ここから本文です

「PS VRで世界に勝負してほしい」 ーーBitSummit会場で吉田修平氏を直撃インタビュー【BitSummit 4th】

ファミ通.com 7月10日(日)1時36分配信

文・取材・撮影:編集部 工藤エイム

●「PS VRを体験する機会も増やしていきます」
 2016年7月9日~10日、京都市勧業館みやこめっせにてインディーゲームの祭典BitSummit 4thが開催。ステージイベントの出演後に、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイド・スタジオの吉田修平氏へインタビューを敢行。日本のインディーシーンからプレイステーション VRについて、お話を伺った。

ーー吉田さんは、BitSummitに2回目の参加になりますが、どのような印象を抱いていますか?

吉田 前回もすごいと思いましたけど、今回は昨年にも増してすごい盛り上がりだと思います。会場もいい感じにギッチリ詰まっていて、さらに出展タイトル数も増えていて素晴らしいです。

ーー日本のインディー市場に関して昨年のBitSmmitでは、「欧米よりスタートは確かに遅れたが、現在では立派に立ち上がった」と仰っていましたが、昨年に引き続きIndie MEGABOOTHの参加に加え、国内外のメディアや来場者が多く詰めかけているのを見て、日本のインディーシーンも北米に追いつくような盛り上がりを見せていると思いました。ここまで至る過程で大変だったことはありましたでしょうか?

吉田 確かに確実に盛り上がってきてはいますが、やはり日本はまだ欧米に比べていまひとつ盛り上がりが足りない印象です。大きな要因としては、やはり日本ではPCでゲームを遊ぶ人が多くないということがあると思います。PCにはインディーゲームがいちばん盛り上がっているSteamがあり、Steamで発売されたインディーゲームがプレイステーション向けに配信されているのが現状です。また、日本で海外ゲームを遊ぶユーザーさんも限られており、海外の優れたインディーゲームを国内市場で積極的に発売するデベロッパーさんも多くはありません。海外のインディーデベロッパーが、ローカライズやCEROのレーティングの費用が出せないことも要因かと思います。私が昨年のBitSummitで日本のインディーシーンを発展させる戦略について、海外の良作インディーゲームをたくさん発表する、日本の著名クリエイターを海外に売り込む、“VR”で日本でしか作れないコンテンツで勝負するの3つを提案させていただきました。現状、松浦雅也さんや五十嵐孝司さん、稲船敬二さんといった世界的にも著名なクリエイターさんが手がけるインディーゲームは海外でもものすごい注目度で、発売を心待ちにしているファンの方も多くいます。海外のインディーゲームを日本市場で出す動きも、少しずつですが頑張って開拓しています。その中でもVRは、とくに大きなチャンスです。VRはバーチャル空間を体験することがメインですので、言語も少なく、結果ローカライズが必要最低限で済むので、世界に向けて発信できる大きなチャンスだと思いますね。

ーーVRが、今後のインディーゲーム発展の大きなチャンスになると。

吉田 盛り上がって来つつあるのはすごく嬉しいです。

ーーPS VRが発売されることによって、インディーシーンも変わっていくということでしょうか?

吉田 インディーゲームが目立つチャンスかと思います。VRはまだ大手パブリッシャーは大きく投資していません。これは国内のみならず海外でも同じ傾向で、「もっとVRの市場が大きくなってから参入すればいい」という判断をしています。現在は既にあるアセットをうまく使って、「あのゲームの世界をVRで体験してもらおう」というものが多く、大きな投資をして、VR専用タイトルを作るという段階にはまだないと思います。そのあいだにインディーデベロッパーの方たちが、VRだからできる面白いことを考えて、作っていただければ、ヒットが生まれるチャンスができるのではないでしょうか。

ーーSIEはインディーデベロッパーを支援されていますが、支援する上で大切にされていることはありますか?

吉田 例えば今回のようなイベントで視察をして面白そうなタイトルがあったら、「プレイステーションで配信しないか」と声をかけています。また、開発費用などといったサポートは、各リージョンすべてのSIEで開発のサポートを行っています。

ーー先ほどのステージイベントで、PS VR向けのコンテストを開催すると発表しましたが、このコンテストの狙いもインディシーンの発展を期待して、ということでしょうか?

吉田 まさにその通りです。

ーーそういえば、今回のBitSummit 4thはプレイステーションブースがなくて寂しいのですが、よろしければ理由をお聞かせいただけますでしょうか?

吉田 BitSummit 4thでは多数のブースでプレイステーションを使用したインディーゲームをたくさん出展してくださっていたので、今回はスポンサーとして支援させていただくことになりました。あとは、PS VRを使ったインディーゲームコンテストの発表ステージのほうに注力させていただきました。

ーーコンテストには、どういった方に参加して欲しいとか、狙いはあるのでしょうか?

吉田 企業などのサポートを受けられない個人クリエイターの方に、ぜひ応募していただけたらと思います。

ーーインディーシーンは、日本では欧米よりイマイチ盛り上がりが足りないと仰っていましたが、VRは世界規模で盛り上がってほしいですね。

吉田 そうですね。VRはアジアでも非常に盛り上がっています。それこそ台湾や韓国のメーカーがVRデバイスを発売していますし、やはりPCゲームが浸透している地域は、VRデバイスへの注目度も高いと言えますね。アジアのインディーデベロッパーも、VRなら世界で勝負するチャンスだと感じていらっしゃいます。

ーーそういう点では、PCゲームが浸透していない日本では、PS VRが果たす役割は特に大きくなるのでは?

吉田 そうですね。その責任感はすごく感じています。

ーーPS VRの予約再開に向けて準備されているとのことですが、やはり想定外の売れ行きだったということでしょうか?

吉田 想定を超えた売れ行きでした。今年3月に欧米で予約を開始して早いペースで完売になってしまいましたが、その時は予想通りでした。日本でも早いペースで完売して、嬉しかったですね。ただやはりVRは体験しないと分からないので、いまは家電量販店での体験会など、東京ゲームショウ以外でも体験できる機会を増やし始めたばかりです。体験したユーザーさんの感想がSNSで回ってきて読んでみると、すごく手応えを感じます。もしいまプレイステーション4を持ってない方でも、PS VRがきっかけで購入を決める人が増えてくれたら嬉しいですね。

ーーPS VRの発売に合わせてプレイステーション4を購入するという声を聞きますね。

吉田 そうなんです。プレイステーション4が普及している欧米とはまた違った展開で、いい相乗効果がで出るのではと期待しています。あと今年の後半は『ファイナルファンタジーXV』や『ペルソナ5』、『龍が如く6』といった人気タイトルの発売ラッシュが控えていますので、それで丁度「買い時だなあ」と感じていただけたらと思います。とにかく、これからPS VRを体験できる機会は増えていくと思いますので、ぜひみなさんに体験していただけたらと思います。

ーーでは最後に、インディーゲームコンテストへ参加を検討している人に向けてメッセージをお願い致します。

吉田 今後のVRは、ゴールドラッシュのようにたくさんの新しい体験が出てくると思います。いまだったら、VRを通すことで世界中に注目してもらえるチャンスだと思っていますので、いまチャンスを逃さないように、ぜひ頑張っていただけたらと思います。

最終更新:7月10日(日)7時45分

ファミ通.com