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「イスラム国」樹立から2年、その現状は?

The Telegraph 7/8(金) 8:32配信

【記者:Josie Ensor】
 イスラム過激派組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」のアブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)最高指導者がカリフ制国家「イスラム国(IS)」の樹立を宣言してから、6月29日で丸2年が経過した。

 シリアの内戦と、その隣国イラクの情勢不安や宗派間対立に乗じて、ISは2014年夏、両国にまたがる広大な地域を支配下に置いた。

 以後2年間、ISはテロという残虐なブランドを世界中に輸出してきた。ISの名の下に、中東や欧米で何十件もの攻撃が遂行された。

 これに対し米主導の有志国連合は、イラクとリビア政府の支援を受けて反撃を開始。ここ数か月はイラクのラマディ(Ramadi)やヒット(Hit)、ファルージャ(Fallujah)、そしてリビアの沿岸都市シルト(Sirte)にあるISの拠点に対する攻勢を強め、うち多くの作戦で成功を収めてきた。

 しかし米英の高官は、勝利には程遠いと警告する。ISは情勢に適応して変化をいとわず、支配地域よりもテロ攻撃に焦点を置く戦略へと方針転換を図ってきている。

<領土>
 ISは2014年後半から昨年にかけて優勢を誇っていた時期に、イラクとシリアの3分の1もの領土を制圧していた。現況はどうなっているのだろうか?

イラク:
 有志国連合は、空爆に加えイラク軍や北部クルド人治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)による地上作戦で、ISはかつての支配地域の45%以上を失ったとしている。

シリア:
 シリアはもっとずっと複雑だ。多くの勢力がISの壊滅に尽力していると主張しているが、現地の実情は異なる。

 バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権は今年に入り、古代都市パルミラ(Palmyra)や戦略上重要なティシュリーン・ダム(Tishreen Dam)、かつての要衝アルシャダディ(Al-Shadadi)を奪還したが、ISから領土を取り戻すその他の作戦については及び腰の様子だった。

<収入>
 ISの収入は、税源となる領土と住民に対する支配力の縮小に伴い、この1年で30%近く減少した。かつては世界で最も潤沢な資金を持つテロ組織とも呼ばれていたが、昨年3月の月収がおよそ5600万ポンド(約72億円)だったのに対し、先月には4000万ポンド(約52億円)まで減った。

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最終更新:7/8(金) 8:32

The Telegraph