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コメづくり救世主なるかドローン 生育状況把握、品質向上へ一役

福井新聞ONLINE 7月9日(土)9時24分配信

 福井県のJA越前たけふは8日、小型無人機ドローンを利用した「稲作支援システム」の導入に向けた実証試験を、同県越前市余田町のモデル水田で行った。ドローン搭載の特殊カメラで、上空30メートルから水田を撮影。解析した稲の生育データを基に追肥の施肥量などを調整し、コメの品質や収量の全体的な底上げと均一化につなげていく。

 同システムは山形大とコニカミノルタ(本社東京)、ヤンマーヘリ&アグリ(同大阪市)などが、農林水産省の「農業界と経済界の連携による先端モデル農業確立実証事業」の採択を受けて共同開発。山形県などの実証試験で実績を挙げている。

 ドローンのマルチカメラで、水田全体を高い解像度で撮影。稲の茎数や葉の色を測定し、発育のばらつきなどを診断する。生育状況を把握することで、食味や収穫時期の目安を数値化。また診断データと肥料を散布する無人ヘリコプターを連動させ、生育の悪いところには肥料を多めに与え、良いところは抑えるなど最適な施肥を行うことができる。

 共同開発グループから提案を受けたJA越前たけふは、担い手農家の高齢化や水田の大規模化が進む中、従来の手作業による稲の養分測定に比べて省力性、効率性が高いと判断。推進する「日本晴復活プロジェクト」をはじめ、「高品質良食味コシヒカリ」「省農薬あきさかり」といった、こだわり米の収量や品質の均一化にもつながるとして、来年度のシステム導入を目指すことにした。

 実証試験は10日までの3日間、農事組合法人ファームはぐりなど3団体の水田計43ヘクタールで行う。結果を踏まえ、来年度はシステム利用を希望する生産法人などを募っていく方針。

 8日は管内水田の生育調査を行う「作見巡回」に合わせて試験を実施。組合員農家約100人が、ヤンマーヘリ&アグリの社員が操縦するドローンの飛行を見学した。JA越前たけふの担当者は「無人ヘリやトラクター、田植機の施肥可変装置の開発も進んでいる。システムを導入することで品質と収量の最適化を図り、生産者の所得向上につなげていきたい」と話している。

福井新聞社

最終更新:7月9日(土)9時24分

福井新聞ONLINE