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生粋のVAIOファンによる「VAIO Zデスクトップ化」計画

ITmedia PC USER 7月9日(土)7時25分配信

 13型クラスのモバイルノートPCでは性能、機能、携帯性のバランスが非常に高いレベルで取れている「VAIO Z」。いつでもどこでも持ち運んで使っていますが、とても快適で「ここまで高いパフォーマンスのWindowsノートPCであれば、デスクトップPC代わりにメインマシンとして使えないか?」ということを考えたくなります。

【画像】VAIO Zで実現する“トリプル”ディスプレイ作業環境

 というわけで、周辺機器をいろいろと集めて、VAIO Zの本格的なデスクトップ化計画を発動しました。

 PCの主流がデスクトップからノートに移行して久しく、昨今はタブレットとノートを兼ねた2in1といった新スタイルの製品も増えつつありますが、デスクトップならではのパワフルな作業環境が手放せないユーザーは多いことでしょう。特に大画面のディスプレイを複数枚用意してマルチディスプレイで使うことの便利さは、一度味わったらなかなか元に戻れないほどです。

 もちろん最近のノートPCには映像出力端子があるので、マルチディスプレイ環境を手軽に構築できます。VAIO ZについてもHDMI出力があるので、外部ディスプレイとの接続はケーブル1本で映像と音声を伝送することが可能です。

 しかし、VAIO Zはレガシーポートを意図的に省いた設計なので、アナログRGB(D-Sub)出力や有線LAN端子がありません。USBポートも2つだけなので、このままだと接続できる機器が限られます。そこでUSBハブなどをつないで増設していくわけですが、たこ足配線みたいでかなりカオスな状況になってしまいます。

●USBドッキングステーション「USB-CVDK1」

 そこで、周辺機器の接続を集約して配線のゴチャゴチャを解消できるツールとして、サンワサプライのUSB 3.0ドッキングステーション「USB-CVDK1」を用意しました。

 VAIO ZとUSB-CVDK1をUSBケーブル1本で接続しておけば、液晶ディスプレイはもちろん、有線LANからマウスやキーボード、外付けHDDといった周辺機器をドッサリとつなぐことができます。しかも、自宅ではデスクトップ環境で使っていたとして、いざ持ち出したいときには、USBケーブル1本だけで着脱できるという手軽さがあります。

 ただし、USB 3.0の転送速度は5Gbpsなので、映像、音声、有線LAN、そして複数のUSBポートの信号まで1本のUSBケーブルにまとめてドッキングステーションと通信するのは少々荷が重いことも事実です。

 普通に使うぶんには問題ないのですが、例えばUSB-CVDK1にディスプレイを外付けすると、HDCP非対応で著作権保護された市販のBlu-ray Disc再生などができなかったり、ミラーリング(複製)表示で動画再生ができなかったり、DirectXやOpenGLなどのAPIに対応していなかったり、といった制限も出てきます。

 配線は少し手間がかかりますが、外付けディスプレイはVAIO Z本体のHDMIでつないだほうが、パフォーマンスが出ますし、こうした制限もないので安心です。

 なお、最近は新世代のインタフェースであるUSB 3.1 Type-C/Thunderbolt 3も登場していて、Thunderbolt 3ならば最大40Gbpsと非常に高速な転送速度を実現(USB 3.1 Gen 2は最大10Gbps)できます。実際、Thunderbolt 3接続の高速なドッキングステーションもチラホラ出始めているので、こうした点はVAIO Zの次世代モデルに期待したいです。

●カラーマネジメント液晶ディスプレイ「ColorEdge CS2420」

 VAIO Z内蔵の液晶ディスプレイは、sRGBカバー率100%で面積比115%という広色域を誇り、とても色鮮やかです。といっても、それはノートPCの中では広色域ということ。フォトレタッチや映像制作、プリントをきちんとプロ並のクオリティーでこなそうと思ったら、カラーマネジメントに対応した外付けディスプレイが欲しくなります。

