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【日本株投資戦略】円高でも下がりにくく、好業績・株価上昇の期待が大きい銘柄はコレ!?

ZUU online 7/9(土) 15:20配信

6月の東京株式市場は「Brexit(英国のEU離脱)」やそれに伴う円高にかき回された1ヵ月でした。「離脱派」の勝利に驚かされた6/24(金)に前日比1,286円安という大幅安となったことも響き、日経平均株価の下落率は月間で9.6%に達しました。

7月相場の中盤・後半ではどのような銘柄を狙うべきでしょうか。7月といえば、下旬から3月決算企業の第1四半期(2016/4~6期)決算が発表されます。円高の影響がこれまでの四半期以上に反映されやすく、業績は企業ごとに明暗がはっきりと別れる可能性が大きそうです。逆に好業績銘柄には希少価値があり、予想外に好業績となった銘柄は買われやすそうです。

「日本株投資戦略」では円高に強く、第1四半期決算発表前後のこの時期だからこそ、むしろ好パフォーマンスを期待できるような銘柄の抽出を試みてみました。

■円高でも下がりにくく、好業績・株価上昇の期待が大きい銘柄はコレ!?

それではさっそく、7月中盤・後半での株価上昇が期待される好業績銘柄の抽出を試みたいと思います。スクリーニング条件は以下の通りとなります。

(1)時価総額1千億円以上の上場銘柄
(2)3月決算銘柄であること
(3)今期(2017/3期)の予想営業利益について、市場コンセンサスが会社予想を上回っていること
(4)来期(2018/3期)の予想営業利益について、市場コンセンサスが10%以上の増益予想になっていること
(5)2社以上のアナリストが業績予想を公表していること
(6)過去4週間で予想EPSが上昇していること
(7)株価と為替(対円相場)の相関係数(過去5年・週足)が一定以下・・・ユーロ0.19、ポンド0.25、ドル0.28

上記の全条件を満たす銘柄を(3)の数字が大きい順に並べたのが表1です。日本株投資戦略ではこれらの銘柄が「円高でも下がりにくく、好業績・株価上昇の期待が大きい銘柄」として有力であると考えています。

なお株式相場が完全に落ち着きを取り戻したと言い切れないため、荒れた相場になることも想定し、スクリーニングでは、一定の流動性を有している主力銘柄を母集団としてみました。また、分析をある程度単純にするため、3月決算銘柄に絞っています。

円高が長期化しつつあることもあり、減益予想でも株価に織り込み済みとなっていることもあるので、2017/3期の予想営業利益について増減益は問いませんでした。ただ、市場コンセンサスが会社予想を上回り、予想EPSの市場コンセンサスが上昇している銘柄に絞ることで、会社側が業績下方修正するような銘柄に当たってしまうリスクは軽減でき、場合によっては業績上方修正も期待できるとみられます。

また、2018/3期については、業績予想の多くが為替相場を横ばいで組んでいると想定されるので、増益予想か減益予想かをチェックすることで、アナリストが会社の成長性をどうみているのか、ヒントを得られると考えられます。

なお、外為相場については当面、円高圧力が残るという前提のもと、相関係数がなるべく低い(円高・外貨安の時に相対的に株価が下がりにくい)銘柄を選んでいます。

上記(1)および(2)の条件を満たす上場銘柄について、株価と為替相場(対円)の平均相関係数を列挙するとユーロは0.24、ポンドは0.32、ドルは0.35となります。スクリーニング条件としてはこれらの0.8倍以下になるような数字を用いました。

表1:円高でも下がりにくく、好業績・株価上昇の期待が大きい銘柄はコレ!?

カドカワ <9468>
コナミホールディングス <9766>
スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684>
タカラバイオ <4974>
日本水産 <1332>
江崎グリコ <2206>
大日本住友製薬 <4506>

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。データの基準日は2016/7/7(木)。「今期営業益上振れ期待」は、今期予想営業利益について、市場コンセンサスが何%、会社予想を上回っているのかを示している。来期予想営業増益率は市場コンセンサスベース。為替の相関係数については、ポンドだけを表に用いた。なお、上場期間が5年未満の銘柄については、その上場以降の相関係数となっている。

■円高は続くのか?

