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小学校入学に向けて、感情をコントロールできる子になるためには?【実践編】

ベネッセ 教育情報サイト 7月9日(土)14時0分配信

小学校に入ると、これまでのように周囲の大人がサポートする機会が減っていきます。そのため、お友達とのケンカといったトラブルの解決を、お子さま自身がしなくてはいけないといったケースが増えるでしょう。その際に大切なのは、感情をコントロールする力です。家庭では、どのようにその力を育めばよいのでしょうか。発達心理学がご専門の聖徳大学准教授の佐伯素子先生に伺いました。

怒りを静めるには、前頭葉を使って思考することが効果的

喜怒哀楽など、人間にはさまざまな感情があるなかで、人間関係のトラブルの原因になりやすいのは、怒ったりイライラしたりする感情だと思います。ただ、怒ってしまうのは生理的な反応であり、それを誰も止めることはできません。脳にある扁桃(へんとう)体という部分が、自分の嫌なことや恐怖を感じると、私たちが気付く前に、身体反応を起こすようにほかの領域に信号を送ります。その作用で心拍や血圧、呼吸数の増大、発汗なども起こります。

それを静めるには、前頭葉を働かせて思考することが有効だとされています。具体的に言うと、なぜ自分は怒っているのか客観的に原因や状況を考えるのです。ただ、この行為は大人でも難しく、時間が経っても怒りを引きずってしまうことは少なくありません。特にお子さまの場合は、まだ前頭葉の機能が十分に発達していないこともあって、怒りがヒートアップしてしまうと、自分がなぜ怒っているのかさえわからなくなってしまいます。そこで、保護者のサポートが必要です。お子さまの感情を受け止める方法をご紹介します。

【STEP1】子どもの気持ちを受け止める
お子さまが怒ったりイライラしたりしている時に、保護者が怒っても効果はありません。まず、怒っているお子さまの気持ちを受け止めましょう。具体的には、子どもの気持ちに共感してあげて、気持ちを代弁してあげることです。たとえば、周囲の状況から考慮して「あなたはもっとAちゃんとゲームがしたかったのに、もう帰る時間だと言われて怒っているのね」という風に。すると、子どもは自分の気持ちを客観的に理解することができるようになります。その際、お子さまが非常にはげしく怒っていても保護者がつられて強い口調になるのではなく、お子さまが受け止められるくらいの強度で返してあげることが大切です。
こうした繰り返しで、言葉で自分の気持ちを伝えられるようになります。自分の気持ちを言葉で伝えられるということは、自分の思考を整理することができている証拠なのです。この方法は怒りの場面だけでなく、悲しいときやつらいときなど、さまざまな場面で応用できます。

【STEP2】怒りを増幅させるのもなだめるのも、考え方次第
感情を起こさないようにすることはできません。でも、感情が起こった状況を解釈し直すと、感情は静まっていきます。怒りの感情は、自分の目的が阻害されたときに起こります。「思いどおりにならないこともあるんだ」「いつも公平とは限らない」「こんなこともあるさ」と考えるだけでも、怒りは静まっていきます。どんなふうに考えると怒りが静まるのか、お子さまと一緒に考えていくとよいでしょう。

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最終更新:7月11日(月)9時31分

ベネッセ 教育情報サイト