 ということで、ディズプレイにはEIZOの24.1型WUXGA(1920×1200ピクセル)カラーマネジメント液晶ディスプレイ「ColorEdge CS2420」を用意しました。単に大画面の外付けディスプレイをつなげて作業効率アップを狙うだけでなく、色再現性という付加価値も追求した選択です。

 このColorEdge CS2420は、sRGBカバー率100%に加えて、それよりずっと広色域の規格であるAdobeRGBも99%カバーしているので、一般的な外付けディスプレイ製品に比べて色再現性に優れています。しかも表面に映り込みのないノングレアタイプのIPS液晶パネルなので、目の負担も抑えられ、じっくり編集作業を行うにはもってこいです。

 また、Photoshopのようにメジャーなフォトレタッチソフトとインクジェットプリンタ(キヤノンやエプソンの主力機種)があれば、専用ソフトウェア「Quick Color Match」を使って、画面上とプリントした写真の色合わせ(カラーマッチング)が簡単にできます。画面で見た色と、プリントした紙の色が懸け離れていて、何度も編集し直したり設定し直したりで時間も手間もコストもかかる、というのは写真プリントにありがちな落とし穴ですが、そうしたトラブルを防げるのです。

 さらに、専用のキャリブレーションセンサー「EX3」を用意すれば、フォトグラファー御用達の専用ソフトウェア「ColorNavigator 6」と合わせて、より高精度なキャリブレーションがハードウェアレベルでしっかりと行えます。正確な色でプリントしたいといったプロレベルの要求にも応えられるわけです。

 VAIO Zのように内蔵ディスプレイが高品質なノートPCは増えつつありますが、写真や動画を本気で扱いたいならば、外付けディスプレイの色再現性にもこだわった方がいいかもしれません。

●ゲーミングキーボード「G910」&マウス「G900」

 次はキーボードとマウスです。

 VAIO Z内蔵のキーボードは浅いストロークながら、確かな押し心地があり、キートップのぐらつきのなさ、静音性の高さも素晴しいのですが、デスクトップとして使う場合にキーボードを画面から離して自由にレイアウトできない制限があります。また、内蔵のタッチパッドは左右ボタン一体型なので、(これもクリックパッドではよいデキですが)専用マウスの方が操作性は当然勝ります。

 やはり最高のデスクトップ環境を目指すには、サイズ的に余裕があるキーボードとマウスを組み合わせたいです。キーボードとマウスは、直接手に触れてPCを動かす道具ということで、人によって好みが分かれますが、今回はロジクールのメカニカルゲーミングキーボード「G910」とワイヤレスゲーミングマウス「G900」を選びました。

 現行のVAIO Zは外部GPUを搭載したゲーミングPCではないですし、EIZOのカラーマネジメントディスプレイもつないでいるので、「そこにゲーミングキーボードやゲーミングマウスをつなぐの?」というツッコミも聞こえてきそうですが、あえてここは機能だけではなく、見た目も重視してみました。

 当然ながら、VAIO Z内蔵のキーボードよりもキーストロークが稼げて、思い切り高速にタイピングできます。軽いキータッチでもサクサク入力できるキーボードながら、つい気合が入ってガシガシと手荒にたたいてもビクともしません。

 個人的に最も愛用しているマウスはロジクールのフラッグシップモデル「MX Master」なのですが、同じメーカーのゲーミングモデルであるG900も気に入りました。見た目に反してとても軽く、取り回しがしやすく、バッテリーの持ちもよく、ワイヤレス接続でも遅延が少なく、かなり快適です。

 万が一、バッテリーがなくなってしまった場合に専用のUSBケーブルを接続すると、ただ充電するだけではなく、ちゃんと有線マウスとして認識されます。しかもケーブルが柔らかくしなやかなので、有線マウスとしても自然に使えるのがポイントです。

 さらにキーボードとマウス、どちらにもイルミネーションが光り輝くギミックがあり、しかもカラーが自在に変えられるだけでなく、キーボードとマウスそれぞれを同期させて同じ色で光らせることもできます。

