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ヘイトスピーチ規制は正当 川崎で学習会

カナロコ by 神奈川新聞 7月8日(金)6時30分配信

 特定の人種や民族への差別をあおるヘイトスピーチ根絶を目指す市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」の学習会が7日、川崎市労連会館(神奈川県川崎市川崎区)で開かれ、講師を務めた神奈川大の阿部浩己教授は国際人権法の観点からヘイトスピーチ規制の正当性を語り、「公的機関は人権を擁護する側に立ち、国際人権法の要請に応えることが必要」と強調した。

 阿部教授は、ヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえ、川崎市がデモ主催者の公園使用を不許可にしたことや、市民の抗議でデモが中止に追い込まれたことについて「従来の法秩序では考えられなかったことが起きている。ヘイトスピーチは規制すべきものだという規範意識が強まっている」と評価した。

 一方で条例などで規制をしていく際は、国際人権基準に依拠すべきだと指摘。国際人権基準では何人もヘイトスピーチを受けない権利が認められていることや、日本が加入する国際条約は国内法として効力を持ち、その一つである自由権規約ではヘイトスピーチを法律によって禁じるよう義務付けていることなどを挙げ、「条約は公的機関に人権を擁護するよう命じている。人権の領域で中立であってはいけない」と強調した。川崎市の人権施策の指針を示した「人権かわさきイニシアチブ」でも国際人権条約を基本理念にうたっていることにも付言した。

 表現の自由を巡る問題については「ヘイトスピーチ規制は正当な表現の自由の規制とされている。一般的な理解では、デモの表現内容を事前チェックし、規制することは憲法に抵触するとされる。だが、この考え方はヘイトスピーチに関しては認められない。国際人権法の要請に応えるルールづくりが必要だ」とした。

最終更新:7月8日(金)6時30分

カナロコ by 神奈川新聞