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<バングラテロ>下平さん葬儀 友人ら「出会えたことにありがとう」

埼玉新聞 7月9日(土)22時10分配信

 バングラデシュの飲食店襲撃テロで犠牲になった富士見市出身の下平瑠衣さん(27)の葬儀が9日、東京都新宿区の寺でしめやかに営まれ、親族や多くの友人らが参列した。雨が降る中、「人の役に立ちたい」とボランティアや発展途上国の支援に力を注いでいた下平さんに、友人らが最後の別れを告げた。突然の別れに、首を横に振り、泣き崩れる人たちもいた。

 「娘を誇りに思っている」「娘は中学のときから途上国に行きたいという希望を持っていた。志がかなったのに、こんなことになってしまい残念」―。参列者によると、下平さんの父親は気丈に振る舞いながらも、言葉を詰まらせて弔辞を読み上げた。斎場には生き生きとした表情でほほ笑む下平さんの写真が飾られていたという。

 2009年、カンボジアの小学校にブランコを作るボランティアに参加した下平さん。一緒に活動したという岐阜県中津川市の女性会社員(26)は「いつも優しくお姉さんのような存在だった。夢に向かって進む姿はすてきで憧れです。憎しみではなく、悲しい気持ちをばねに、下平さんの気持ちを無駄にしないよう生きていきたい」と目に涙をためた。

 下平さんは学生時代から国際協力に携わることを夢見ていた。東京工業大学の大学院時代の友人という茨城県つくば市の青木祐太さん(28)は、タイに留学が決まった際、「楽しみ」と夢を語っていた下平さんの笑顔が忘れられない。青木さんは、理不尽な死に「どれだけ無念だったか。深い憤りと深い悲しみでいっぱいで、最後まで事実と受け止めることができない」とうつむき、「彼女は負の感情に身を委ねるような弱い人ではなかった。何事にも積極的で明るかった。お疲れさまと言いたい」としのんだ。

 「出会えたことにありがとうと感謝したい」。県立蕨高校のテニス部で一緒だった石塚友理江さん(28)は、多くの笑顔をもらったという下平さんに最後のお礼を伝えた。

 国際協力機構(JICA)の北岡伸一理事長は「家族が反対しても、(下平さんは)『どんなことがあっても覚悟している』という気持ちを持っていたようだ。志を無にしないよう、途上国の支援をひるまず続けていきたい」と述べた。

最終更新:7月9日(土)22時10分

埼玉新聞