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燃料取り出し万全期す 東京電力福島第一原発所長 内田俊志氏に聞く

福島民報 7月8日(金)9時58分配信

 東京電力福島第一原発の所長に就いた内田俊志氏(54)は7日、福島民報社のインタビューに応じ、「3号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しが喫緊の課題」との認識を示した。

 -抱負を。
 「県民に迷惑をお掛けしているとの気持ちを薄れさせず、福島の復興への責任を果たすことが第一だ。同時に所員や協力企業の作業員がやりがいを感じて働ける環境を整える」

 -第一原発の現状をどう評価するか。
 「現在の作業の柱は汚染水対策、労働環境改善、廃炉に向けた核燃料の取り出しの3つだが、一定の成果は出ている。構内で働く約6千人の半数近くを占める県内の皆さんに深く感謝する」

 -最優先で取り組む分野は。
 「1~3号機の使用済み燃料取り出しのうち、最も早い3号機は平成29年度中に始まる。既に完了した4号機と違い、遠隔作業が入るので難易度が高い。工程通り安全に進めることが当面の一番の課題だ。放射性物質を外に出さないのは当然として、作業員の被ばくを抑える対策も必要だ」

 -溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の取り出し方針を29年度に決める。
 「方針決定に向けて宇宙線から生じる『ミュー粒子』による透視で原子炉内の状態を調べている。ロボットも活用し、デブリがどこにどんな状態で存在しているかや格納容器の破損状況を把握しないと次のステップに入れない。建屋では線量の高い床面を削る除染を行っているが、線量はあまり下がらない。ロボットの投入ルートも整えないといけない。工程表を達成できるよう努力する」

 -作業環境整備に関する方策は。
 「一般服で作業できるエリアが建屋周辺を除く敷地全体の9割まで広がった。軽装は作業員の負荷を軽減する。かつて第一原発で被ばく低減を担当した経験を生かし、より働きやすい職場を築く」

 -炉心溶融を巡る第三者検証委の報告書が波紋を呼んでおり、隠蔽(いんぺい)体質を抜け出せていないとの指摘もある。
 「地域社会の信頼なしに企業は存続できない。この原則を考えれば答えは出る。信頼を失わないためには情報は公開しないといけない。人材育成やコミュニケーション力の向上も含め、信頼につながる取り組みを進める」

福島民報社

最終更新:7月8日(金)12時24分

福島民報