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映画「飯舘村の母ちゃんたち 土とともに」古居みずえ監督に聞く(3) 被災者の存在なかったことにされてはならない

アジアプレス・ネットワーク 7月8日(金)11時23分配信

政府は飯舘村の避難解除を2017年3月末におこなうと発表した。しかし、山に囲まれた飯舘村では、雨などで土が流れるためすべての除染は不可能だといわれる。福島県伊達市の仮設住宅に暮らす菅野栄子さん(80)と菅野芳子さん(79)は、不安を隠しきれない。古居さんは今後も飯舘村の女性たちを記録するという。(アジアプレス・ネットワーク編集部)

【関連動画を見る】 「飯舘村の母ちゃんたち 土とともに」予告編

◆日帰り一時帰宅した栄子さんの笑顔が消えた

栄子さんが日帰りで飯舘村の実家に行くというので同行しました。時間が止まったかのような家の中とは対照的に、除染作業で村の景色が変わってしまったと栄子さんは言いました。家の周りに植えた大事な居久根(いぐね)の木も切られてしまったと栄子さんは悲しそうでした。

栄子さんは庭を見回りながら、木々や花に「手をかけられなくてすまないね」と声をかけていました。そこにはいつもの笑顔はなく、怒りの眼をしていました。それは原発によって「家を犯された」怒りです。その後、気分が悪く吐き気がすると言って彼女は仮設に戻ったのでした。カメラを回しながら、心が引き裂かれるような気持ちになりました。

◆人ごとではない原発事故

東日本大震災から5年が過ぎ、被災者たちの存在がなかったことにされるような気がしてなりません。原発は日本各地にあって、自分の町が「フクシマ」のようなことにはならないと言い切れない。そこを忘れてはならないと思います。栄子さん芳子さんの生活や思いに触れることによって、人ごとではなく、これは日本全体の問題として考えなければならないことを知ってほしい。

政府は2017年3月末に、飯舘村の避難指示を解除すると発表しました。しかし、山に囲まれた飯舘村では、雨などで土砂が流れるためすべての除染は不可能だといわれます。「帰村は自己責任で」ということなのでしょうか。

飯館村の村長さんらよると、村民の3割が帰村を希望、3割が帰村をあきらめ、残りはまだ決めかねているということでした。高齢者にはさらに厳しい状況になると思います。私は今後も「飯舘村の母ちゃんたち」を記録していきます。(了)



◆映画「飯舘村の母ちゃんたち 土とともに」
※名古屋シネマテークでの上映は終了しました。ありがとうございました。
※秋以降、大阪市の第七芸術劇場、福島市のファーラム福島でロードショーのほか、全国各地で上映の予定。

◆自主上映のお問合せは 映画「飯舘村の母ちゃん」制作支援の会までお願いいたします。
電話 090-7408-5126  FAX 03-3209-8336
メール iitate.motherprojects@gmail.com
「飯舘村の母ちゃんたち 土とともに」公式HP http://www.iitate-mother.com/
でも詳しい情報をご覧いただけます。

最終更新:7月19日(火)17時37分

アジアプレス・ネットワーク