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フレデリック史上最大キャパで臨んだ“挑戦のライブ”に密着【ライブレポート】

M-ON!Press(エムオンプレス) 7月9日(土)3時31分配信

【1日密着ライブレポート】
フレデリック『フレデリズムツアー2016~オンリーワンダーランド~』
2016年7月2日@Zepp DiverCity(TOKYO)

密着の様子やライブ時の写真はこちら

昨年末行われた初ワンマンツアーの最終日の会場は恵比寿LIQUIDROOMだった。そこから1年と期間を空けず、倍以上のキャパを埋めるということは彼らにとって“挑戦のライブ”であった。最終日のZepp DiverCity(TOKYO)公演の裏側にM-ON! MUSICが密着。当日の彼らの行動を追ったInstagramをもとに“挑戦のライブ”を振り返る!

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【7月2日正午】

すっかり夏が来たんだなあと思う暑さのなか、Zepp DiverCity(TOKYO)の会場前に到着。
フレデリックが“挑戦”と語るライブ、ファンにとっても今日は特別な一日なようで、すでにライブを待ち望んだファンが物販待機列に集まっていた。

そうこうしていると、ちょうどメンバーを乗せた車が到着。「おはようございまーす!」とスタッフたちに挨拶をしながら会場入り。

楽屋に荷物を置くなり、それぞれステージの様子を見に行く。今回、演出にもかなり力を入れていて、スクリーンを使って映像とリンクさせたり、レーザー光線などの仕掛けをチェック。

そのあとはバックダンサーによるリハーサルに入るため、メンバーはいったん楽屋に戻り、スタッフと演出や演奏をあらたに組み直したり、確認作業に念を入れていた。

三原健司(vo、g)がケータリングスペースに来て、「<オンリーワンダー>の解説動画観ましたよ!」と感想を話してくれる。
※まだ観ていない方は、夏フェスなどに向けて予習してね!

さっそく、直接本人の想いを言葉で届けるべく、一人ひとりの動画メッセージを撮影することに。まずは健司から。

健司の双子の弟・三原康司(b、cho)はというと、いつもの笑顔を封印し完全に本番モード。真剣にスタッフと打ち合わせを続けている。フレデリックすべての楽曲で作詞・作曲を担当し、グッズを中心としたデザイン部門も担当しているからこその責任もあるのだろう。

合間に話を聞くと、「最高のショーにしますよ!」と意気込んでいた。

続いて赤頭隆児(g)。すでにお弁当を食べ終えた彼を捕まえ、コメント録りラストだと伝えると「何か面白いのないかな~」と獲物探しを始める。会場にあった、筋トレ器具をお借りし、このような動画に……彼は自由人です(笑)。

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【7月2日14:30】

いよいよメンバーリハーサルがスタート。康司はひと足早くステージに向かい、サポートドラムの高橋 武とリズム隊同士の感触をたしかめていく。

先程までスタッフと談笑していた隆児も、アンプの前にしゃがみ込んで演奏し、一音一音をたしかめている。健司もお立ち台の上から客席が埋まったことを想定して遠くまで見渡している。

煙も交えた演出まで一気に7曲を通しでプレイ。ここまでで手ごたえを感じたのか康司がいつもの笑顔に戻っていた。「この煙が消えたら俺らいなくて、楽器だけが残ってたら面白いよね」と冗談を言うほどリラックスしている。

終盤の「オンリーワンダー」では、女子高生ダンサーたちが制服・キャップ・メガホンをまとい登場し、MVさながらのダンスを披露する。ダンスの先生が「準備大丈夫ー?」と聞くとダンサーに交じって、メンバーも「ハーイ!」と爽やかに答えていた(笑)。

舞台袖でリハを見ていたのだが、サビに入るとなんとスタッフも踊り出すので思わず笑ってしまった。本番前、すでにチーム全体が良いテンションに仕上がってきているのがわかる。登場や個々気になる部分を確認し、16:30にリハが終了。

先行物販が行われていた物販コーナーへ向かうと、たくさんのお客さんが思い思いのグッズに身を固めていた。すでにソールドの商品が出ていたりして、本当に可愛くて康司のデザインセンスに脱帽! 編集担当もちゃっかり購入(笑)。

さてスタッフ楽屋に戻ると、隆児が映像スタッフにカメラを借り、メンバーインタビューをしたりして場を和ませている。

そのうちに健司と康司の発声が聴こえてきて、彼ら双子のコーラスが合わさると鳥肌ものなんだよなあと耳を澄ませてしまう。

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【7月2日17:50】

開演目前。メンバーがスタッフ全員に挨拶をし、ダンサー楽屋へ向かう。するとグッズのTシャツをまとった16人のダンサーたちが迎える。これにはメンバーも「やばいね!」と感謝を伝えながら、円陣を組んで気合い入れ。

健司からの言葉が響く。「一人ひとりの“オンリーワン”を僕にください! 今日はよろしくお願いします!」とフレデリックお馴染の掛け声「アー! ヤー!」で手のひらを掲げ、拍手が起こる。

楽屋に戻る途中、「全会場で言っているんですけど。やっぱり、みんなの力がないと成り立たんと思うんですよね。みんなが大切なんです」と話してくれたのが、彼らの本質だと実感した。

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【7月2日18:00過ぎ】

影ナレはいつも通り、康司が担当。実は録音じゃなく、その日ごとに生で話しているのだ。煽りもバッチリで、いよいよ開演間近。

メンバー同士での気合い入れでは、健司が「一人ひとりに届ける気持ちで。7年間フレデリックやってきて間違ってなかったんやと思ってる。オンリーワンのライブにしよう!」という言葉で彼らの“挑戦”がいよいよスタートした。拍手で送り出されるメンバー。「いってきます!」と笑顔で舞台袖へ向かった姿を見届け、客席へ向かう。