 見た目は関係なさそうですが、こうしたスタイリッシュさもあると、デスクトップの前で使うことのテンションも上がります。

●というわけで、実際に全て接続して使ってみました

 さて、実際に全て接続して使ってみると、やはりディスプレイが大きいことに加えて、キーボードやマウスが独立して扱えるので、当然のごとく劇的に効率が上がります。

 このようなデュアルディスプレイ環境では、ノートPC内蔵のキーボードがつい邪魔に思えてしまいますが、VAIO Zのフリップモデルであれば、ディスプレイをくるりと回転させて置くことで、内蔵キーボードが後ろに引っ込み、メインの外付けディスプレイとサブの内蔵ディスプレイというレイアウトがスッキリとします。

 PC本体に相当する部分がサブディスプレイとしてのたたずまいで設置できて、しかも周辺機器の接続はドッキングステーションに集約できるので、かなり理想的なデュアルディスプレイのデスクトップ作業環境が出来上がりました。

 さらに、VAIO Zをタブレットモードにして、デジタイザスタイラス(ペン)を使った操作をしつつ、外付けディスプレイにミラーリング表示するスタイルも便利です。手元でペンによる細かい操作をしながら、大画面で俯瞰(ふかん)してチェックをしたり、プリントする写真のカラーを最終調整したり、といった非常に効率のよい使い方ができます。

 VAIO Zはタブレットモードにすると、キーボードが背面に隠れてしまうため、ショートカットキーの操作が自由にできなくなりますが、その横には外付けのキーボードがあることで、片手でペンを操作しながら、もう一方の手でキーを操作、という使い方もできて、まさに願ったりかなったりです。

 ちなみに、4Kディスプレイとの接続はどうかというと、ドッキングステーションのUSB-CVDK1は出力解像度「2048×1152ピクセル(60Hz)」が最大となるようです。

 もし、4K(3840×2160ピクセル)で表示したい場合は、VAIO Z本体にあるHDMI出力からであれば可能ですが、フレームレートが30Hzまでなので、本気の4K制作環境としては向いていません。

 それ以前に、筆者もだんだん年をとってきたこともあり、4Kを100%等倍表示すると、かなり表示が細かくて見づらいので、そこまで高精細でなくても問題ありません。

●ぜいたくなトリプルディスプレイ環境も

 このように、VAIO Zのデスクトップ化はかなりうまくいって快適な環境が整いました。でも、どうせなら、もっと高みを目指したいところ。

 ドッキングステーションのUSB-CVDK1にはDVI-DとHDMIの2つの映像出力があるので、ここに2つディスプレイをつないでみました。VAIO Z内蔵の画面も合わせると、ぜいたくなトリプルディスプレイ環境の完成です。

 さすがに3画面を横に並べると左右に長すぎて見づらいのですが、このときもタブレットモードが活躍します。第3の入力デバイスとしてタッチ&ペン対応のサブディスプレイという役割で、左右2画面(外付けディスプレイ×2)、手元に1画面(VAIO Z内蔵ディスプレイ)という配置にしてみました。

 さらに応用で、左画面を独立した画面(拡張デスクトップ)に、右画面とVAIO Zを同一の画面(ミラーリング)にしてみると、個人的に究極と言えるほど使い勝手のいいクリエイティブなデスクトップ環境が出来上がります。

●オマケ モバイルディスプレイ「On-Lap 1101H/P」

 さて、あまりにも快適なデスクトップ環境を作ってしまうと、モバイル環境で物足りなくなってきます。外出先などでVAIO Zを単独で使うときに、マルチディスプレイが恋しくなってしまうのです。

 うーん困りました。

 でも、そんなときはモバイルディスプレイの出番です。GeChicの11.6型フルHDディスプレイ「On-Lap 1101H/P」のような製品を一緒に持っていけば、もう出張先でもデュアルディスプレイにして仕事効率をアップさせることができます。

 そんなわけで、今回はVAIO Zをメインにさらなる作業効率アップのデスクトップ環境構築にチャレンジしてみました。まだまだスマホやタブレットには負けない快適さや効率のよさがたっぷりあるWindows PCを再評価できました。今後も、VAIO Zをデスクトップでもモバイルでもフルに活用し続けていくつもりです。

[君国泰将,ITmedia]

最終更新:7月9日(土)7時25分

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