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前田敦子「25歳の自分が選ぶ10曲」/【連載】トベタ・バジュンのミュージック・コンシェルジュ

BARKS 7月13日(水)14時12分配信

この連載は、音楽家/プロデューサーのトベタ・バジュンが毎回素敵なコンシェルジュをお迎えし、オススメの10曲のプレイリストを紹介していくコーナーだ。コンシェルジュの「音・音楽へのこだわり」を紐解きながら、今の音楽シーンを見つめ、最新の音楽事情を探っていこう。

◆前田敦子オフィシャルサイト

第2回目のコンシェルジュとして登場するのは前田敦子だ。2005年にAKB48の一期生としてグループ加入後、中心的メンバーとしてAKB48を牽引、2012年8月の卒業後は女優業を中心に活躍している。ソロデビュー5周年を記念した初のソロアルバム『Selfish』を発表したばかりの彼女に、「25歳の自分が選ぶ10曲」をセレクトしてもらった。

●前田敦子「25歳の自分が選ぶ10曲」

(1)秦基博「ディープブルー」
(2)秦基博「Rain」
(3)Gene Kelly「Singin' in the Rain(雨に唄えば)」
(4)Marilyn Monroe「I Wanna Be Loved by You」
(5)Audrey Hepburn 「Moon River」(映画「ティファニーで朝食を」より)
(6)Selena Gomez 「Stars Dance」
(7)Taylor Swift「Begin Again」
(8)山口百恵「絶体絶命」
(9)薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」
(10)キャンディーズ「年下の男の子」

   ◆   ◆   ◆

(1)秦基博「ディープブルー」

秦さんが、すごく神秘的な歌い方をしてるんです。すごい響きわたっていて、まさにディープブルーな、タイトルにピッタリの世界観で、歌詞の内容がすごく素敵なんですよ。「失恋した女性を僕が励ませられたらいいなって思っているけど」みたいな歌なんですけど、深い闇に落ちて行った君をいつか救い出したい、だけど簡単には救い出せないことをわかってる…みたいな内容がすごく深いんです。失恋したときって「世界で自分が一番不幸かもしれない」って思ったりしますけど、それをなんて素敵に描いているんだろう、と思います。

(2)秦基博「Rain」

私、秦さんの曲だと思ってました(註:作詞/作曲は大江千里)。秦さんにも「秦さんの曲だと思ってた」って言っちゃいました(笑)。(この曲がエンディングテーマのアニメーション映画)『言の葉の庭』は観てないんですよ、観てみます。(シングル曲の)「言の葉」もいいですよね、表面も。だからこのCD好きです。

(3)Gene Kelly「Singin' in the Rain(雨に唄えば)」
(4)Marilyn Monroe「I Wanna Be Loved by You」
(5)Audrey Hepburn 「Moon River」(映画「ティファニーで朝食を」より)

『雨に唄えば』は一番好きなミュージカル映画なんです。何回も観てます。なんて前向きなんだろうって思います。マリリン・モンローも同じですね。やっぱり王道の人たちは王道でいいです。歌もステキに歌うから、歌が入っている映画がすごく好きなんです。ミュージカルも好きだし、『ティファニーで朝食を』でオードリー・ヘップバーンがちょっと歌っているのとかも好きです。女性が憧れるピンポイントのものを持っている方たちなので、好きです。

(6)Selena Gomez 「Stars Dance」

アルバム『スターズ・ダンス』の「スターズ・ダンス」って曲が好きです。私、女の子が好きなので、聴いてるのも女の子の曲が多いんですね。

(7)Taylor Swift「Begin Again」

テイラー・スウィフトも好きなんですけど、それくらいの世代の女の子ってなんかすごい見ていてワクワクするんですよね。曲もそれぞれの色があるので、聴いていてすごく刺激を受けます。テイラーだと「ビギン・アゲイン」が好きです。バラードが大好きなので。バラードの中で一番好きな曲です。

