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人工知能が空対空戦で元空軍大佐に圧勝

ギズモード・ジャパン 7月9日(土)23時10分配信

碁に続き、空中戦までも…。

今の空対空戦は高度1万2000m以上を時速2400km以上で飛びながらマイクロ秒単位で戦略を決める世界です。その現実を忠実に再現した空中戦シミュレーションで米シンシナティ大学のAIシステム「ALPHA」が米空軍元パイロットに完全勝利を収めました。

人間代表のGene Lee大佐は1980年代から人間とAIの教官パイロットを務める超ベテラン。でも攻撃のたびにことごとく撃ち落とされ、ただの一度も敵を殺せませんでした。「集中力と反撃力には驚くばかりだ。完全に読んできやがる」と舌を巻いてます。

ALPHAは軍の戦闘パイロットの訓練用に開発されたシステムなのですが、スピード、旋回、兵装、センサーの精度を落としても人間パイロットに楽勝ということで、フィジカルな世界にも応用が期待されています。

なんせその処理スピードは「人間が瞬きする250倍以上の超速で戦略を決める高性能」。それでいて「市販の35ドルのRaspberry Piでも充分間に合っちゃう」モンスターなのです(論文より)。

空中戦はあらゆるデータを読み込んで、あらゆる戦略を吐き出さなければならないので、その数を絞り込むところが難しさ。そこでALPHAの開発に当っては、無人戦闘機(UCAV: Unmanned Combat Aerial Vehicle)用に開発された「genetic fuzzy tree(GFT)」というシステムを応用しました。この手法では進化と自然淘汰を模した遺伝的アルゴリズムを使って、ファジー推論システム(FIS)を訓練します。各FISには「遠い」、「超やばい」といった風に言語で入出力を分類する機能が備わっており、「AならB」という状況判断もできます。複雑な問題を小さな判断に分けるので、解決策の幅も格段に狭められるってなわけですね。

最初はランダムにALPHAのベータを量産し、5、6万円のパソコンでAI同士を戦わせて、勝ったAI同士で戦ち残り戦をやっていき、最後に勝ち残ったのがこのALPHA(英語で群れのボスの意)です。将来的にはこの瞬きの250分の1秒のAIが無人航空隊の司令塔に…なるんでしょうねぇ…どうあがいたって勝ち目ないわ…。

…と血湧き肉踊る未来の空中戦をイメージしたところで、一部公開されたシミュレーション中の動画(https://youtu.be/6V3gX-vDUUM)も貼っておきますね。

「6秒かよ!」「もっと長いGIF知ってるぞ!」と評判は今ひとつですが。

image by Lisa Ventre, University of Cincinnati
source: Journal of Defense Managament, UC Magazine, Ars
Angela Chen - Gizmodo US

最終更新:7月9日(土)23時10分

ギズモード・ジャパン