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【7月2日ライブ本番】

「始めようか!」というひと声で1曲目を飾るのは「オワラセナイト」。最初からどこまでも伸びやかな歌声を聴いて、この日にかけた気合いと自信が伝わってくる。

康司は重低音で曲の土台をしっかりと支えたと思えば、唸るようにうごめき、メインを引っ張っていくような力強さを見せつける。キャッチーさや軽やかさを生み出す、隆児の細やかでトリッキーなギタープレイにもニヤッとさせられる。そして、健司はときにコブシを効かせたり、高音域では儚さや切なさを感じさせる歌声でエモーショナルな空間を作り上げていく。

昔話風のナレーションが流れ、康司の手がけたイラストがアニメーションとして動き出す「人魚のはなし」。続いて「みつめるみつあみ」では三つ編みの女の子が登場し、歌詞をなぞらえてゆっくりと髪を解いた。もうひとりの女の子が出てくると、突如舞台が見えなくなる程の大量のスモークが噴射された「うわさのケムリの女の子」。ダンサーとメンバーのシルエットが浮かび上がり、幻想的な世界に入り込んでしまったよう。

“踊れるだけじゃない”ということをワンマンならではのセットリストと作り込んだ芸術的な演出で証明する。

康司のお決まりの口上から始まったのは「プロレスごっこのフラフープ」。キャッチーなタイトルとは裏腹に凶悪さを感じる楽曲。スラップベースがごりごりと響き、音の渦に引きずり込まれていく感覚を覚える。「音楽好きな人手挙げてもらっていいですか!」の声に挙がった大量の手のひらが、天井に着かんばかりの大ジャンプ。

「オドループ」では、ダンサーが高台に上りMV同様のダンスを披露。“カスタネットがタンタン”のところで、会場全方位から一糸乱れぬ手拍子を浴びた健司はニヤッと笑い「やばい」と言葉を漏らす。

「7年間フレデリックやってきて、Zeppなんて絶対埋まらんって言われてた。でも俺たちを変えてくれたのは間違いなくあなただから。俺たちにとってあなたはたったひとつのオンリーワンなんです!」

彼らの新しい代表曲「オンリーワンダー」が最後に放たれる。制服姿にキャップをかぶり、メガホンを持った女子応援団も登場し力強く踊りまくる。会場中で人差し指が掲げられた光景はこれからの行く先を指さしているような素晴らしい景色だった。

もっと遊びたいといった熱烈なアンコール。ここでやっとMCの時間だ。「楽しかった?」と呼びかける健司は優しい声に変わっている。終わるのが惜しいというようにゆっくりとメンバー紹介を交えながらトークしていく。

「(お客さん)みんなめっちゃ笑ってるやん!」と話す康司のほうこそ満面の笑みを浮かべ「俺らが思いっきり伝えたらあんたらが答えでした。俺らやってて良かったわ」と心の内を吐露すれば、隆児は「みんな俺らのこと、たぶん好きやろ?(笑) 後ろのほうからも<好きやで~>って聞こえそうなくらい盛り上がってて。すごいうれしかった」と素直な言葉で伝えてくれた。

健司は「(自分の声が)変な声ってすごい言われるよ。でも俺にはこの声しかないし、俺には音楽しかないと思ってる。俺はずっと自分自身を、フレデリックを、ここにいる一人ひとりを、この声で肯定し続けたいと思ってる。次、大きいステージ、新木場(COAST)でもやるよ! 俺は、この声で武道館に立ってやろうと思ってる」とバンドと自分自身が大きくなっていくことを約束。

一番の歌詞までを弾き語りで歌いきった「ハローグッバイ」には、正直胸が熱くなった。この声と楽曲とファンがいてこそのフレデリックなんだと、この日の完璧なパフォーマンスを通してすべて肯定されたと自信を持って言える。

ライブ終了後、エンドロールの最後に書かれた言葉「ALL FAMILY AND FRIEND AND YOU!!」が、彼らの根底にあるものだと私は思っている。リハ中やMV密着をしていておもった感じたことだが、スタッフと真摯に向き合い、いつでも聴いてくれるファンのことを考える──誰かのことを想う心が、みんなに届いたからこそ成功したツアーだった。想いをしっかり形にして魅せてくれたフレデリックは、これからも一人ひとりのために進化を続けるはずだと確信したオンリーワンな夜だった。

終演後、隆児は「テンション上がりすぎて弦切っちゃったので、またリベンジします!」と話したが、それだけ突き抜けたライブだったと思うし、3人が何より楽しそうに演奏していたのが印象的だった。

リベンジと言ったからには、次は大きなステージで会いましょうと約束してくれた。この3人ならどこまでも行けそうだ。

TEXT BY 佐藤愛美
PHOTOGRAPHY BY 鈴木公平

【ライブ情報】
全国11箇所ワンマンツアー決定!
11/12(土)宮城・仙台CLUB JUNK BOX
11/19(土)香川・高松MONSTER
11/20(日)岡山・IMAGE
12/03(土)新潟・GOLDEN PIGS RED STAGE
12/04(日)石川・金沢vanvan V4
12/11(日)北海道・札幌Sound lab mole
12/17(土)福岡・BEAT STATION
12/18(日)広島・SECOND CRUTCH
01/08(日)大阪・なんばHatch
01/09(月・祝)愛知・名古屋DIAMOND HALL
01/22(日)東京・新木場STUDIO COAST

【リリース情報】
2016.06.15 ON SALE
SINGLE「オンリーワンダー」
A-Sketch

最終更新:7月9日(土)3時31分

M-ON!Press(エムオンプレス)