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子供たちのために“室内空気環境を考える”シンポジウム、千葉大と積水ハウスが開催

エコノミックニュース 7月9日(土)18時38分配信

 かつて、省エネルギーやヒートショックを防ぐために進められた住宅の不適切な高断熱高気密化にともない、結露やカビの発生や、建具や家具・カーテンなどから発生するホルムアルデヒドやVOC(Volatile Organic Compounds/揮発性有機化合物)をはじめとした化学物質によるシックハウス症候群の増加が問題となった。そこで、2003年に建築基準法が改正され、“24時間換気システム”を一般住宅に設置することが義務づけられた。

 こうした問題を背景に、2007年に健康配慮型社会を目指して千葉大学が予防医学センターを設立、積水ハウスと協働で住宅内空気環境の研究、ケミレスタウン・プロジェクトを推し進めてきた。同センターではこのプロジェクトの成果として、2011年11月に「ケミレス基準」を発表。A規準とS規準を公開している。

 過日、この両者主催による“室内空気環境シンポジウム「空気環境の改善と健康増進」?子どもたちの未来に私たちができること”と題したセミナーが開催された。

 パネラーとしてWHO(世界保健機関)環境保険部コーディネーターのカルロス・ドーラ(Carlos Dora)氏、千葉大学予防医学センター教授・戸高恵美子氏、熊本大学大学院教授の加藤貴彦氏、積水ハウス執行役員総合住宅研究所長・石井正義氏が登壇。千葉大学予防医学センター所長の森千里氏の進行でパネルディスカッションが行なわれた。

 セミナー中、ドーラ氏の説明では、「世界の人口は、2050年まで都市に流入し続け、都市人口が増大する」という。パネラー諸氏らが幾度も言及したのは都市生活で「ヒトが生活する空間は圧倒的に室内だ」ということ。この空気がさまざまな化学物質で汚染されているとしたら、身体に与えるダメージが大きい。なかでも子供たちは大人の倍以上の負担がかかるという。そのため戸高恵美子氏は「住宅はもちろんだが、学校も空気環境に配慮した仕様」が必要だという。

 冒頭で述べた「高気密・高断熱型住宅」は、室温の均質化で日本人が理想としてきた「やりたいことを気持ちよく出来る住宅」(加藤貴彦氏談)となりつつある。同氏の研究成果によると「高断熱住宅に住まうことで血圧が下がり、動き易く健康的な活動が出来ることで糖尿病患者が減った」という。

 こうした研究成果を実社会に活かすことが需要だとする全員の声から、千葉大学予防医学センター所長の森千里氏は、「2年後とか5年後までに進めるための戦略が必要」とし、「産学協働で室内空気環境を研究したい」とした。ドーラ氏も「今後、科学的な調査の基づいた、具体的な住宅内空気の評価方法・ガイドラインをつくることが必要だろう」と述べている。

 積水ハウスの石井正義氏は、「室内空気環境・規制対象汚染物質を厚生労働省の指針半分以下に抑えた住宅仕様『エアキス』を2011年に発表。現在では戸建てだけでなく、賃貸住宅や当社マンションシリーズにも『エアキス』仕様を拡大採用している」という。このエアキスは建材のチェックを徹底し“化学物質を出さない”を徹底させ、汚染物質を“入れない”換気・空気清浄を実施することで達成している。石井氏が指摘するように「最適な素材を最適に使う」必要がある。(編集担当:吉田恒)

Economic News

最終更新:7月9日(土)18時38分

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