ここから本文です

古代のヘビには4本足があった。ただし、陸地を歩くためじゃありません

ギズモード・ジャパン 7月9日(土)19時10分配信

短い4本脚、長い胴体…進化の過程はナゾだらけ。

昨年、ブラジルで発見された1億1000万年前の白亜紀の化石「テトラポドフィス」についてさらなる研究が進むなか、4本脚のヘビのような生き物として水中で進化していた可能性が新たに示されました。

かつて、陸地の生き物だったのではないかと推定していたのは、Nicholas R. Longrichが率いる科学者チームによる昨年の調査。一方、白亜紀の研究を専門にする学会誌Cretaceous Researchで今回新たに公開された研究によると、テトラポドフィスはもともと「水中」に生息していたトカゲと同族で、進化の過程で長い胴体を形成し、ウナギのように泳いでいた可能性が示唆されています。

パドルのような4本脚を除けば、現代のヘビとよく似た頭と身体の特徴があったとされるテトラポドフィス。以前の研究では、短い4本脚は移動用ではなく、獲物を捕獲するためだったほか、短い尾はミミズのように地上で穴を掘るのに役立ったと考えられていました。

ところが今回、異なる見方を示したのがトロント大学のRobert Reisz氏と彼の同僚による研究チーム。「テトラポドフィスの手足は著しく短く、パドルのような形で泳いだり舵を取ったりするのに適している」と、Reisz氏。白亜紀後期、水中に生息していたトカゲと近しい特徴が指摘されています。

Reisz氏は、テトラポドフィスの細い尾と手足が、今日見られるトカゲやヘビの特徴と厳密に一致するわけではないことも指摘しています。そのうえ4本脚の骨が脆いことから、軟骨組織が骨に変形する過程だった可能性も考え得るようです。

こうした特徴からReisz氏は、テトラポドフィスはモササウルスのように海に生息していた古代のトカゲと同様の特徴を持つことや、ヘビと同族である認識を示していますが、厳密には一致しないのだそう。

「脊椎動物が初めて陸地に上がった数百年後、副次的に水中に戻ったヘビのような両生類がいたのも事実」と、Reisz。

大きさでなく形状を理由に、短い4本脚には高度な専門的な役割があったと考えているReiszの研究チーム。ヘビだけでなく魚類、サンショウウオ、絶滅種をふくむ両生類や爬虫類など、多くの生き物が泳ぐために長く、細い体型に進化したことを指摘しています。

短い4本脚、水中を泳ぐために進化した長い胴体…。一体どんな過程で手足のない状態に進化したのか…ヘビのような生き物の歴史を深く辿る研究は、まだまだ続きそうです。

Top image by Alessandro Palci and Michael Lee - Flinders University and South Australian Museum
source: Cretaceous Research
George Dvorsky - Gizmodo US

最終更新:7月9日(土)19時10分

ギズモード・ジャパン