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経産省の7~9月期鉄鋼需要見通し、粗鋼で2636万トンと底入れ鮮明

鉄鋼新聞 7月8日(金)6時0分配信

 経済産業省は7日、7~9月期の鋼材需要見通しを発表した。需要量相当の粗鋼生産量は2636万トンで、前期(4~6月)見込みに比べ0・9%増加する。前年同期比では0・6%増。微増ながら2期連続で前年同期実績を上回る見通しで。底入れの兆しがより鮮明となる格好だ。ただ為替の円高傾向など不安材料が台頭しており、経産省は「海外市場や国内の在庫動向を見極めるなど慎重な対応が必要」(山下隆也金属課長)としている。

 需要見通しを織り込んだ今年度上半期(4~9月)の粗鋼生産量は前年同期比0・8%増の5248万トンとなる計算。
 日本鉄鋼連盟は今年度の粗鋼生産見通しを2015年度(1億400万トン強)並みとしており、上半期まではこの見通しに沿った動きとなる公算が大きい。
 国内需要に関しては東京五輪関連需要が見込めるとはいえ、消費増税延期による影響が見通せないほか、英国のEU離脱問題をきっかけとした円高傾向など、ここにきて不安材料が出始めているだけに、下期以降の動向には注意が必要だ。
 7~9月期の見通しによると、鋼材需要量は2404万トン(前期比4・2%増)。このうち普通鋼鋼材は1926万トン(同4・4%増)で、内需1261万トン(同6・5%増)、輸出665万トン(同0・8%増)の内訳。
 普通鋼の国内向け需要が堅調に推移するのは、中間期末という季節要因により建設関連需要をはじめ、自動車や産業機械など製造業向け需要の増加が見込まれるため。
 鋼材需要への影響が大きい自動車では、季節要因に加え、熊本地震による生産停滞を挽回しようとする動きが自動車メーカー各社に広がることも押し上げ要因になるとみられる。
 輸出向けはほぼ前期並みの見通しだが、急激な円高傾向に加え、中国の景気減速、鋼材貿易をめぐる摩擦激化など不安材料は残る。山下金属課長は同日の会見で、「鉄鋼業界にとっては、特に円高が不安材料になる」と話した。

最終更新:7月8日(金)6時0分

鉄鋼新聞