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鎌倉市に開削再考促す声 素掘りトンネルに専門委「文化財的価値」

カナロコ by 神奈川新聞 7月9日(土)17時30分配信

 崩落の恐れがあるとして鎌倉市が開削を決めていたJR北鎌倉駅(同市山ノ内)脇の素掘りトンネルを巡り、市文化財専門委員会は8日、トンネルのある尾根に「文化財的価値がある」と結論づけた。トンネル全体を取り払う開削工法について、市に再考を促す意見も相次いだ。

 専門委は、市が文化庁から「外部の専門家による委員会を設置し文化財的価値を検討すべき」との指摘を受けて開催。出席した委員7人に加え、外部有識者として五味文彦・東大名誉教授(日本中世史)と藤原良章・青山学院大教授(同)を招いた。

 専門委では重要文化財の「円覚寺境内絵図」などを参照し、「トンネルのある尾根が、(寺の)境界線が引かれている尾根の一部であることは間違いない」「尾根は極めて象徴的な(寺の)結界。史跡として指定されてしかるべきだ」などの意見が出された。

 トンネルの安全対策は必要とした上で、「残っているものは残すのが文化財保護の基本」「いかに史跡として守るかできるだけ努力を」などの声が相次いだ。議論の末、会長の河野眞知郎・元鶴見大教授が「尾根に文化財的価値はある。工法の検討に手を尽くしてもらいたい」と結論づけた。

 市は議論の内容を松尾崇市長に伝え、今後を判断するとしている。

最終更新:7月9日(土)17時30分

カナロコ by 神奈川新聞