかは、「Kaby Lakeの投入タイミング次第」とのことだ。

 Kaby Lake搭載製品の市場投入は最速でも9月末くらいとみられるため、やはり第3四半期での市場投入は難しいというのが筆者の考えだ。

●AIO Surfaceとはどのような製品なのか?

 AIO Surfaceについて現状判明しているのは「リビングルーム向けPC」という点のみで、そのスペックや狙いを含めてほとんどが不明だ。ただ、2016年2月にMicrosoftが申請中の新しい特許は、AIO Surfaceのヒントになるかもしれない。

 特許の名称は「Modular Computing Device」で、2015年7月に米特許商標局に申請が行われている。

 その中身を簡単に説明するなら「スタッカブルPC」だ。ディスプレイを含め本体の機能がそれぞれモジュール化されており、用途に応じて個々のモジュールを「スタック(積み重ねる)」することで、1台のPCとして機能する。ストレージやCPU、GPU、インタフェースなどのモジュールを個別に組み合わせるだけで、欲しいスペックのPCが手に入るというアイデアだろう。

 AIOはデスクトップPCながらもスペックや設計で融通が利かない部分があり、主に拡張性が犠牲になることが多い。Modular Computing Deviceはそうした弱点を補完する仕組みとして面白い。もし本当にAIO Surfaceがこうした姿で登場するとしたら、大きな注目を集めそうだ。

[鈴木淳也(Junya Suzuki),ITmedia]

最終更新:7月8日(金)6時25分

ITmedia PC USER