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【参院選】選挙にいかない若者はバカですか?政治学者に聞いてみた

BuzzFeed Japan 7月9日(土)5時0分配信

投票だけでは決められない

選挙にいく人たちは国の未来を考えている、いかない人はバカ。若者はこんなレッテルを貼られ、ウェブには選挙の大切さを語る「お説教」があふれる。果たして、選挙にいかない若者、政治に無関心な若者は、バカなのだろうか?政治学者の吉田徹さん(北海道大教授)は「いやいや、そんなことは言えません」と語る。その理由とは……。【石戸諭、與座ひかる/ BuzzFeed Japan】

投票にいかない若者はバカだ、というような言説をどう思うか。吉田さんに尋ねると、困り顔でこう答えた。

「選挙でなんでも決めることができる。投票さえすればいい、という発想そのものが間違いです。民主主義で、投票は政治に参加するための手段の一つでしかありません」
「メディアはこぞって『考えて投票しよう』『あなたの1票は重い』と投票にいくように呼びかけます。でも、それって本当なのでしょうか?」

吉田さんは、世の中で語られている「常識」に疑問を投げかける。
「いまの時代、国政選挙で、1票差で決まるような選挙はまずありません。世論調査も発達して、結果も始まる前にだいたいわかってしまう」

「実際のところ、1票は限りなく軽いというのが、現実です。だったら、わざわざ労力をかけてまでいかないよ、という判断があったとして、それは十分に合理的です。こういう合理的な発想をする人をバカと言いきれますか?」

確かに……。投票にいかない人からしたら「なんで影響がないのに選挙にいくんだろう?そのほうがバカじゃないか」という考えだって成り立つ。

「肝心なのはそこなんですよ。投票にいかない人をバカだと思うなら、いかない人を説得しなければならない。あるいは、行かない人は行く人が、なぜ非合理かを説明しなければならない。そうした議論があってこその民主主義です」

意識が低くても参加できる、これが投票だ

投票の持っている良さとはなにか。吉田さんは続ける。
「選挙での投票という仕組みが続いているのは、政治の大まかな方向性を一番コストの少ない形で決められるからでしょう」

「普段の立場や持っている時間に関係なく、平等に1票を持つ。投票する、しないを自由に決められるし、しかもその機会が定期的にある。簡単に手っ取り早く主権者になれるから、とも言えます」

「意識が高くても、低くても気軽に政治に参加できることが、投票の最大の魅力です。政権に意思表示をしたい人から、付き合いのある人に頼まれたからという人まで、幅広く受け入れる仕組み。だからこそ、民主的でもあるんです」

「これを、勉強しないと参加しちゃダメ、意識が高くないとダメと参加の制約をかけていったら、投票の良さがなくなってしまう」

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最終更新:7月9日(土)5時0分

BuzzFeed Japan

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