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唐沢寿明、朝ドラ好調の理由は女優の“演技力” 「新人じゃないというのが大きい」

クランクイン! 7月9日(土)5時0分配信

 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で、6月21日放送回から編集者・花山伊佐次役で登場した唐沢寿明。花山はヒロイン・常子(高畑充希) との出会いから、生活総合雑誌「あなたの暮し」を創刊、ここから物語は山場を迎える。 撮影現場では、その役柄のモデル同様、唐沢も独特な存在感を発揮しているようだ。

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 花山のモチーフとなっているのは雑誌「暮しの手帖」の創業者である名物編集者・花森安治さん。唐沢は「絵もかけて、文章もずば抜けていて、デザインもして、編集をトータルにできる、そういう天才的な人はなかなかいない」と花森さんを評する。

 演じるにあたって花森さんに関する本は読んだというが、「そこに答えは書いてないんです。経験に勝るものはないけど、僕にはその(編集者)経験もない。取り入れるべきは取り入れて、いらないものは捨てる」。その作業の中で唐沢流の“花山伊佐次”が生まれていった。

 花森さんは、女性読者の心を理解するためにスカートをはいて出勤するなどかなり異端の人だったという。「女性の気持ちを理解することは大事ですが、でも普通の男性編集長は女性の格好をしないですよね。そこまでマジメで不器用な人だったんじゃないかな。その部分は取り入れて演じたいとは思いますね」と笑う。

 撮影現場では唐沢は、テストの段階からどんどんアドリブを入れていく。それは「ただ家でセリフを覚えて、現場で覚えてきたセリフを言うだけじゃ役が生きない。普段人と会話する時、頭で話すことを追っかけて喋ってるわけではないでしょ。なぜセリフだけ頭の中で追わなければならない? それは変だよね」という考えによるもの。

 それには後輩に集中力をもって芝居をしてもらいたいという思いもある。テストではふざけた芝居も入れ笑わせることもあるそうだが、「緊張すると絶対にいい芝居はできない。たとえば泣くにしてもリラックスした状態でないと集中ってできない。多少バカげたことをやって笑ってもらえるくらいのほうがいいんじゃないか」と語る。


 それはもちろんヒロイン・常子役の高畑に対しても。「彼女はアドリブやっても、ちゃんとついてきてくれるですよ。しかも役の雰囲気でついてくる。勘がいいんです」と絶賛する。役柄を通して夫婦のような感じにすらなっているとか。現場でのやりとりで「『ハイハイ』とか、すでに先輩とは思ってない」と苦笑いしつつ、でも「いろんな重圧と戦っているだろうね。修行みたいなものだからね、朝ドラのヒロインというのは…」と気遣う。

 唐沢も一目置く高畑の演技力。その女優の「演技力」が昨今の朝ドラ人気につながっているという。唐沢がNHK連続テレビ小説に出演するのは、『純ちゃんの応援歌』(88)以来28年ぶり。その頃と比べて、「ヒロインが新人じゃないというのが大きい。28年前、うちの奥さん(山口智子)が出ていた時は素人(状態)だったので、演出家に言われたことをほとんどその通りに演じていた。高畑さんはキャリアがあるので、演出家に自分の意見を伝えることもあるんですよね。『私はこういうふうにやりたい』と。その辺が当時とは随分違うところかな」といい、作品がさらに面白くなる素だと分析する。

 また「ストーリーがわかりやすいのがいい」とも。「本来テレビってそういうものなのかなと思いますよ。“ヒロインが一生懸命頑張ってる”、それは今の時代になくなりかけていること」と、朝ドラの役割に期待を寄せた。

 NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』は総合テレビにて、毎週月曜~土曜あさ8時放送。

最終更新:7月9日(土)5時0分

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