(8)山口百恵「絶体絶命」

(昭和の曲では)山口百恵の「絶体絶命」が好きです。アップルストアでベストアルバムを買いました。

(9)薬師丸ひろ子「セーラー服と機関銃」

薬師丸ひろ子さんだったら「セーラー服と機関銃」かな。(映画も)だいっすきです!名作ですよね!(現在一緒に)お仕事させていただいている方たちが、この時代でも既にキラキラしていたということが私にとってすごいことなんです。「あれ?柄本明さん出てる!」「薬師丸さんも!」みたいな。一緒にお芝居をしたことがある方たちが出てるのがすごく感激します。

(10)キャンディーズ「年下の男の子」

(昭和の曲だと)キャンディーズさんの「年下の男の子」かな。

   ◆   ◆   ◆

──前田さんの声って懐かしさと切なさみたいなものが同居してるんですよね。アルバムでは特に好きなのが「やさしいサヨナラ」でした。

前田敦子:ありがとうございます。嬉しいです。私もそれが一番好きな曲なんです。曲の入りもステキだし歌詞も大好きです。時間をかけて「どんな風に歌うか」っていうのを試行錯誤させてもらいました。

──サビのところの少しハイトーンになるところとか「すごいうまいな」って思いました。

前田敦子:わぁ、嬉しいです!

──ジャケット写真は操上和美さん。大御所に撮ってもらったんですね。

前田敦子:そうなんですよ。嬉しかったです。その時点で「あっ、これはいいものができるな」って。

──『Selfish』を一言で現すと、どんなアルバムと言えますか?

前田敦子:アルバムタイトルも表題曲の「Selfish」から採ったんです。でも、結局はアルバム全体もそんな感じかな。その一言で尽きるようなバランスになったのかなと思います。

──オススメの曲は?

前田敦子:私バラードがすごく好きで、歌うのも聴くのも好きなんですよ。人の曲もバラードが好きなので、カラオケでもバラードしか歌わないっていう盛り上がりに欠けるカラオケをよくするんです(笑)。だから、一番最初に「バラードって楽しい」って思ったきっかけが「頬杖とカフェ・マキアート」という曲なんです。これは『Flower』という1stシングルのカップリング曲のひとつなんですけど、この曲がすごく大好きで、ライブで歌うのも一番楽しみってくらい。

──「聴かせたい!」という感じの曲が好きなんですね。

前田敦子:そうですね。自分も歌詞をちゃんと考えながら歌えるのがすごく好きです。アップテンポな曲はライブで盛り上がるからすごく楽しいけど、歌詞の内容を考えながら…となると、やっぱりバラードのほうが全体的に好きですね。

──「Flower」のPVも映画のような作りですね。小さい子は実は自分だったというストーリーで。

前田敦子:そうです、一緒に見つめ直す旅に出てっていう。

──女優の前田さんにとって、歌の活動は歌手を演じる感覚なのでしょうか。


前田敦子:歌を歌う分には、何かになりきるという意識は全くないですね。何かにならなきゃという感じもしてなくて。いろんな曲がありますけど、声をいろいろ使い分ける作業は本当に楽しいと思っています。

──秋元康のプロデュースは、AKB48時代とソロとでは違いはありますか?

前田敦子:そこについては変わらないです。秋元さんは、曲に歌詞がついて形になってから私にくださるんです。だから曲を選ぶという作業は私は一切やったことがないですし、秋元さんがこれだっていう作品をくださるので、私はそれに応えられるように歌を録る。で、それをもう一回秋元さんに聴いてもらって…という流れはAKB48のころから変わらないものです。

──曲を受け取るときはどんな心境ですか?

前田敦子:いつもすごい楽しみです。「あっ、来た!」って。AKBの時からそうでした。新曲がさらっと送られてくるので、「次はこんななんだ!」みたいな。

──貴重な体験ですよね。

前田敦子:当時は14歳で、本当に精神的にもすごく子供だったので、AKB48で徐々に成長して大人になるということは、すごく幸せだったなと思います。

──前田さんにとって秋元さんはどういう存在ですか?

前田敦子:絶対の信頼ができる方。そういう方がこの芸能界というところにいるってこと自体が私は幸せだって思います。そういう方って、1人でやってたらなかなか出会えないじゃないですか。絶対ってなかなか言い切れないですけど、秋元さんは何があっても絶対ついていきたいと思えるし、絶対に守ってくれる人だと100%思えます。…芸能界のお父さんなんでしょうね、きっと。

──今回「25歳の自分が選ぶ10曲」には映画にまつわる曲もありますが、おすすめの映画って何ですか?

