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上富田の町民劇団が初の町外公演 8月、災害協定の石川県津幡町へ

紀伊民報 7月8日(金)16時43分配信

 和歌山県上富田町の町民劇団が8月7日、同町と災害時応援協定を結んでいる石川県津幡町で、防災を啓発する創作劇「彦五郎物語」を上演する。劇団結成7年で初の町外公演。演劇をきっかけに両町の交流をさらに深める。

 上富田町と津幡町は2012年10月、災害時の相互応援協定を結んだ。金沢市や津幡町を拠点にしているプロサッカーチームが上富田町でキャンプをしたことがきっかけだった。津幡町の人口は約3万8千人。短期間で両町職員の人事交流をしているほか、昨年には相互に少年サッカーチームを派遣するなど交流を深めている。一方で両町は距離が離れているため、両町民が互いの地域の特色や歴史を知るきっかけが少ないことが課題という。

 上富田町での創作劇公演は、10年から町創作劇実行委員会(山口仁美代表)が毎年3月に上富田文化会館で開催している。町に残る伝説や史実を題材にしており、彦五郎物語は、多くの被害が出た富田川の氾濫を鎮めるため村人の彦五郎が進んで人柱になった伝承に基づく物話。10年から14年まで町内で計4回公演し、防災の歴史を伝えた。

 子どもから高齢者まで約40人の劇団員が6月から稽古を始め、今月からはほぼ毎日、岩田公民館などでしている。彦五郎物語を上演するのは2年ぶり。団員たちは演出やせりふを確認しながら励んでいる。

 主役の彦五郎を演じる同町生馬の農業、山本哲也さん(28)は「町の代表として訪れるので、上富田のことを多くの人に知ってもらえるよう彦五郎になりきって演じたい」と力を込める。

 上富田町は津幡公演のチラシを8千枚発行し、現地で配ってもらっている。公演日は劇団員や町職員ら約50人が訪れる。津幡町でも人柱の伝説があり、町民らは創作劇団の活動に興味を示しているという。会場は町文化会館「シグナス」で、入場は無料。

 上富田町総務政策課課長補佐で防災担当の山根康生さん(41)は「防災を通じた両町の交流が演劇によってさらに強まり、相互の理解や災害時の応援活動の円滑化が進んでほしい」と話している。

最終更新:7月8日(金)16時43分

紀伊民報