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有機物微細化、吸収効率アップへ 岡山のベンチャーが技術開発

山陽新聞デジタル 7月9日(土)8時10分配信

 化学系ベンチャーのナノ・キューブ・ジャパン(岡山市北区芳賀)は、有機物を数ナノメートル(ナノは10億分の1)に微細化して水に混ざりやすくする技術を開発した。従来製法に比べて粒子の大きさを100分の1以下にでき、人体に吸収されやすい医薬品の開発につながる。実用化に向け、大手製薬会社と共同研究も進めている。

 ナノ・キューブ社が独自開発した、手のひらに乗るサイズの超小型化学プラント「マイクロリアクター」を利用。有機物と水などを少しずつ流し込み、化学反応によって直径数ナノメートルの粒子にする。

 ウコンに含まれる成分・クルクミンの「ナノ粒子」を試作したところ、均一に混ざり、透明感のある「分散液」になった。粉砕して作る従来製法の粒子(数百ナノ~数マイクロメートル、マイクロは100万分の1)では水に混ざらず、沈殿したり、濁ったりするという。

 この技術を制がん剤などの医薬品に生かそうと、6月から製薬会社3社と、それぞれ共同研究をスタートした。ナノ・キューブ社によると、制がん剤の中には有効成分の有機物が水に溶けにくく、有機溶媒で溶かしたものがある。微細化技術で分散液の状態になった制がん剤ができれば、人体への吸収効率が高まり、有機溶媒による吐き気などの副作用も抑えられるという。

 医薬品のほかにも、健康食品やサプリメント、化粧品などへの応用が見込まれ、関連メーカーに技術を売り込んでいく。

 同社はマイクロリアクターで白金、銅、パラジウムなどのナノ粒子を作り、触媒や電子部品材料として国内外のメーカーに販売している。中崎義晃社長は「金属に加え、有機物のナノ粒子もできるようになり、ビジネスの幅が広がった。さまざまな分野の商品開発に生かしたい」と話している。

 同社は元大阪府立工業高専教授の中崎社長が2006年に設立。県の創業支援施設・岡山リサーチパークインキュベーションセンター(ORIC)に入居している。資本金4220万円、売上高1900万円(15年7月期)、従業員4人。

最終更新:7月9日(土)8時10分

山陽新聞デジタル