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【参院選】沖縄で苦戦する自民党 その訴えはリアリティを失った

BuzzFeed Japan 7月8日(金)5時0分配信

全国的に野党を圧倒する自民党。だが、国政選挙でも知事選でも負け続けている県がある。沖縄だ。

沖縄政治の専門家は、基地問題をめぐる経済的・歴史的な変化に自民党がついていけなかったことが、その背景にあると指摘する。

BuzzFeed Newsは、獨協大地域総合研究所特任助手の平良好利さんに取材した。沖縄が本土に復帰した1972年に那覇市で生まれた。その変化を自ら体験し、研究してきた平良さんはいう。

「自民党は、県民に受け入れられる論理を構築できなくなった」

今回の参院選でも、沖縄北方担当相の現職・島尻安伊子氏(51)は、翁長雄志知事が支援する野党統一候補の伊波洋一氏(64)に苦戦している。

なぜ、沖縄で自民党が勝てなくなったのか。平良さんとともに、まずは経済的な観点から見てみる。
【BuzzFeed News / 籏智広太】

「沖縄経済は基地頼み」神話の崩壊

「『基地を受け入れてもらい、経済も振興させる』という自民党の訴えは、沖縄ではリアリティを失ってきています」

平良さんは、BuzzFeed Newsにそう説明する。なぜか。

そもそも沖縄では、保守派と革新派の県政が入り交じってきた歴史がある。保守派とは、現実を踏まえながら少しずつ問題を解決し、革新派とは、大きな理想を唱えて問題を変えていくものだ。

「冷戦下の沖縄では、『基地をすぐなくすのは難しいから、まずは経済発展を優先させよう』という保守派の主張には、一定のリアリティがありました。革新県政にせよ、当時は保守県政と同様に政府と協調しながら経済振興に力を注いだ」

しかし冷戦が終わる頃になると、基地の整理縮小はそれまでより現実的になる。
基地関連の収入が県経済に占める割合も、復帰時に15%だったものが、1991年には5%弱に減少。現在も同じ水準で推移している。

返還された地域が、跡地利用で急速に発展することもわかった。その代表例が、那覇市中心部「新都心地区」だ。

そこはかつて、米軍関係者の住宅街だった。今から30年前に返還されると、企業や大型ショッピング施設が立ち並ぶようになり、沖縄県の昨年の試算では、税収が年間199億円、1万5560人が働く沖縄を代表する経済拠点となった。

「冷戦後は保守派も革新派も『基地を減らして経済を発展させる』という課題に取り組み始めます。そして実際に跡地の経済発展が明確になると、その流れは加速されていったわけです」

基地は、経済発展を邪魔する存在だ。そう感じ始めた沖縄の人々に、衝撃を与えた事件がある。その事件以降、自民、民主の両政権をまたいだ日本政府の迷走がはじまり、沖縄の自民党は分裂する。

以下、その流れを見ていく。

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最終更新:7月8日(金)5時0分

BuzzFeed Japan