外為市場では円が他のおおむねすべての通貨に対して上昇しています。Brexitにより世界経済への不透明感が強まったため、「リスク回避の円買い」が増えていることや、一部投機的な動きが原因と考えられています。

円高の主因が仮に投機的なものであれば、日銀による円売り・ドル(ユーロ、ポンド)買い介入も一定の成果を期待できそうです。しかし、図1・図2にもあるように、Brexit等の不透明要因が、債券への資金逃避を招き、それが独日、英日の金利差縮小につながり、円高・ユーロ安や円高・ポンド安につながっているという面があります。

独日・英日の金利水準を決めてきたのは、各国・地域の中央銀行であり、景況感です。英国ではBrexit決定以降、銀行の海外移転(英国)が懸念され、イタリアでは銀行の不良債権問題がクローズアップされつつあります。米国でも一時に比べ利上げ観測が後退しているように思われます。これらから、欧米から日本の金利を引いた「金利差」が拡大する可能性は当面は小さく、外為市場での円高圧力は続きそうです。

ただ、ドル・円ベースで1ドル100円という大きな節目に到達しており、日銀による追加的な金融緩和によって円高・ドル安が一巡する可能性もありそうです。

なお、四半期別の期中平均為替ドル・円レートは2015/4~6月が121円43銭、7~9月が122円31銭、10~12月が121円46銭と推移し、2016年は1~3月が115円35銭、4~6月が108円04銭となっています。前年同期比での増減は、1~3月期が3.2%の円高・ドル安、4~6月が11.0%の円高・ドル安です。同様に、ユーロは4~6月期に対円で9.2%も下げています。

企業業績への影響という意味では、2016/4~6月期以降、本格的に円高・外貨安が多くの輸出企業の減益要因になってきますので注意が必要です。

※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成

■ユーロ安(ポンド安)で上がりやすい銘柄は?

今後、仮にユーロ安(ポンド安)・円高が続いた場合、どのような銘柄が売られやすいでしょうか。表2はユーロ安・円高となった時の下がりやすさの程度(相関係数)を示しています。

輸送用機器や機械が上位を占めています。ただ、スクリーニングの前提として除いている金融を含めると、銀行や証券が軒並み上位に来ます。なお、こうした傾向はポンド・円でもあまり大きくは変わらないようです。

逆に、ユーロ安・円高でも下がりにくい銘柄は表3の上位銘柄となっています。業種的には食料品や医薬品が多くなっているのが特徴です。ちなみに、日本はEU(欧州連合)から8千億円の輸入超、医薬品は1兆7,000億円の輸入超となっています。このため、これらの交易面ではユーロ安・円高の方がメリットが大きそうです。

表2:ユーロ・円相場に対する相関係数の高い企業(過去5年・除く金融)

デンソー <6902>
アイシン精機 <7259>
マツダ <7261>
川崎重工業 <7012>
ブラザー工業 <6448>
ジェイ エフ イー ホールディングス <5411>
トヨタ自動車 <7203>
日本精工 <6471>
三菱地所 <8802>
住友不動産 <8830>

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。時価総額1千億円以上の企業について、2016/7/7まで5年間のデータを用いて作成。金融を除くベースで作成したが、メガバンク、大手証券等も総じてユーロとの相関係数は大きい。

表3:ユーロ・円相場に対する相関係数の低い企業(過去5年・除く金融)

理研ビタミン <4526>
科研製薬 <4521>
ヨネックス <7906>
カルビー <2229>
エムスリー <2413>
ティーガイア <3738>
味の素 <2802>
日本航空 <9201>
寿スピリッツ <2222>
森永製菓 <2201>

※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。時価総額1千億円以上の企業について、2016/7/7まで5年間のデータを用いて作成。金融を除くベースで作成した。

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

鈴木英之
SBI証券 投資調査部

最終更新:7/9(土) 15:20

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カドカワ9468
1506円、前日比-21円 - 12/2(金) 15:00

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コナミホールディングス9766
3845円、前日比-10円 - 12/2(金) 15:00