前田敦子:人にオススメしやすいなって思うものなら『(500)日のサマー』っていう映画がすごく好きです。ジョゼフ・ゴードン=レヴィットとズーイー・デシャネルの2人が主役なんですけど、すっごい変わった恋愛映画なんですよ。恋してるときは全てがステキに見えるのに、嫌いになったとたんすべてが嫌いに見えるみたいな、それが可愛く描かれています。すごい面白いです。女の人のほうが好きかもしれないですけど。

──どんな映画が好きなんですか?

前田敦子:いろいろ観てますけど、アイドルから始まっている女優さんがすごい素敵だなと思うことが多いですね。だから薬師丸(ひろ子)さんとかすごく好きです。

──生活の中で、音楽はどのように触れていますか?

前田敦子:私、音楽を聴かない日はないかもしれないです。お風呂の中でも必ず聴きます。お風呂の隅っこにスピーカーを持って行って音楽を流しています。

──どういう音楽を?

前田敦子:日によって全然違いますよ。最近は秦基博さんが好きだから、秦さんの「青い光景」をずっと聴いてます。私、歩くのがすごく好きなので、よく歩きながら聴いてます。ずっと同じ曲をリピートしたりしますよ。というか、曲が聴きたいから歩いたりするんです。運動も兼ねてますけど、「この曲もうちょっと聴いてたい」って思うと遠回りしたりします。一人で聴くのが好きなんです。

──秦基博はライブも観に行ったそうですね。

前田敦子:この前もお友達と2人で普通に行きました。

──え?普通にオープンに行くんですか?

前田敦子:はい。全然平気です。

──音楽の聞き方もここ数年で大きく変わりましたよね。

前田敦子:私はカセットテープをずっと使ってました。借りてきたものをカセットテープに録音して。モーニング娘。さんの曲はたぶん全部カセットテープに入れてました。

──前田さんの世代でカセットテープって、意外ですね。


前田敦子:いつもビックリされます。『イニシエーション・ラブ』という映画をやったんですけど、それがまさにカセットテープが出てくる時代で、私も「全然使ってた」って言ったら、監督とかに「年齢サバ読んでるの?」って言われました(笑)。

──鉛筆でくりくりしたり爪折ったり?

前田敦子:はい!やってました。爪折るともう録音できないんですよね(笑)。

──それはもう昭和ですね。

前田敦子:まだ私が小さいころ、MDって高かったですよ。自分のお年玉で買えるものを選んだらカセットテープだったんです。

──今は配信の時代ですね。

前田敦子:自分もアーティストをやらせてもらっているので、そういう立場になるとすごい寂しいなってやっぱり思うんですよね。形になったものを手に取ってほしいなって思います。でも、CDだけだったら聴いてもらえないことも多いのが普通に聴ける当たり前の環境に音楽があるっていうのは、そういう意味ではすごくいいことなのかな。私も欲しい曲があったら、当たり前にダウンロードしちゃいますから。自分でプレイリストを編集して、好きな曲をまとめたり、いろんな人のバラードを集めて作ったりして楽しんでいます。

インタビュー:トベタ・バジュン

前田敦子『Selfish』
2016年6月22日発売
Type A[CD+DVD] 3564円 KIZC-355/356
Type B[CD+DVD] 3888円 KIZC-357/358
Type C[CD+DVD] 3888円 KIZC-359/360
Type D[CD] 3024円 KICS-3393

最終更新:7月13日(水)14時12分

BARKS

TEDカンファレンスのプレゼンテーション動画

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昔は街の広場で、現代はYouTubeで。歴史を通じ、公開処刑には必ず人だかりがつきものでした。人が処刑というものを、恐ろしく不快に感じながらも、つい気になって見てしまうのはなぜか。フランシス・ラーソンが人間と公開処刑の歴史、中でも斬首刑に焦点を当てて解説したこのトークは、気分の良い内容ばかりではありませんが、同時に興味をそそること間違いないでしょう。