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米国での 銃購入、TVショッピングやフェイスブックで簡単に

ニュースソクラ 7/8(金) 14:10配信

乱射事件が起きた背景に、巷にあふれる凶器

 米国史上最悪の49人がなくなった銃乱射事件。今月に入ってからも警官による黒人殺害が相次いでいる。人種差別の問題とともに、米国で銃器が簡単に手に入ることがひとつの理由になっている。

 実は、今年初めから銃の購入がより簡単になっていた。24時間の銃器専門ショッピングチャンネル「ガン・テレビ」がスタートしたからだ。ガン・テレビを始めた保守系キリスト教団体「ソーシャル・レスポンシビリティ・ネットワーク(SRN)」は「銃器販売取引に関する教育、情報、安全こそが求められ、ガン・テレビがそのニーズに応える」と主張する。

 番組では、希望の商品を電話かインターネットで注文する方式で、注文された商品は最寄の販売店に届けられ、そのお店で改めて身分照会を行い販売する。

 米国での銃の販売は対面式が基本となっている。犯罪歴のある人間や、未成年者へ銃が渡ることを防ぐためだ。一般的な銃販売店のほかに、全米で年5000回程度開催される銃器の見本市「ガン・ショー」などでも銃は販売される。

 一般の銃販売店と同じようにガン・ショーに参加する販売業者(ディーラー)は客に銃を売る際、所定用紙に必要事項を記入する必要がある。客が書類を記入した後、ディーラーはFBI(米連邦捜査局)に連絡し身分照会を行い、問題がなければ銃が販売される。しかし、「ガン・ショー」のような青空市場では手続きがいいかげんな販売者も少なくないという。

 それに加え、SNSの普及も銃を手に取る機会を増やしている。

 今年1月、フェイスブックは利用規約で個人間の銃器の売買を禁止した。それにもかかわらず、フェイスブック上には銃の売買を行うための非公開グループが存在し、銃器のやり取りが行われている。

 米雑誌「フォーブス」のマット・ドランジ記者は、これらの非公開グループに潜入し、取材を行った。「いくら?」「525ドルでお願いします」。潜入したあるグループでは、メンバーから銃の写真が投稿され、こういったやりとりがすぐ行われたという。これらの料金決済は、事前にvisaカードなどのデビットカードの情報を登録しておくことで、メッセンジャー上で簡単に済まされてしまう。

 フェイスブックも問題のある投稿に関しては、削除するなどの措置を行っている。ただ、こういった非公開グループに参加するためには、管理者の承認が必要で全てのグループの動向を管理するのは難しい。またこういったケースでの取引で、身分照会が適切になされているかは不明だ。

 その他ネットでの銃の売買は、頻繁に行われている。今回の事件に使用された半自動ライフル「AR-15」。元のモデルである「M16」はベトナム戦争以降、米軍でも使用されている銃だ。一度に30発装填可能で、殺傷能力も高い。米国内でどこでも手に入る銃として知られ、相場は1000ドル(約12万円)しないという。試しに米国の銃販売サイトをのぞいてみたところ、500ドル(約6万円)程度で販売されているものもあった。2012年に米コネチカット州の小学校で26人の児童が殺害された事件も、この銃が使用されていた。

 銃の購入者は増加傾向にあり、昨年11月にはFBIへの銃注文者の身分照会は、約2000万人に上った。前年比6%増、過去最高を記録した。

 銃を持ち込むことに関する意識も日本とは大きく異なる。1966年に元海兵隊の男が銃を使って14人を殺害、30人を負傷させた事件のあった米テキサス大学オースティン校。今年2月、この大学で学生に教室内での銃の持ち込みを認める許可が下された。昨年8月、テキサス州議会で、公立大学の構内での銃携帯禁止を違法とした法案が成立したことを受けての判断である。

 米国では飛行機にも、気軽に銃を持ち込もうとする人が多い。今年4月、米運輸保安庁(TSA)は1週間に旅客機の乗客から押収した銃器の数が73丁に及び、過去最多を記録した。航空機に武器を持ち込もうとした場合、罰金は最大1万1000ドル(約122万円)にも上るが、抑止効果は働いているとはいえない。

 事件直後の13日の米国株式市場では、銃器メーカーの株は軒並み前週比10%近く上昇した。銃の規制の厳正化で入手できなくなることを恐れ「駆け込み需要」が増えるからだ。銃を保持しようとする米国人が多いことを象徴する。オバマ大統領は事件の直後から銃の販売規制を訴えたが、規制導入は簡単ではないだろう。

ニュースソクラ編集部

最終更新:7/8(金) 14:10

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